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初夏から呪霊が増え、秋にかけて減っていく。
新しい環境で適応するのに疲労が溜まる四月
新しい環境に馴染めずストレスが溜まり
五月病とも言われる負の感情が蓄積され
呪いとなって放たれる時期は呪術師は忙しい。
『お疲れ様です。後は窓に任せて、
安曇さんは大阪へ向かって下さい。』
「分かった。任務の詳細はメールに送って。
移動しながら見ておくから。」
『承知しました。』
伊地知との通話を終えて携帯を閉じる。
雨寧は任務で滋賀県に来ていた。
その謂わゆる観光名所琵琶湖で変死体が見つかり
調査したところ、二級相当の呪霊が3体
次もざっくり話を聞いただけだが
二級くらいの呪霊案件だろう。
五条も今海外に出掛けている。
両面宿儺関連で呪霊が湧くかと思ったが
弱い呪霊ばかりでそうでも無かったようだ。
そう思っていた雨寧だったが、
大阪での任務を終えた後、
五条から連絡があり、少し驚いた。
一年が特級案件にあたり、虎杖悠仁が死んだと。
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「(さて…どうしたものか…)」
翌日の今日は最悪な気分だが
京都校に顔を出して学長と会う。
然しそれをカバーするように
庵歌姫が飲みに誘ってくれているから良いのだが
保守派の学長に悠仁の事について何か聞き出した方がいいか。
でも、五条なら聞かなくても分かっているだろうと
余計なお世話をする必要も無いとも思った。
そんな事を考えていると本人から連絡が合った。
「はい。安曇です。」
『僕だけど今どこ?会いたいんだけど。」
「大阪のホテルです。
今日は京都校に顔を出さないといけないので。」
『また男と泊まってんの?』
「いえ、今日は一人です。
関西は女の扱いが雑なので。」
『ふーん…』
「要件が済んだなら切りますよ。」
『いつ帰ってくるの?』
「明日帰ります。
夜は歌姫先輩と約束もあるので。」
『歌姫なんかといて面白い?
僕と会う方がよっぽど素敵だと思うけど?』
「下戸には分からないと思いますよ。では。」
雨寧はそう言って通話を切った。
今の話を歌姫が聞いたらブチキレるだろうと
五条と言う名前をあげただけでも不機嫌になる先輩に
雨寧は今夜が楽しみだとシャワーを浴びる支度をした。
京都校は作りは同じだが
東京校と比べて敷地が広い。
学長のいる部屋まで行くにも
足場が整えられた森の中を
10分ほど歩かなくてはならない。
少し開けた場所に出てくると
歌姫の声が聞こえて視線を向けた。
「あんた達!仲良くしなさい!(怒)」
「喉が枯れますよ。歌姫先輩。」
Σ「!」
2年生の担任である歌姫の背後に雨寧が立つと
歌姫は驚いたように振り返り、
2年の生徒達も驚いていた。
そして3年も集まっていて何事かと思った。
「私が遠征に出ているのに
京都校はのんびりなんですね。
2.3年が出ていないなんて。」
「連絡事項があって偶々集まってるだけよ!
あんた段々五条に似てきてるわね!やめなさい!(怒)」
「えー、絶対嫌なので止めます。」
歌姫に注意され雨寧は軽く笑って返した。
「先生。話が終わりなら僕はこれで。」
「あ!加茂!(汗)」
「俺も高田ちゃんのお昼の番組がある。
スタンバッていなければ。」
「あんたは今から任務でしょうが!東堂!(怒)」
「あーあ。二人とも先生の言う事
全然聞かないんだから〜」
「あんたがまとめなさい!西宮!(怒)」
歌姫の血管がそろそろ千切れるのではと
怒鳴り続ける先輩を雨寧は少し心配した。
するとバチッと視線を感じて目を向けると
去ったはずの加茂憲紀が自分を見ていた。
御三家の次期当主である彼にとっては
当主から色々自分について言われているのだろう。
気に入らない事も多いと思うが
そんなの自分は関係無いと雨寧は視線を逸らす。
「じゃぁ、歌姫先輩。
私 学長と約束があるので。」
「ええ、また後で。」
「はい。」
雨寧は軽く歌姫に手を振って学長の元に向かった。
楽巖寺学長の部屋は無駄に広く、
奥に偉そうに社長席のようなデスクに座っている。
のんびりする気も無いが目の前に自分が立ち、
偉そうに座るジジイに雨寧は嫌気が差した。
「遥々関西まで御苦労じゃのう。安曇。」
「繁忙期に京都校はのんびりさんですね。
2.3年が集まっているの見ましたよ。
今年の1年は1人と聞いていますし。」
「うちは2.3年組んで任務に行かせるからのう。
そのミーティングでもしてたのじゃろう。」
「こっちじゃ1年が特級案件に行かされたっていうのに。」
「そうじゃったか。それは苦労しただろうな。」
「(惚けるなよジジイと言いたいけど、
今日は穏便に済ませて悟さんに任せるか…)
そうですね。1人亡くなってしまったので、
先輩としては心が痛みますよ。」
「ほぅ…お前がか。」
「これでも一応人の心は持ち合わせているので。」
「お前の先祖にとっても良い事だったと思うがな…」
「はぁ……またその話ですか。
私も忙しいので昔話しに来たわけじゃないのですが。」
「そういうな。お前と先祖は切っても切れぬ縁を持つ。
その証拠に術式に刻まれたお前の力は
安曇薙雲というかつて宿儺を追い詰めた呪術師の者だ。」
「親族にも散々聞かされましたが、
彼女がどれ程の呪術師だろうと
それに倣うつもりはありません。
何に期待をしているか知りませんが、
御三家に関わる気は一切ありません。
呪術師界隈の上下関係はどうぞ
そちらで勝手にやっていて下さい。」
雨寧がそう言うと話す気が無くなり、
楽巖寺学長に背を向けて扉に向かう。
「五条悟はお前を気に入っている様だがな。」
「……私は私です。」
雨寧はそう言って部屋を出て行った。
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