放課後、マネージャーはどこで着替えてどんな仕事するんだろうな〜、とわからないまま白石と忍足について行った。部室の前まで来ると忍足がジャージ忘れたのかと聞いてきた。ジャージならカバンの中にあるけど、そう答えると着替えてこいと返された。
なるほど、いつも別場所で着替えてから参加していたことがわかった。急いで体育の時に使った女子用の更衣室で着替えて戻ると、みんなはすでにアップを始めていた。
なにしたら良いのかわからず、ただ見ていると白石が声をかけてきた。
「みょうじ、さん」
「うん?」
「えっと、部室に粉とか氷もあるからドリンク作ってほしい、です」
「おっけ!」
「あとはスコア記録したりやねんけど、また声かけるわ」
「はーい!」
指示通り部室へ行くと大きなジャグが目にはいった。その周りには粉ドリンクが奇麗にならべられている。小さな冷蔵庫が横にあったので冷凍庫をあけるとギッシリ氷が入っていた。水は水道水なのかなと思い上の段を開けるとミネラルウォーターが何本も入っていたので、遠慮なく使うことにする。水道水を使わないなんてとても贅沢だ。近くのカゴにはプラスチックでできたコップに各自の名前が書いてる。きっとこれで飲んでいるのだろう。
よくわかっていないものの、なんとなくで作ってコートへ持って行くとオサムちゃんが声をかけてくれた。
「よー持てたな」
「へ?」
「いつも持てない言うてオサムちゃんに運ばせてたやん」
「あー……その手があったか」
「聞こえてるで!?」
オサムちゃんがもてあそばれたヒドイと騒いでるが、無視してとりあえずベンチに置いた。確かに重たかったけど運べないことはない。そんなか弱さでよくマネージャーなんか勤まるな。コップの上に乾燥したてのタオルをかぶせてから白石の元へ向かった。
「しーらーいーしいいい!」
「お、作れたん?」
「バッチリやで!」
「はやかったな」
「私優秀やからな、へへっ」
「ほな次はスコアやねんけどな」
「めっちゃ綺麗にスルーされた!」
しかもピースしてみせたらそっとその手を下げられた。ふざけすぎたかな、少しだけ反省をして話を聞く。なんでも今から練習試合があるからそれを記録してほしいとのことだった。今朝はその組み合わせを発表とかしたらしい。でもスコアなんてつけ方わからない。
「いつもは誰がつけてるん?」
「みょうじさん」
「え、私!?」
「やりたい言うて担当なったやんな」
「そ、そんなコトもあったヨネ」
白石が怪訝そうな顔をしている。やりたいと言っていたくせに、今日はやりたくないとか言って良いのだろうか。やりたくないというか、やり方がわからない、が正しいんだけれども。どうしようかと考えていたらオサムちゃんが後ろから声をかけてくれた。
「スコアならオサムちゃんがつけたるわ」
「ほんま!?できるの?」
「一応顧問やしな」
白石は「ほなお願いします」と対戦表とスコア表を渡してみんなの元へ走っていった。スコアよりもとりたいものがあった私はすぐに許可を取った。
「スマホで録画しても良い?」
「なにを?」
「みんなのプレイ」
「ええで、うちの学校スマホ禁止ちゃうしな」
「せやんな!」
マネージャーらしいことってなんだろう、そう思ったがわからない。だって漫画は好きだけどルールとか今一わからないもん。録画しておけば各自フォームチェックもしやすいだろう、そう思っての質問だった。
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