ピアス









「あーーーあ。退屈だ退屈だ。
なーーんか面白い事ないかねー。
最近は花道もあんまり女にフラれないしつまんねーよな。
晴子ちゃんは流川にホレてんだから
早く次の女に行けばいいのによ。
アイツ高校入ってからペースが落ちてるよな。
フラれペースが。
こんなんじゃ中学ん時の記録を更新できねーぞ」

「ハハハハ!!」



放課後、明日香と洋平と大楠が街中を歩いていた。
最近マンネリ化した日常に大楠は飽き飽きしている。

中学では惚れた腫れたで花道を中心に
毎日飽きさせない馬鹿具合だったが、
その馬鹿が最近放課後は体育館に行ってしまって
下手くそだったバスケも形になってきたから
揶揄いがいもなくなってしまって退屈だった。



「あいつは今バスケットにハマりつつあるからな。
よーやく賭けるもんが見つかったってトコかな。」

「………あーーあ。退屈だな〜」

「お前もなんか見つけろよ大楠」

「なんだよ洋平。じゃあお前はなんかあんのか?」

「………俺?」

「(アタシアタシアタシアタシ…(汗))」

「さあ……よくわかんねー」

Σ「!(汗)」ガーン!

「やっぱり!」

「明日香は?」

Σ「アタシ!?アタシは……
洋平達と居られればそれだけで良い…//
(恥ずかしくて達ってつけちゃった!
でも洋平だけだと流石にバレるだろうし!(汗))」

「明日香は洋平とだろー?」

Σ「大楠!///(バカ!)」

「ハハハ!おっ。」



明日香が大楠を殴っていると
洋平が何かを見つけて立ち止まった。

するとフェンスの前でしゃがんで
何かを見ている野間と高宮がいた。



「あいつら…」

「なにやってんだ?」



洋平と大楠は何かを閃いたようで
二人にこっそり近付いた。そして、



「「へーい!!」」どかっ

「「おおっ!!(汗)」」

「ハッハッハッ!
なんだそのあわてようは…!」ガシッ

「ん?」

「バカモノ!今一番いいとこなんだよ!
てめーらは!!(小声)」

「誰あれ?」

「知らん!!大声出すな!(小声)」



大楠と洋平は二人に口を手で抑えられて
同じようにしゃがまされて中を見た。
すると男女が向かい合って立っていて
あの様子は明らかに告白だ。



「私……悪いけど他に好きな人がいるから、
あんたとは付き合えないわ。ゴメンなさい。」

「!!(泣)」ズッコーーン!!

「「「「ずっこーーーん!!!(汗)」」」」



本人の衝撃と共に洋平と三馬鹿トリオの衝撃も同じだった。
そして4人の悪ふざけが始まる。



「おお…これで高校入って10人目…1年余の間に…(泣)」

「本気じゃないくせに。」

Σ「え!?(汗)」

「湘北に行ってる友だちに聞いたけど…
あんた本当は好きな人いるんでしょ。
湘北の…同じクラスのコ。」

「……ぐす…」

「「「「わははははーーーっ!!!!」」」」

Σ「「!!」」

「まあまあニイちゃんそう気を落とすなって!!」

「10人がなんだ!!」

「上には上がいる!!花道に比べりゃ君はまだ青い!」

「「「「わはははは!!」」」」



4人はいつもの様子でクラッカーや花吹雪で
盛大に揶揄っていた。
さすがの明日香も他人にまでやったら
怒られても仕方ないと呆れ顔である。



「…………」

ガシッ

「ん?」

「お前ら、一年か?」

「痛ってーな。なんだよ。
シャレの通じねー野郎だな(怒)」

「……」

「力いっぱい掴みやがって。
なんならやってもいいぜ(怒)」

「………」

「………(こいつがボスだな…)」

「おい勘違いすんなよ。
4人がかりでなんてこたあしねー
ヒキョー者じゃねーんだ。
オレだけだ。さあ来いや。(怒)」

「(やれやれ退院そうそう…)」

「ハッハッハッやめとけ大楠!
どーみてもこっちが悪い!」

「!」ピタッ

「やめとけ。」



洋平は男が殴り掛かろうとする前に
大楠の前に入り、仲裁した。
すると男も拳を下ろして背を向けた。



「おい…お前、名前は?金髪の方じゃねーぞ。」

「…水戸洋平だ。あんたは?」

「宮城…宮城リョータだ。」



宮城はそう言って洋平達から離れて行った。



「洋平!」

「!」



明日香は洋平達の元に駆け寄ると、
宮城が気付いて明日香の方を見て、
そのまま視線を追い掛けると
洋平達のもとで立ち止まった。



「もう!花道じゃないんだから怒られて当然よ!(汗)」

「ハッハッハッ!ちょっとふざけ過ぎたわ(笑)」

「せっかく久々の喧嘩だと思ったのに
邪魔すんなよなー洋平ー」

「……(にゃろう…女持ちか…人がフラれてんのに(汗))」



宮城はやっぱ一発殴っとけば良かったと
洋平と明日香を見て少し後悔した。










ーーーーーーーー…*°




翌日。

「明日香ちゃん 今日バスケット部観に行かない?」

「晴子。」



放課後 帰る支度をしていると
晴子が教室に入ってきた。
花道は鼻歌歌いながら先に行ってしまい、
残念ながら晴子とは会えなかったようだ。



「あーでも、今日は洋平達観に行かないって…」

「俺はバイトがあるからだよ。行ってこいよ。」

「!、うんっ」



明日香は洋平に背中を押されて晴子に歩み寄った。



「またね 洋平くん。」

「じゃあな 明日香。晴子ちゃん。」

「また明日!洋平!」



明日香は洋平に手を振って晴子と
晴子の友達と一緒に体育館に向かった。

すると途中 なんだか騒がしくて喧嘩しているようだったが
聞き慣れた声がして明日香は顔をしかめた。

すると彩子がいて、男達が数人いて、
草から花道が出てきて、男達を飛び蹴りした。



Σ「花道!?(汗)」

「ふぬーーーーっ!!(怒)」

「やめなさい桜木花道!!(汗)」

「どっどうしたの彩子さん!(汗)」

「晴子ちゃん!明日香ちゃんも!(汗)」

「これは一体どうして(汗)
(というか1人は昨日洋平達がからかったフラれ男…)」



宮城は堀田達ともう1人知らない男がいて、
然し宮城は花道と喧嘩していて花道も宮城にキレていた。
花道は宮城に頭突きをして、
さらに倒れた堀田を持ち上げて宮城に投げつけるが、
さらりと躱されて堀田が地面に叩きつけられる。



「ちっ!!(汗)」

「この野郎…!!(怒)」

「「やめろーーーーーッ!!!(汗)」」

「「はい///」」ピタッ

「「ん?(汗)」」

「まったく…(汗)」

「?(汗)」



晴子は彩子に言われた通りに同時に言うと
2人はピタリと喧嘩をやめた。



「バカやってないでさっさと部室行くわよ!」

「うん。アヤちゃん//」

「喧嘩はダメよ桜木くん…!(汗)」

「いやだなあ晴子さん!
ちょっとした戯れですよ!」

「(がっつりキレてたくせにこのバカ(汗))」

「ぬ?明日香 テメーが何故いる。」

「晴子に誘われたから見に来てやったのに
何よその態度は(怒)」

「というか何故あの男まで部室に?彩子さん(汗)」

「テメー気安くアヤちゃんに話しかけんな(怒)」

「良い加減にしろ!(怒)
はぁ…リョータはバスケ部なのよ。」

Σ「なぬ!?(汗)」

Σ「えぇ!(汗)」



花道と一緒に明日香も驚いた。
すると宮城は明日香と目が合い目を見開く



「君は…」

「………(汗)」



明日香は宮城と目が合うと
コソコソと花道の影に隠れた。



「ぬ?」

「……」



宮城はそのまま何も言わずに部室に入った。
そして彩子も女子更衣室に向かい、
明日香は晴子達と一緒に体育館に向かった。



「あの宮城って人 バスケ部だったのね。」

「明日香ちゃん知ってるの?」

「え、あ、まぁ、色々あって…(汗)」

「宮城さんは2年生でポイントガードなの。
身長は低い方だけど、すばしっこくて、
パスセンスが抜群に良くて湘北に欠かせない選手よ」

「ふーん…(まぁ花道と喧嘩し合えるんだから
そこそこやれる奴なのかも。)」

「お兄ちゃんもきっと喜ぶわ。」

「(ゴリ…)」



晴子とそんな事を話しながらコートを見ていると
数人集まり出した部員達の中で
端にいた流川と明日香が目が合った。



「ん?」

「え、え、る、流川くんこっち見た?///(汗)」

「やったじゃんっ晴子!」

「ついに意識され始めたか?」

「(アタシと合った気がするけど
またビデオ見終わったのかな…
毎日毎日洋平の邪魔するから正直困るんだよなぁ。
まぁ、あと2本で終わるからいーけど…)」



あせあせと晴子が動揺している横で
明日香は涼しい顔して流川を見下ろしていた。












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