紙に記す夢
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「えー皆んなも今年で3年生だ。
これから進路調査書を配るから
今週中には提出するようにな。」
担任から渡された進路調査書。
永和はぼーっと眺める中、
隣のクラスで大きな爆発音が聞こえた。
「また爆豪か…成績良いのにあいつは全く…」
「(また出久かな…)」
その原因は放課後に発覚する。
×ーー×ーー×
BOM!「あーー!!」
放課後隣のクラスに入ると
早速幼馴染同士はお馴染みの事をしていた。
でも今日は特に酷い。
緑谷の大切なノートを焦がして
然も外に捨ててしまったのだ。
「ひどい…!」
「一線級のトップヒーローは
大抵学生時から逸話を残してる。
俺はこの平凡な市立中学から初めて!唯一の!
雄英進学者っつー"箔"を付けてーのさ。
まー 完璧主義なわけよ。
つーわけで一応さ 雄英受けるなナードくん」
「ッ……!」
「出久雄英受けるの?」
「!」
「永和ちゃん…」
永和がぽつりと呟くと
爆豪と2人の友人そして緑谷も気がつく。
1人だけ取り残された感はあるが
教室の扉にぽつんと立って
分かりにくい驚きを見せていた。
「…てめえも知らなかったのかよ。
こいつは無個性にも関わらず
記念受験で雄英受けるんだよ。
お前も迷惑だと思うだろ。」
「出久が受けたいなら良いと思うけど…」
「永和ちゃん…!」
「ふざけんな!目障りなんだよ!」
「えー」
「なんでクソナードなんか庇ってんだ!
てめえだって無個性のあいつが
受かるわけねえって思ってんだろ!」
「それは……難しい事だけど…」
「ッ……(汗)」
「だろ?だったら甘ちゃんにするだけ
あいつが無駄な事を続けるだけなんだよ。
てめえももう甘ったれた事言うな。」
「そうか。勝己は優しいんだね。」
「やめろ気色悪りぃ!チッ…帰るぞ。」
「私担任から呼び出しあるから
先帰ってて良いよ。」
「あ?てめぇ何やらかした。」
「勝己じゃないんだから。」
「俺は優秀だ!!」
優等生は同級生を泣かしたり
ルールを守らず個性使ったり
自分で自分を優秀と言わないだろう。
そんな事言うと爆破されそうだから
永和は言い返すような事はしなかった。
爆豪達が教室から出たのを確認すると
永和は緑谷の教室に入り、
窓の外から緑谷のノートを探し出すと
分かりやすく池に浮かんでいた。
そして2人は一緒に取りに行き
緑谷は大分落ち込んでいるようだった。
「……永和ちゃん 、
担任の先生から呼び出されてるんじゃ…」
「そんなの嘘だよ。
出久 ノートが餌になってる…」
「ああ!え、餌じゃないぞこのっ…!」
「それよりホント?雄英…」
「ッ……う、ん…」
「あたしは勝己みたいに怒らないけど
ヒーロー科は実技が厳しいって聞くし
出久だと怪我するんじゃないかな…
おばさん心配すると思うよ。」
「そう…なんだけど、
やっぱり昔から憧れてるから
やる前に諦めたくないんだ…」
自信なさげに緑谷は呟くが
それでも意外と我が強いと思った。
「それより永和ちゃんは?進路決めてる?」
「あたしは、決まってないんだよね
近くの公立校にするかも。」
「ええ!?勿体無い…!
てっきりかっちゃんと同じかと思った…」
「同じって雄英のヒーロー科って事?
でもあたしヒーローなりたいとか
思った事ないんだけどなあ」
「そうなの?勿体無い…」
「出久はあたしにヒーローになってほしいの?」
「だって酸素って人間が生きてく上で
絶対必要なものでしょ!
それが操れるなんて敵(ヴィラン)には勿論
救助(レスキュー)でも活躍出来るよ!」
緑谷は興奮気味に永和に言った
でも永和は多くの人よりも
側にいる自分にとって1人しかいない
父親の為に近くにいたいのだ。
父親の個性は酸欠。
然もそれは周りの人を酸欠にするのでは無く
自身に影響する病的な個性だ。
母親の空気清浄と永和の個性で
今は入院する事無く自宅で毎日仕事出来てる。
その平穏な日々を守りたいが為に
自分の中で家族の側にいる事を一番にしていた。
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