やぁこんにちは!
僕は妖精王オベロン、君の名前は?
名前?
………うん、いい名前だ。
さぞかしご両親に大切に育てられてきたんだろうね。
分かるさ。
でなきゃ、そう健やかになんかならないだろ?
あぁ、実に聡明で、魅力に溢れ、慈愛に満ちた名前だとも!
と、お互いの自己紹介はこれくらいにして……。
君、どこから来たんだい?
………え、分からない?
ただいつも通りに寝ただけ?自分の部屋のベッドの中で?
ふーむ、どうしたことやら…。
……………は?
マーリン?
なんだいそれ、変わった響だなぁ。食器用洗剤かなんか?それとも君のペットのカブトムシの名前かい?
……………。
ふぅん、そう。悪いけど、ここにはそんな奴いないよ。
ここに居るのは僕だけ。周りに喋る虫がいる?それはご愁傷さま、そいつらは幻覚さ。君の頭がおかしいんだよ。
こんな森の中で僕はなにしてるのかって?
さて、なにしてるんだろうね。分からないや、君が考えてよ。
あぁ、さっきからすごく気になってたんだ。君さ、花の臭いがするよ。
うん、花。身体中から。もしかして咲いてる?頭とかさ。はは、冗談だよ。
冗談だって。ごめんね。
………あれ、君透けてきてない?
……夢から醒める?へぇ。
名残惜しいなぁ…また来てくれるかい?いやいや、とても残念だとも。まだまだ話し足りないことばかりだったのに!
次は是非お茶にしよう。茶菓子はなにがいいかなぁ。君が来る時までに、考えておくとしよう。
それじゃあまた!必ず会おう!