ド緊張










後半残り17分になる頃
花道が立ち上がりボールを持ったと思えば
あの得意だったボールハンドリングをし始めた。



「桜木くん!」

「「「「「花道!!」」」」」おおー!!



今まで悪い印象しかなかった花道に
ついに試合に出るのかと皆んなが思わず注目した。

時間は残り10分で7点差
彩子と安西が戦況について話していると
ウォーミングアップを終えた花道は
嬉しさ反面少し緊張し始めていた。

そんな時笛が鳴り、陵南のオフェンスファウルだった。



Σ「お兄ちゃん!!(汗)」

「魚住の肘が当たったんだ!(汗)」

「赤木さん!!(汗)」

「レフェリータイム!」

「赤木先輩!」

「大騒ぎするな。大した事ねえ。」

「大丈夫か赤木くん!(汗)
おい誰か医務室へ案内しろ!!」

「大丈夫です。田岡先生。」

「お…おい赤木…(汗)」

「気にするな。すぐ戻るさ。」

「……!!(汗)」

「然し大変な事になったな…(汗)」

「大黒柱の赤木さんが抜けちまったら…
せっかくここまで追い付いてきたのに…(汗)」

「一体誰が代わりのセンターを務めるんだ…
やっぱ2年の角田さんか…(汗)」

「………(汗)」

「じゃあ行きましょう。医務室へ案内します。」

「ちょっと待ってくれ」



ゴリはそういうと花道の方を振り向いた。



「おう…体はあたたまってるな。」

「お…おうよ!!(汗)」

「代わりはお前だ。」

「………!!(汗)
………お…おうよ!!(汗)」



後半残り時間9分 ついに花道がコートに入った。











「おお〜〜〜花道が出てきた!!
信じられん起用をするな〜〜〜!!(笑)」

「無謀だ!(笑)」

「湘北は勝負を投げて
ウケ狙いに走ったんじゃねーか!?(笑)」

「いえてるな〜!(笑)」

「とにかく下行ってみようぜ!!(笑)」

「無理すんなよ花道ー!(笑)」



5人は面白そうにワイワイと下へ降りて行き、
ちゃっかり湘北のベンチに座った。



「さあ!赤木のいない今こそ
俺たちが頑張らないとな!声出していくぞ!」

「「はい!!」」

「でも大丈夫かな桜木…
バスケ始めてまだ間もないのに…」

「赤木さんのケガさえなけりゃな…」

「いや…赤木の怪我がなくても
先生はいずれ桜木を使うつもりだったろう。
そして赤木もな。」



然し、本人の頭の中はすでに真っ白になっていた。



「よう やっと出番だな!」

「………(汗)」



やっと仙道と戦えるのに
花道の視界はシャットダウンしていた。



「さあ行こう1本!!桜木!」



副キャプテンのメガネ小暮は
さっそく花道にパスを回したが、
本人はど緊張でいきなりトラベリングをする。

ど緊張で息も荒く もう汗をかいているようだった。
そして魚住にボールが渡ると
狭い視野で花道は自分が止めるつもりで
シュートフォームに入った途端ジャンプする。
フェイントに引っかかったが
何故かそのまま魚住に倒れ込み、
魚住にまで鼻から流血させてしまった。



「魚住さん!!(汗)」

「何も見えん!!何も聞こえん!!(汗)」

「スマン魚住!ワザとじゃないんだ
ちょっとキンチョーしてて…!(汗)」

「イヤ…平気だ…(汗)」

「いい加減にしろよな!」

「退場だ!!」

「何も聞こえん!!(汗)」

「ダメだわあの子キンチョーしまくってる!(汗)」

「ウケ狙いは成功だ!」

「変な事でナイーブなのがここにきて…!(汗)」



明日香はあちゃーと花道の様子を見てられなかった。



「おちつけ!」

「おちついて桜木くん!」

「桜木おちつけ大丈夫だ!」

「何も聞こえん!!(汗)」

「いいか桜木!そんな時は手のひらに
人という字をかいてだな…(汗)」



小暮が原資的な緊張療法を説いていると
花道のお尻に衝撃が走り、そのまま前へ倒れ込む。
蹴ったのは流川で涼しい顔で花道を見下ろしていた。



「どあほう。このいつまでも
ガチガチキンチョーしまくり男。」

「ぬ…!!(怒)」

「どあほう。」

「流川…!(怒)
なんだあコラ 流川!!キツネ!!
誰がキンチョーしてるって!?おお!?(怒)」

「おめーだ。」

「や…やめろふたりとも試合中だ!!
あ〜〜赤木がいないと……!(汗)」

「おおっ 動きがよくなった!」

「イケる!」

「おい小暮くん!
こんなんじゃ試合放棄とみなすがいいかね!?(汗)」

Σ「そ…そんな殺生な!!(汗)」

「ちょっと待てジジイ!」

ズビシッ「いて!(汗)」

「こっからが本番だ!よく見てやがれ!!」



花道は完全復活した。



変わらず残り9分 花道は魚住をマークする。
魚住へのパスもハエを叩くように叩き捨て、
そのボールも追いかけて行った。
6番の方が明らかに近かったのに
もう花道が追いついていて、
明らかに間に合わないボールを飛びついて
陵南の監督 田岡を潰す形で倒れ込んだ。

さっき自分のチームの5番に最後まで追えと怒ったから
田岡自身も怒るに怒らない状況だが背中は痛い。



「フン。ひたむきさだけでバスケットができるか(汗)」

「スピードもありますよアイツ」

「む…仙道…(汗)」

「いけるぞ!!ここを頑張ろう!!」

「よーし ハンズアップ!!」

「1本止めるぞ!!」

「面白い……!!仙道!池上!植草!越野!
どんどん俺にボールを回せ!
ガンガン入れてやる!!こいつの上からな!」

Σ「ぬ…なんだとコラあ!ボス猿!!上等だ!(怒)」

「桜木!喧嘩じゃないぞ!!(怒)」

「フン…ゴリに比べりゃてめーくらい
どってこたねえ。来いや!!」

「ーーーー!! 小僧…!!(怒)」

「中からだと決めつけるな!
外からも打ってくるぞ!!」

「パス回し早く!植草!どんどんボールを回せ!」

「ハンズアップ!足動かして!
プレッシャーかけて!」



応援が体育館に響く中、
魚住にボールが渡り、シュートフォームに入ると



「フンフンフンフンフンフン!!!!」

Σ「!!」

「あ……あれは!!」

「な……なんだコイツは!?(汗)」

「取りっ」

Σ「!!」

「うわああああっ!とっている!」

「あの魚住からボールを取ってるぞーーっ!」

「あれはゴリとの勝負で見せた
フンフンディフェンス!!」

「花道気合い十分じゃねーか!!」

「早くも奥義を使ってきたぜ!!」

「ア…ア…アンビリーバブルや!!」

「花道攻めろ!ドリブルだ!!」

「いけー!花道ー!」

「さあおめーら!!俺の足を引っ張るなよ!!」

「「「「「おおーーーーっ!!
完全に調子に乗っている!!」」」」」

「オラいくぞ陵南!!」ダムッ

「「「おおおいけいけーーい!!花道!!」」」



ダムダムダムッ



「か、監督!あいつドリブル
結構上手くないですか!?(汗)」

「シロートには見えませんよ!!(汗)」

「ほーらやっぱり!」

「なに勝ち誇っとるか彦一!!(怒)」

「ドリブルだけはこの彩子さんが毎日
基礎からみっちり教えてるからね!ふっふっふっ!」

「「「おお〜〜姉御!!」」」



陵南のディフェンスはハースコートのマンツーマン
赤木の代役として出てきた花道には
そのまま魚住がついた。



「(俺には晴子さんと特訓した庶民シュートがあるんだ!)
くらえ魚住!!天才による庶民シュート!!」

Σ「ああっ桜木!!ムチャするな〜!!(汗)」



花道の動きはすぐにシロートだとバレて
得点力は流川に絞られ、流川が警戒される。
だが花道が大嫌いな流川にパスを渡すはずもなく
小暮にパスを渡し続けてシュートも決まった。

陵南の監督田岡は流川嫌いを知るはずもなく
花道の能力が不明すぎて混乱していた。
点差はとうとう花道のパス回しで3点差。
68対65と接戦となっていた。



「ハッハッハッ!俺の力だ!!すべて!」

「おおーーーっ!完全にのぼせ上がってるぞ!!」

「言い切った!」

「有頂天だ!!」

「オヤジ!!秘密兵器の起用はズバリ当たったぜ!
ナイス起用!ちょっと遅かったけどな!
まー許してやるよ!!」

「ホッホッホ そうかね。」

「さっきまでガチガチだったくせに…
さあ!ラスト5分よ!!頑張ろう!!」

「慌てる必要はないぞ!
まだ逆転されたわけじゃない!!」

「じっくり攻めていけばいいんだ!!」

「おう!」

「ハッハッハッ馬鹿め!!
この天才桜木が出てきたからには
もう逆転されたも同然!!さあこいや!!」



花道はもうノリに乗っていた。














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