守護霊2

ああ今日の越前リョーマも良かったな。可愛くてかっこよくていつまでも見ていられる。あれ?荷物置いてどこ行くんだろう。不用心だな、私が見といてあげよう。


鞄の目の前にきて思った。

も、もしかしてこの中には汗だくのジャージが入っているのではないだろかと!!!



押さえきれない気持ちに見られるかもしれない恐怖。

私は私は……


「は、はあはあはあ……っは、はあああはあああ」


おそるおそる鞄を開けるとすぐさまジャージとこんにちは。震える両手で抱き上げ、とりあえず嗅いだ。

「すん……すんすんすんはあはあふごおふごおふごおはあはあはあはあ」


た、たまらない!!!!こ、これを着てみても良いだろうか。そっと袖に通してみる。少し大きめを着ているのだろうかピッタリ、いやちょっと緩いくらいのサイズ感。
瞬時に越前リョーマのにおいに包まれた私。まるで彼に抱かれているみたいだ。


目を閉じると彼の声が聞こえる気がする。


「ねえ、何やってんの?」


ああああ、ほらとてもリアルに聞こえてくる。使いたてジャージ素晴らしい。じーーーん。


「ねえ、聞こえてる?みょうじなまえ」


わあ、すごい名前で呼ばれた。しかも手首握られてる感触までリアル。もうこれ一生ぬぎたくない。



完全にジャージパワーだと思っている私。


スルーされまくってどうして良いかわからない越前リョーマ。


私が彼に気がつくまで後10分。






「で、なにしてたの?」

「ち、違うんです!ただ偶然目の前通りかかって誰かの荷物だ大丈夫かなって少し覗いたら良いにおいのするジャージがあったから少し嗅いで着てみただけであって何もしてないんです!!!」

「じゅうぶんしてるよ」

うわ、少し引きぎみの顔も良い!!!

「違うんです違うんです!悪意はないんです!だから警察だけは!!!」

「まあ良いけど」

あ、許してくれた。

でもずっと見つめるだけだった存在の人とこうやって帰ってるってとっても不思議。

「そういえば今日のお弁当は卵焼き入ってなくて残念だったね」

にっこり何気ない話題をだしたつもりだった。

「どこから見てるの?」

すごく驚かれた。

「ねえ何で俺のストーカーなんかしてるの?」

す、すとーかー?!?!?!

「ストーカーなんてしてないよ!!!ただ見つめてるだけだよ!たまにタオルとか飲みかけジュースとかはこっそりもらったりするけどストーカーなんてしてないよ!」

「物がなくなるのはやっぱりあんただったんだね」

はっ!!!しまった!私ってば素直だから!!!

「そういうのを立派なストーカーっていうんだよ。あんたのいう見つめて何がしたいわけ?」

「え、にやにやしていたい」

え、なにその顔。すごい貴重だよ!この世の終わりみたいな顔してる!!!

「遠くから見てないで近くで見れば?」

それって…それって………

「かわいそうだから知り合いくらいにはなってあげるよ」

うおおおおおおおお!!!!!!!!見つめてきて良かった!!!!!近くで見れるだなんで!知り合いになってくれるだなんて!

「し、しししし知り合いになった記念に鎖骨ペロペロして良い?」

「はあ?」

「ごめんなさいごめんなさい冗談です調子にのりましたもう二度と言わないかもしれません」



こんな感じで少しお近づきになれたのでした。




「あんた家どこ?」

「あっち」

「真逆じゃん」

「でもリョーマの家寄ってしばらく覗いてから帰るのが日課だからさ」




(俺、何か間違えたかも……)


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