片想い










その日花道は結局宮城と練習しては喧嘩ばかりして
ゴリと彩子に怒られっぱなしだった。

そして明日香は花道と先に歩く宮城と帰っていた。



「(この二人がセット…、
喧嘩でもし始めたら置いて帰ろう…(汗))」



明日香は不安しか無く、花道を見上げると
何故か花道はジッと宮城を見ていた。



「なんだよついてくんなよてめーー」

「うるせー誰がついていくか。
方向が同じなだけだ。」

「……ちっ…」

「あっ 彩子さん!!」

Σ「えっ//アヤちゃんっ!?///(汗)」

「違った。」

Σ「ッ……!!(汗)」

「彩子さんに恋してるな?」

「!///(汗)」ギクッ

「ふーん…」

「ふっふっふっ やっぱり!
やな奴だけどかわいーとこあるじゃねーか
赤くなって。やな奴だけど。」

「ッ………!」

「ん?リョータ君。
さては彩子さん目当てで入部したな?図星だろ?
ひっひっひっ そーか彩子さんか。うんうん。
でも彩子さんはイカスからなーフラれるかもよ。」

「!」ピタッ



花道の一声で宮脇が立ち止まり、
明日香はキレて殴り掛かるかもと
冷や汗をかいて同じく立ち止まると
予想とは違って宮城は涙を流していた。



「ぬ…?」











二人は近くの公園に立ち寄る事になり、
明日香を適当に帰すと怒られる花道は
明日香も一緒に公園に連れて行き、
二人はブランコに軽く揺られ、
明日香はブランコを囲う柵に座っていた。



「もうフラれたようなもんさ…
彼女の眼中にはオレなんてないのさ。
全然相手にしてくれないんだ。」

「………」

「彼女の事を忘れる為に
他の女と付き合おうとした事も何度もある…
でも その度にことごとくフラれる始末さ10連敗…(泣)」

Σ「!!(汗)」

「(昨日でね…(汗))」

「オレは中学ん時バスケ部だったが
高校でも続けるかどうか迷ってたんだ最初な。
それで練習を見に行った体育館で…
初めて見たんだ彼女を。もうホレてたよ…。
速攻で入部した。バスケに命かける事に決めた。
俺がチームを強くして…試合に勝って…
それで彼女が笑ってくれれば最高さ…
フーーーッ…ち…なんでてめーなんかに
つまんねー話を…」



そういう宮城が花道の方を向くと
花道は小さく震えて泣いていた。



「ワカル…(泣)」

「な…何が分かるだよ……
こんな可愛い子も連れて、」

「!(汗)」

「明日香は洋平の事が好きなんだ。」

Σ「な!///(汗)」

「そして俺は晴子さんに惚れている。
バスケを始めたのも晴子さんの為だ。
然し、邪魔者の流川がいて
晴子さんは事あるごとに流川の方を目で追っている…
俺が奴より上手ければきっと晴子さんの心も…(泣)」

「花道…お前って奴は……」



二人は共感し合えたらしく
変な友情の空気が流れ、
明日香はただ自分の気持ちをバラされた事に
怒りを抱くしかなかった。



「花道のバカ!勝手にバラしてバカ!(怒)」ボカッ

「なぬ!お前だって分かるだろう!
片想いの辛さが!(汗)」

「アタシはまだフラれてないわよ!(怒)」

「俺だってまだフラれてないぞ!(汗)」



明日香は花道の事をグーって叩き続けた。



「付き合ってないのか?」

Σ「!………まだ…///(汗)」

「そんだけ可愛いんだから
男なら嬉しいに決まってるよ。
逆に水戸洋平は勿体ねえ男だな。
こんな子を放っておくなんてさ。」

「よ、洋平はアタシの事なんか
放っておけない子どもだと思ってるもん…
洋平だってたぶん、彩子さんみたいにカッコ良かったり
晴子みたいに女の子らしい方が好きなんじゃ…」

「それはうん。アヤちゃんの方が良い。」

「晴子さんの方が可愛い。」

「この万年フラれコンビ!(怒)」

Σ「「な!!(汗)」」ガーン!

「もう知らん!帰る!(怒)」

「あ、明日香!俺はまだフラれてはないぞ!(汗)」



明日香は花道を無視して公園を出て行った。



「ったく…明日香は見ての通り怒りっぽいんだ。
洋平以外大人しい所を見た事がない。」

「分かりやすい子なんだな…(汗)」



宮城はふと昨日の水戸と明日香の様子を思い出す。



「………水戸って奴は女には疎いんだな…」

「?」



宮城はフッと笑みを浮かべた。



それから翌日、花道と宮城は分り合い
仲が急変して良くなった事に部員達は不気味がった。












ーーーーーー…*°




「他校の奴?」



放課後 明日香は洋平と廊下にいると
男子達が声を掛けてきた。



「そうなんだよ。
バイク4台くらいで来たんだけど…
校門のとこにいるから帰りづらくて…
洋平君たち心当たりねーかな(汗)」

「さあ…」

「フンフーン♪」ガラッ

「あっ、花みっちゃんも知らねーかな
心当たりない?(汗)」

「ぬ?」

「部活か?花道」

「おお洋平!この天才・桜木の公式戦デビューが
近付いてるからな。衝撃のデビューの日が!
それにあの2年のリョータ君てのが結構話せる奴でよ
意外と苦労人でな…」

「ああ あのピアスの人だろ。」

「おい 待って……(汗)」

「オレ達には関係ねーよそれ。
あいつを関わらすな。」

「……(汗)」



明日香はこの間花道と宮城が揉めた時に
居合わせた3年生を思い出し、少し嫌な予感がした。










「あっ!(汗)」バッ

「あまいな。花道。」

「ぬ…くそ 何故だ……(汗)」

「ハッハッ ダメだな。また取られた。」

「宮城さんが上手いのよ。」



明日香は洋平と晴子と晴子の友達とで
花道と宮城の練習を見ていた。



「いいか花道。フェイクってのはな
演技力が必要なんだ。」

「ほう…」

「ヤス。パスくれ。」

「ん?うん。」

「ほっ!」

「ぬっ!!(汗)」バッ

「シュート見せかけて実はドリブル。
そしてシューーッ」

「おおっ!(汗)」

「これは試合でもかなり使えるテクニックだ。
パス貰って即ジャンプシュートにいくぞっと
見せかけて実はカットインなんだ。」

「なるほど…」

「この場合 本当にジャンプシュートにいくぞと
思わせるリアリティが要求される。ほっ!」バッ

Σ「!(汗)」ビクッ

「一瞬でもシュートと思わせたら勝ちだ。抜ける。」

Σ「はっ!なるほど……これがフェイク……!!(汗)」

「(単純すぎる…(汗))」

「あと頭だけ動かしたりとか
目線でフェイクとかも出来るぞ。」

「なるほど…!!(汗)」

「お前もやってみな。」

「ホッ!!(汗)」

「ワザとらしい。」

「フン!!(汗)」

「ダメダメ。」



二人の様子を見て明日香は良い雰囲気じゃんと
おそらく洋平も同じような事を考えてるのか
その表情が物語っていて目が合った。



"そんだけ可愛いんだから
男なら嬉しいに決まってるよ。
逆にその水戸洋平は勿体ねえ男だな。
こんな子を放っておくなんてさ"



「……(リョータさんに褒められたって、
流川に仲良くされたって、
洋平が好きでいてくれなきゃアタシは嬉しくない…
洋平はアタシが洋平の隣にいなくなっても
別にどうにも思わないのかな……)」

「明日香、そろそろ行くわ。」

「うん。」

「あっ もう帰るの?洋平くん」

「ああ 今日バイトあるから」

「でも良かったね。桜木君もう完全に
バスケが好きになったみたい。
陵南戦でも初心者って思えない活躍だったし、
楽しみだよね。」

「それ花道に言ってやんな。
今の倍は凄いことするぜ。」

「それか逆に面白くなるか(笑)」

「ハハハッ じゃぁ、明日香も暗くなる前に帰れよ?」

「うん (また子ども扱いして!///(怒))」ムスッ



洋平は明日香と晴子に軽く手を振って帰ってしまった。



「洋平君ほんと優しいね。」

「子ども扱いなのよ!//」プンプン!

「よーーーし!集合!!始めるぞ!!」



珍しく小暮が声を張って部員達を集めた。



「ん?ゴリがいないぞ」

「ああ、赤木は少し遅れるよ。課外授業だ物理の。」

Σ「「「!!(汗)」」」

「…頭いいんだぞあいつは…(汗)」

「ゴリがブツリ…(汗)」

「似合わん(汗)」

「ふふっ」クスクス…

「放課後も勉強なんてウゲー………げ…やば…(汗)」

「ん?……!!(汗)」



明日香は誰かが来た気がして目線を向けると
嫌な予感が的中して直ぐに晴子達を引っ張って
体育館の中に上がり端に立った。




「湘北ーーーー!!」



ダン!!!



「「「「ーーーー!!」」」」

「俺たちも混ぜてくれよ 宮城。」



この間 花道と宮城が揉めていた時にいた
髪がボブカットの男と堀田がいた。
そして知らない奴らと私服のやばそうな奴もいる。
堀田の子分達がいないのが明日香は気になった。













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