男女










「(雨かー雨は嫌いだなー 傘邪魔だし
花道はまだ学校来てないし サボりかな
また変なのに巻き込まれてなきゃいーけど…)」



明日香は頬杖をついて窓の外を眺めていて
点呼が続いていくと自分の名前を呼ばれて
軽く返事を返し、花道を呼ぶと静かになった。



「おい水戸!今日は桜木はどうした!サボりか!!」

「は?知りませんよ」

「ちっ…もうサボり出したか
何度言っても髪は黒くしてこんし…!
こういう奴が3ヶ月くらいで学校辞めちまうんだ
まったくパターンだ ちっ(怒)
おい水戸!お前 本当に知らんのか!?おい、」

「……」

「(くどくどダッル…)」



教師の言葉に返事をせず
ただ眺めるだけの水戸と同じく
明日香もめんどくさそうに外を見ていたが
今度は明日香にも面倒が降りかかって来た。



「おい!境!お前も知らんのか!?」

「知りませーん」

「お前も髪染めろ!なんだその頭は!」

「はあ?わざわざ染めてないし。
親に文句言えよ 遺伝なんだから」

「そんな嘘が通用するとでも…!」

「先生」ガタッ…

Σ「な、なんだ水戸!(汗)」

「授業の続きしてもらえないっすかね」

「……ちっ…(汗)」

「(洋平かっこ良すぎる…!///)」



明日香が教師に指摘されていると
洋平はダルそうに背もたれに寄り掛かり
少し挙手をして教師に授業の続きをするよう言った。
教師は洋平の顔を見て言い返す事なく
授業を再開させた。

明日香がキュン死にしそうになり
顔に手を覆って洋平を見ていると
洋平と目が合い、口パクで"大丈夫か?"と心配され
また思わずキュン死にしそうになった。

そしてその日は休み時間になっても花道は来ず
明日香一人御手洗いに行っていると、



「今日怖かったね 水戸くん。」

「ねー 先生までビビってたもん。」

「でもちょっとカッコよかったかも//」

Σ「!(マズイ…!クラスの女子が
洋平のカッコ良さに気付き出してる!(汗))」

「でもさあ、境さんいっつも水戸くん達といるよね」

「ね、アタシ達と全然口聞かないし。」

「男が好きなのよきっと。あの髪色だし。」

「地毛って言ってたけど嘘でしょ。
分かりやすい嘘ついてんじゃないわよ。」

「それも水戸くんが庇ってたっぽいし、ウザくね?」

「ねー」

「(アイツら好き勝手言いやがって…(怒))」



キャハハと頭に響くような五月蝿い笑い声響かせて
御手洗いを出ていき、明日香の表情は不機嫌だった。



「(ぜーったいあんな性格悪い奴らの事
洋平が好きになるもんか!(怒))」










明日香が不機嫌で教室に戻ると
洋平は直ぐに気が付いた。



「何かあったか?明日香」

「洋平 陰口言うような女嫌いだよね?」

「ん?ああ…コソコソされんのは好きじゃねえな」

「だよね!?それ聞いて安心した!」

「?」



明日香は嬉しそうに洋平の前の席に座った。



「またなんか言われたのか?」

「言われたけど、洋平がそいつら嫌いなら良い!」

「誰だよ 言ってた奴」

「アタシはもう傷付いてないから大丈夫!」

「そうか?なら良いけど…なんかあったら言えよ?」

「うんっ ありがとー」



明日香は洋平に笑顔を見せると
洋平も安心したように笑っていた。











ーーーーーー…*°




次の日 明日香は草むらの中に隠れていた。
何故なら花道達は晴子がいる1組の
女子の体育を見学していた。
明日香一人で授業に出るのも怠くて
仕方なく男達の娯楽に付き合っているが
女子のブルマー目的の男子達に呆れている。



「(花道や三馬鹿はともかく
洋平はそんな下心で見てないはず…
ノリが良いから付き合ってるだけだよね?(怒))」

Σ「!?(汗)」



笑っていた洋平は明日香の視線に気付き
冷や汗をかいてピタッと止まった。



「晴子さん……///」

「いや〜〜〜まぶしいよな〜〜〜」

「アホどもめ…(汗)」

「おっ、晴子ちゃんが気付いたぞ花道!」

「手を振ってみろ手を」



花道は晴子な手を振ると晴子もふり返し、
教師はプラスチックのメガフォンで
晴子の頭にポンッと叩いた。



Σ「ああっ!ヤロウ!(汗)」



草むらから花道が飛び出すと、
同じように知らない男が飛び出して来た。
そして花道とその男は体育教師軍団に取り押さえられ
身柄を拘束された。



「マズイ!花道が捕まった!」

「逃げろ!(汗)」

「明日香も逃げるぞ!」

「もー飛び出すから!(怒)」

「ああっあのハクジョー者たちめ!
ああーーーっ ほら!共犯者が逃げる!(汗)」

「花道てめえ!仲間を売る気か!!」

「振り向くな大楠!」



明日香と洋平 三馬鹿トリオは花道を置いて逃げた。



「はあ!はあ!あぶねー」

「めちゃくちゃ教師いやがったなー」

「というかもう一人出て来た奴誰だ?」

「「「知らん。」」」

「またなんか変なのに絡まれそうだな…」

「洋平」

「ん?」

「洋平もブルマ好きなの?」

Σ「はあ!?(汗)」

「だって皆んなニヤついて見てたし(怒)」

「何言ってんだ明日香 男は皆んな好きだぞ」

「そうそうあれこそ青春だ。」

「三馬鹿トリオには聞いてない(怒)」

「特別好きとかはねーけど
男ならだれだって好きだと思うぜ?」

「変態…//(怒)」

「そんな目で見るなよ(汗)」

「(アタシが履いててもとかは流石に聞けない…
それで見るって言われても複雑だ…(汗))」

「明日香は好みとかねーのかよ」

Σ「!」

「お!そーだそーだ。
俺らに文句あるなら言ってみろ!」

「言ってみろ!」

「(大楠め…!アタシの気持ち知ってて
口を滑らそうとしてるな…!///(怒))」



明日香は大楠を睨むと
ヘラヘラした顔で笑っており、
あれは絶対自分を揶揄っている顔だ。
高宮や野間も同じ顔をしていて
洋平はジッと明日香を見ているだけだった。



「あ、アタシは好きな芸能人とかいないし!//(汗)」

「そーいうんじゃねーよ(笑)」

「ぅ……か、髪が黒くて…//(汗)
(洋平を見ないようにしなきゃ…バレる!)」

「髪が黒くて?」

「け、喧嘩が強くて…//(汗)」

「喧嘩が強くて?」

「アタシにだけ優しいヒト…//(汗)」



明日香は精一杯 特定されない程度の特徴を言って
洋平も見ないように目線を泳がせて
顔を真っ赤にして言った。



「それだけかよー!」

「そんなん沢山いるぞー?」

「身長とか顔とかあんじゃんかよー」

「アタシに何を期待してんだ馬鹿!
絞り出しても三馬鹿じゃないのは確かだ!(怒)」

「「「なんだとー!?(怒)」」」

「まーまー!さっきからなんだよお前ら
明日香を困らせんなよ(汗)」

「あーはいはい 洋平は優しいよな」

「そう "明日香にだけ"優しいよなあ」

Σ「!///」

「何だよ 懐かれてんの俺だけで嫉妬か?(笑)」

「この余裕だよこいつは…(汗)」

「分かってんのか…(汗)」

「いや、あの感じは…(汗)」

「明日香も男の好み言うだけで
顔真っ赤にさせて彼氏が出来るのは程遠いな!(笑)」



洋平は笑いながら軽く明日香の背中を叩いた。
三馬鹿トリオはやっぱり分かってねえと
洋平の言動に呆れていた。

本人の明日香もこの表情である。
顔は赤いが明らかに不機嫌で
洋平を見上げていて半泣きである。



「洋平の馬鹿。」

「え、(汗)」



こんだけ鈍感な男相手なら
さっさと告白しちまえと思う三馬鹿トリオだった。















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