5

「やぁ。お疲れ様。素敵な今日を過ごせたかい?」
まぁまぁかな。特にこれといって嫌なこともなかったし、いいことも無かったよ。
「それは結構。大丈夫、安心おし。これから素敵なお兄さんとお話ができるんだから、今日はとびきりいい日になること間違いなしだぞぅ!」
マカロンないの?紅茶淹れていい?
「無視はよくないかな!」
それで、今日は素敵なお兄さんと、何を話すのかな。
「そうだね、じゃあ、こんなのはどうかな。キミの思う素敵な世界の終わりって、どんなだい?」
終わらせんなや。
「たとえばだよ、たとえば。最後の日に、人類がみんな認め合い、争いがなくなる?それとも、選ばれたものだけが残り、慎ましく最後を迎えるのかな」
どっちもなんかやだな。
「そうかい?綺麗な終わりだと思うけど」
世界の終わりかぁ。なんかそんなバンドあるな。うーん、としばらく考えみた。
「難しかったかな」
あ、思いついた。
「どうぞ」
核兵器とか爆弾とか、銃とか戦車とかが全部お菓子になる。
「…続けて?」
この世にあるものがだんだん全部お菓子になって、最後には人間もお菓子になる。世界にはお菓子しか残らない。おしまい。
「ホラーじゃないか!」
なんで?可愛いじゃん。
「わりと怖いと思うんだけど…。というか名前ちゃん、糖尿とかに気をつけなさいよ」
マーリンは早く世界に終わって欲しいの?
「まさか。基本、終わりはバッドエンドだもの。そうならないよう祈っているし、もしもの時は私も動くさ」
じゃあなんでこんなこと聞いたの?
「単純に私以外の意見が聞きたかったのさ。どんな終わりなら、いいと思えるのかをね」
だからお菓子エンドでいいじゃん。
「怖いからね!それ!」
そこで、5回目の会話は終わった。