勝敗











仙道をブロックしたルーズボールも花道が取り、
ドリブルで進むが仙道にカットされる。
然し慌ててボールを拾い、仙道に抑えられて
シュートまでいけずにいると
姿は見えないが「パス!」という声がして
すぐにパスを渡すと渡ったのは流川だった。

そして流川は3ポイントシュートを決めて
得点はついに1点差まで縮まる。



「ナイスシュート流川!!」

「流川!!」

「ル・カ・ワ!!」

「ル・カ・ワ!!」

「ル・カ・ワ!!」

「ル・カ・ワ!!」

「(晴子ちゃん目がハートになってる…!(汗))」

「しまった!流川にパスするとは…この俺が…!(汗)」

「ナ〜〜イスアシスト!(笑)」

「ハーナミチ!(笑)」

「ナ〜〜イスアシスト!(笑)」

「ハーナミチ!(笑)」

「おのれ……(汗)」

「時間ないわよ!あと40秒!!(汗)」

「引くな!当たれっ!!」

「「おう!!」」



ディフェンスでプレッシャーをかけていくが
時間は30秒、25秒と減っていく。



「時間がない!!(汗)」

「止めてくれえっ!!(汗)」

「ディフェンス!!」

「ディフェンス!!

「時間ないわよ!もっと当たって!
ディフェンスタイトに!動いて!!(汗)」



残り15秒



「(勝った……)植草!」

「ふん!!」



8番へのボールをカットした瞬間
流川と仙道が走り出し、
ゴリは鋭いパスで流川に投げる。

然し流川のドリブルでも仙道はカットして
コート外に出たルーズボールを流川が取り
振り返るとぼやけた視界に湘北の赤いユニフォーム
パスは花道へと渡った。

瞬間湘北の頭によぎったのは
花道がこだわっていたスラムダンク。



「ナーーーイスアシスト!!流川!!」

「「「「「(無茶はよせ!!!)」」」」」

「スラーーーム……」

「桜木くん!!」

Σ「!!」



一瞬よぎったスラムダンクだが、
晴子の母を聞いて2人の特訓を思い出した。
ふわっと飛んでボールはゴールに置いてくる。
ランニングシュートを打って
ボールは優しくゴールの中に入った。



「入った!!」

「花道!!」

「いやったああーーーっ!!!」

「「「「逆転だあああああっ!!!」」」」

「ハッハッハッ!!やはり天才!!!
勝利を呼ぶ男と呼びなさい!!」

「桜木!!」

「フッ……バカタレが」

Σ「まだだっ!!」

Σ「!!」



まだ試合は終わっていなかった。
仙道にボールが渡り流川とゴリが追いかける。
流川がパスカットを狙うも上手くパス回しをして
交わされてそのままゴールまできて飛ぶと
今度こそゴリと流川がシュートコースを塞ぐが
仙道はゴリの横からボールをふわっと投げて
そのままシュートが決まってしまった。



試合は87対86でタイムアップした。



「おおーーーっしゃあーっ!!」

「勝ったあーーーっ!!」

「ふぅーーーっ」

「仙道!!」

「やれやれ 胃が痛くなったわ」

「ああ………(汗)」

「負けた……(汗)」



花道はまだパスを貰おうとしたが、
ゴリが整列だと言って並ばせようとするが
聞かずパスを求め続ける。



「終わりだ。負けたんだ。」

「……!!(汗)」

「桜木……」

「悔しいがしかたない 負けたんだ…
オレ達は 負けたんだ。」

「………」

「プアアス!!(汗)」

「桜木!!」



ゴリから抜け出した花道だったが、
急に派手に転んで何かと思えば
まだ1か月ほどしか履いていない
体育館シューズに穴が開いていた。



「お前はよくやった…さあ整列だ。桜木。」











ーーーーーーーーー…*°





「試合見るの面白かったね」



練習試合が終わり、明日香達は江ノ電に乗っていた。



「ああ こっちまで熱くなったぜ」

「最後惜しかったなー」

「完全に油断してたなー」

「でも花道活躍してて凄かったじゃん
シュートも決めてさ!ね!洋平!」

「ああ。まだ選手とまでは言えねえけどな(笑)」



洋平は嬉しそうな穏やかな表情をしていて
それを見て明日香も嬉しそうにはにかんでいた。



「《次は江ノ島ー江ノ電ー》」

「お。じゃぁ、俺はここで」

「何言ってんだ洋平」

「俺たちもここだろ」

「そうだ帰りも一緒だ」

Σ「はあ!?(汗)
電車乗ったんだからそのまま帰れよ!
俺はバイク取りに行ってそのまま帰るんだ!」

「この先の電車賃もかかるだろ」

「そうだそうだ」

「あたしが洋平と帰るから
三馬鹿トリオが電車で帰んなさいよ!(怒)」

「だったら金置いていけ!」

「集るなバーカ!(怒)」











結局三馬鹿トリオも江ノ島で降りて
行きと同じようにゆっくりと帰っていった。

地元に着いたのは夕方になり、
やっと三馬鹿トリオが降りた。



「んじゃまた明日なー!」

「おー」

「痩せろよ高宮ー」

「うるせー!(汗)」



洋平と明日香は三馬鹿トリオに手を振った。



「よし、乗れよ明日香」

Σ「え!もうすぐだし大丈夫だよ!
洋平疲れたでしょ!?(汗)」

「明日香1人なら余裕だよ
バイクは普通2人乗りまでだ。」

「(洋平と2人っきりでバイク乗れるなんて…!
然も夕日をバックにロマンチック過ぎない!?///(汗))」

「どうした?嫌ならいーけど…」

「い、嫌じゃない!全く///(汗)」

「なら早く乗れよ。今度は後ろだぞ。」

「う、うん!//」



明日香は洋平の後ろに跨って座った。



「怖かったら掴まっていいからな?」

「うん//」



明日香はドキドキで緊張しながら、
別に怖さはないのだが洋平の腰に手を回して抱き着いた。



「(洋平の匂いがする…//)」



バイクが走り出して明日香のロングヘアが風に靡く。

2人っきりでバイクに乗って、
この状態で江ノ島走ったらどれだけ幸せなのだろうと
明日香は考えただけで胸がいっぱいだった。
然し、今この瞬間の幸せだけでも
明日香はまだ家に着かないで欲しいと願った。



然し、そんな願いも叶わず
明日香の家の前にあっという間に着いてしまった。



「明日はバイトあるのか?」

「うん。だからご飯食べてお風呂入ったらすぐ寝るよ」

「そっか。無理すんなよ。」

「うんっ」

「明日香?」



声がした方を振り返ると
夕飯の買い物を終えた母親が立っていた。



「ママ ただいまー」

「おかえり。洋平くん 久しぶり」

「こんばんわ おばさん。
じゃあ また明日な 明日香」

「うんっ 気を付けてね」



洋平は一言明日香の母親に挨拶すると
すぐにバイクで行ってしまった。



「洋平くんもう免許取ったの?」

「んなわけないじゃん。今日のご飯なにー?」

「全く、仲良いのは良いけど
巻き込まれないように気を付けなさいよ?」

「巻き込まれてもいいもんっ」

Σ「ダメに決まってるでしょっ(汗)」

「洋平達と一緒がいいのっ」



明日香はそう言って母親の買い物袋を取り
一足先に家の中へ入っていった。












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