そっぽ









「おおー!カッコいいじゃねえか花道!」

「ふははは!そーだろそーだろ!
これはかの有名なABCの選手で…名前がえーと…(汗)」

「NBAでしょ(汗)あ、そうだ…」



そう言って思い出したように
明日香はカバンからビデオを取り教室を出ていった。



「ぬ?明日香はどこに?」

「流川だ流川。」

Σ「なぬ!?流川だと!?(汗)」

「アイツらNBA繋がりで仲良くなったんだ。
晴子ちゃんにバレたら修羅場だぞ(汗)」

「そーだそーだ。せっかくの女友達が
男で荒れる事となる(汗)」

「流川と明日香?ぬ?なぜ?(汗)
……まあアイツらがどーしよーと
俺は晴子さんとデートした男だからな!
心底どーでもいい!ワハハハハ!(笑)」

「おお!」

「調子に乗ってやがる!」

「でもそんな有名なバッシュ高かったんじゃねーか?」

「ああ!30円した!」

「30円?(汗)」

「………」



花道と三馬鹿トリオが盛り上がってる間
洋平は頬杖をついてぼーっとしていた。

そして明日香は流川のクラスに来ていた。
中を覗くと後ろのドア側の席で机に伏せて爆睡していた。
明日香はまた不機嫌な表情で流川の方に向かう。
イケメンだが寝てばかりで起こすと怖い流川に
近付きたくても近づけない女子達が
すんなりと近づく明日香に注目していた。



「流川。約束のもの持ってきたわよ。」

「ぐーー……」

「おい(怒)」

「すーー……」

「あんた偉そうに忘れんなつっといて
自分が忘れてんじゃないでしょーね!
こっちから持ってきてあげたんだから感謝しろ!(怒)」



明日香は昨日の三馬鹿トリオの言葉を根に持ち
あまり長居したくないのに起きない流川にイライラし、
机をバンバンと叩いていた。

すると見かねた女子が明日香に近づいた。



「ちょっと!流川くん寝てるんだから
邪魔しないでよ!」

「そーよそーよ!」

「はあ?アタシはこいつに頼まれてたもの
持ってきてあげたから話しかけてんだけど(怒)」

「なら置いておけばいいじゃない!」

「そーよそーよ!アタシ達が言っておくわよ!」

「貸してあげるのに礼も言われないの腹立つの!
というか目の前でうるさくても寝てんのなんなの!
起きろバカ!バスケバカ!(怒)」バシッ

「「「きゃー!流川くーん!(汗)」」」



明日香はイライラして流川の頭を叩いた。



「ぬ…」

「ほら!忘れずに持ってきてあげたわよ!」

「おお…」

「それだけか(汗)」

「感謝する…」

「ありがとうくらい言えないわけ?
パパが返すのいつでも良いってさ!
あんたの事話したら試合も見て見たいって!」

「……」

「(このねぼすけ野郎…(怒))」

「感謝す…る………」すぴー…

「おい(怒)
(……まーいいや。これで用は済んだし
これで受け渡しくらいしかコイツとは関わらないでしょ。
でも…コイツと話してても女子は気にするのに
洋平は気にならないのか……)」



明日香は少しションボリして教室を出ていった。
自分の教室に戻ると花道は上機嫌のままだった。










「ぬははは!お!戻ったか明日香!
流川とコソコソ会うとはその調子で頼むぞ!」

Σ「アタシを利用すんなバカ!(怒)」

「明日香 渡してきたのか?」

「う、うん…アイツ寝てたから怒ってきた。
おかげで女子に睨まれちゃった…(汗)」

「あちゃー 目立ち過ぎたんだな。
あんま怒鳴ってると目ぇ付けられるから気を付けろよ」

「うん…// 洋平、昨日はバカって言ってごめんね?」

「いーよ。俺が悪かったみたいだし。」

「ッ…///(洋平が優し過ぎてつらい!)」

「明日香!俺らにはいつもバカ呼ばわりして
洋平には謝ってんだよ!」

「そーだそーだ!ふざけんじゃねー!」

「あんた達は毎日バカだからよ!(怒)」

「なんだとー!(怒)」

「まーまー(笑)」



言い合う明日香と三馬鹿トリオを
洋平は笑って宥めた。

花道はというと晴子と買ったバッシュに夢中で
自分の世界に入って別空間だった。









ーーーーーーーー…*°





次の日、数日は関わらないだろうと思っていた明日香だが
花道が晴子と話している間に教室に来て
昨日貸したビデオを返しに来た。



「ん。」

「ありがとうは?」

「感謝する。」

「意地でも言わないつもりか(汗)
というかもう見たの?つまんなかった?」

「テメーと一緒にすんな。
まだあるなら貸して欲しい。」

「頼むなら生意気な事言うな(怒)
明日また持ってくるわよ。
ビデオかさばるから1本ずつね?」

「分かった。」

「選手側だとこれ面白いの?」

「…参考になる。」

「ふーん。花道に見せてもダンクやりたがるだけだから
隠して持ち帰ろっと。返ってこなさそうだし。」

「その方がいい。バカが増す。」

「それは分かる。」



明日香と普通に話す流川を
洋平は頬杖をついてぼーっと見ていた。
すると流川がクルッと振り返り洋平と目が合う。



「……」

「?」

「用がすんだならさっさと自分のクラスに戻りなよ。
花道が戻ってきたら騒ぎ出すだろうから。」

「ん。」



明日香は流川の背中を押して廊下へ追い出した。
そして戻ってくると自分の事を洋平が見ていた。



「ど、どうしたの?洋平、」

「いや、すっかり仲良くなったなと思ってさ。」

「なかっ…良いの!?(汗)」

「側からみるとそう見えるぜ?」

「そんなつもりはないんだけど…!(汗)」

「嫌なのか?」

「た、頼まれたから貸してあげてるだけで
別に仲良くしたいと思ってないし…(汗)」

「でも朝だって話したりしてたんだろ?」

「そ、それもパス出せって頼まれただけだし…(汗)」

「パス出し?」

「うん…初めは断ったけど
なんかいた方が練習しやすそうだったから…」

「そっか…」

「で、でも流川ってばパス出してあげたり
ビデオ貸してあげてもさっきみたいに
ありがとうの一言言わないんだよ!?
あんな無愛想な男!
なんで晴子は好きなのか分かんない!(怒)」

「感謝してるって言ってただろ(笑)」

「それはなんか上から目線で嫌!(怒)」プクー



明日香は不機嫌に片方の頬を膨らませた。



「色々手伝ってやって優しいな、明日香。
でも花道に言うとキレそうだから黙っとこうな。」

「うん。……洋平はアタシと流川が仲良くして
やっぱり何とも思わない…?」

「んー、楽しそうなら良いけど
嫌だったならフォローしてやるよ。」

「(そういう事じゃない…!!!!)」

「?」



明日香はガクーッと机に顔を伏せた。



「(洋平達以外こんなに話す事なかったのに
何とも思わないんだ…(泣))」



自分がもしも洋平と女の子が仲良く話している姿を見たら
絶対嫉妬して怒って泣いて傷付くと思うのに
洋平にはその感情がない事に明日香は傷付いた。

やっぱり一方的に好きなんだと自覚してしまう。
こんなんじゃ到底告白なんて出来ないと
明日香はまた傷付いてションボリしてしまった。













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