お昼を食べた後、校内探検の為ウロウロしていると声をかけられた。
「なまえちゃ〜ん」
「おはよー」
「あんなあ、お願いがあるんやけど〜」
体をクネクネさせて言われた言葉は、今朝を思い出させ嫌な予感がした。
「あの動画、他のも送ってくれへん?くらりんとか財前キュンとかとかとか!」
「ちなみに一氏のは?」
「いらん」
「めっちゃバッサリ切り捨てたね!!!」
照れまくりの顔からいきなり無表情になってちょっと怖かったぞ!
それにこの場に彼がいなくて良かったよ!もしいたら号泣したんだろうな、と簡単に想像ができてしまう。苦笑していると小春ちゃんが追い打ちをかけてきた。
「なまえちゅわん、お・ね・が・い」
両手でハートマークを作って迫られるが、お願いもなにももうデータは手元に残っていない。それを伝えるとあからさまに態度がかわった。
「チッ」
「舌打ち!?今舌打ちしたやんな!?」
「あらやだ、投げキッスの音よ」
そんな無理な言い訳ある!?めっちゃいかつい顔してたのに!そう思っても、もう言い返そうとは思わなかった。これ以上逆らったらどうにかされそうだ。
「ほな、オサムちゃんを言いくるめてくるわ!」
「言いくるめるって……」
IQの高い小春ちゃんなら楽勝だろうなと思った。だって相手はオサムちゃん……あれ、これってなんか失礼だろうか。よくわからないけど、小さな声でファイトーと見送る。
結局探検する時間もなくチャイムが鳴ってしまったので、トボトボ教室へ戻った。
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