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「プリンアラモードってさぁ、プリンが入ってるからひとつの料理名になれてるだけでさぁ、プリンが無ければただの烏合の衆じゃん?その他大勢の集まりじゃん?不甲斐なくないか?」
「ア・ラ・モード!洗練されたプリン!プリンがより美しく、より甘美になった姿のことね!ええ!素敵だわ、愛らしいわ!」
「こいつさぁ、プリンから先に食われたらどうするの?終わりじゃない?この先こいつにできることなくない?」
「きっとただ食べるだけじゃないの。食べる人が、美しいと感じて、目からも味わえるようにと想って作られたのね」
「どうするの?ほらほらプリンが終わるよ?終わっちゃうよ?どうするの?チェリーちゃん、アップルちゃん、ホイップクリームちゃん、ジェットストリームアタックでも仕掛けてくるか?あ?」
「プリンでほっこりしたお口に爽やかなフルーツが美味しいわ!見て、アマデウス!プリンの周りに彩られた子達がプリンセスを守るナイトの様ね!」
「あのさぁ、さっきから悪魔のデスボイスと天使のウィスパーボイスをステレオで流し込まれてるんだけど。僕なんも食べてないのに胃もたれしそうなんだけど。何なの?君たちホントに同じもの食べてるの?」
「まぁ!アナタもプリンアラモードを食べているのね?あら?プリンだけ先に食べてしまったの?」
「主役を失ったコイツらに最早価値などあるのか?オラァッ!どんな気分だ?主を失った皿で、フォークに弄ばれる気分はよォ!」
「ねぇ君ヤバくない?僕が言うんだから相当だよ?」
「ねぇアナタ、良かったら私のプリンを半分こしましょう?こっちはまだ口を付けてないわ。ほら、フォークで割ってあげる!お皿をちょうだい?」
「嘘…だろ…。プリン、お前、死んだはずでは…」
「はい、どうぞ!プリンが美味しすぎて先に食べてしまったのね。プリンアラモードは、沢山の可愛い付け合わせをプリンと一緒に味わって、沢山の幸福の味を見つける冒険なのよ、美しいアナタ!」
「はわ、何この美少女…消えそう…存在を溶かされそう…」
「?どうしたの?スプーンを持って?はい、どうぞ!」
「マリア、ばっちぃよ。手離しなさい」
「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる…」
「まぁ!」
「君、ちょっといいかな?ねぇ、ちょっといいかな!?」

プリンアラモードは美味しい。マリーアントワネットは可愛い。ヴィヴラ・フランス!