さて、部活も終わって帰ろうか!という時になって気が付く。
帰るって、どこに?
女一人だけだからと先に着替えさせてもらい、部室の外で待っている今ようやく気が付いた。いっそ、ファミレスかネカフェで一晩過ごそうかと考える。しかし財布の中を見ると240円しかはいっていない。ドリンクバーっていくらだっけ、というかこっちではいくらなのか。下手したら野宿じゃん。と途方にくれているとオサムちゃんが「どないしたんや」と声をかけてきた。
「犬のおまわりさん、私のおうちはどこでしょう」
「ここや」
ペラッと差し出されたハガキには私の住所が書かれていた。
「おおお!!!ってなにこれ年賀状?」
「おん、机から出てきたんや」
「え、いつのやつ」
「たぶん、今年やな」
「そっか……」
こっちの私は律儀に出したのだろうか。勉強嫌いなのにそういうのは好きな子っているよね。その返事を書いたものの出し損ねたんだね、オサムちゃんらしいよ。それで発見ついでに渡そうとここにやってきたのか。そしたら住所を聞かれて……不幸中の幸いというやつかな!?
とりあえず住所がわかればこっちのもの!スマホで検索すると最寄り駅は近いらしい。むこうにいた時はこの路線使ったことなかったな、というか定期見たら最寄り駅わかったんじゃん!一人でボケツッコミをしながら家までの帰り方を調べた。
地図には強いので簡単にわかり、ホッと一安心したところでみんな出てきた。
「お待たせ帰ろ帰ろー!」
校門までくると「ほなまた明日―!」とそれぞれ分かれた。私、白石、財前と金ちゃんは電車も同じ方角だった。
「なまえと帰るん久しぶりな気ぃするわ」
「え?そう?」
「せやで、いつも早歩きで帰るもん」
やからめっちゃ嬉しい!と笑顔で話してくれる金ちゃんとは真逆に、ものすごくしかめっ面をした財前が睨んできている。気がする。
「なんでそんなに睨んでくるん?」
「今日のあんたすごくうさんくさいっすわ」
「うさんくさいってなに!?」
「なにを企んどるん?」
「企むって物騒やな!普通に女子中学生をエンジョイしてるだけやで!」
「やけにヘラヘラしてキモイ。いつも一緒に行動したりせーへんやん」
「まって!今悪口だったよね!?キモイって言ったよね!?」
「うっさ……」
両手で耳をふさぐポーズをされてしまった。
ヘラヘラって……いやでも確かにしてたかもしれない。だってこんな四天だけとは言え、全キャラと絡む夢なんて見たことないもん!せいぜい一人二人と、ちょっとムフフな夢を見ることはあってもさ!こんな贅沢な夢なんて奇跡に近いのに、思ってたような夢ではないな……。もっとこう所謂逆ハーとか望んでたんだけど。でも思ったようにいかないあたりがリアル感あってそれはそれで良い。
なんてことを考えていると「ヘラヘラというかニヤニヤでしたわ、どちらにせよキモイ」とまた悪口を言われたのであった。
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