寂しい










明日香は生活指導室の前で待っていた。
中からは体育教師の怒鳴り声がして
やっと静かになって少ししたらドアから堀田が出た。
そしてぞろぞろと堀田の傘下と洋平達が出てきた。



「洋平!」

「おー明日香お出迎えかー?(笑)」

「いやー入学1ヶ月足らずで停学くらっちまったー(笑)」

「いやー3日も学校行かなくていいなんて
良かったなー!(笑)」

Σ「3日!?3日も来ないの!?(汗)」

「おい、明日香。お前 声掛けれなかったけど
何もなかったんだろうな?」

「大丈夫!慣れてるからちゃんと離れてました!」

「よし!」



明日香は子犬のようにいつも言われてる通り
無闇に近付かない事を守って
洋平は安心して明日香の頭を撫でてあげた。



「3日間学校一緒にいてやれねえけど、
花道も晴子ちゃんもいるし明日香は学校行けよ?」

Σ「ええ!?休む気満々だったのに!(汗)」

「やめとけやめとけ。」

「そーだそーだ。休みは俺たちなんだから」

「ちゃんと勉強しろ」

「アタシより馬鹿のくせに!
アタシと花道じゃ何しでかすか分かんないよ〜!(泣)」

「いつもは同じ括りは怒るのに(汗)」

「自覚はあったんだな(汗)」

「今回の事があったんだ。
花道も無茶しねえだろうよ。」

「む〜!(怒)」

「んじゃ帰るかー カバン取ってこようぜ」

「そうだ 体育館前に捨ててたんだった(笑)」

「(女男マジで許さん…(怒))」



明日香は明日から洋平達がいない事が不満で
主犯の三井に怒りを抱いた。













ーーーーーーー…*°



翌日、バスケ部の噂は広まり
洋平達を怖がるものもいるが
同じクラスで洋平達を知る人は
花道がいるバスケ部を荒らすわけがないと
そう思う人も少なくはなかった。

花道から話を聞けば主犯の三井はバスケ部に戻るそうだ。

然し明日香はバスケ部の事なんかどーでもよく
洋平のいない学校で不機嫌になっていた。



「あーーーーー退屈ーーーー洋平ーーーーーー」

「洋平はいないぞ明日香。もう何度目だ。」

「だあって洋平がいないと来る意味ないじゃんー」



明日香は花道の机に伏せていた。
昨日あれだけ怪我をした花道は
皆んな病院行く中、1人ケロッとして
保健室で軽く手当てした後ゴリと掃除をしたらしい。

顔周りにガーゼなどが貼られているが
本人はすこぶる元気だ。



「あーー辛い辛い辛い辛い………あ、分かった。
花道、殴らせて。そんでアタシも停学する。」

「おい 怪我人だぞ(怒)」

「アンタのは虫刺され程度でしょ」

「洋平に言いつけるぞ!(怒)」

「やめろ!怒られる!(怒)」

「桜木君。」

「!」

Σ「は、晴子さん!///」



明日香が花道を殴ろうと迫っていると
晴子が教室に入ってきて声を掛けた。



「怪我の具合はどう?ひどい怪我だったけど…」

「大丈夫です!こんなもの虫刺され程度ですよ!///」

「(こいつ…(汗))」



調子に乗る花道を見て明日香は呆れていた。



「洋平君達には感謝しなくちゃね。
三井さんの事庇って停学になっちゃって…」

「良いんです良いんです!
アイツらは慣れっこなんで!僕と違って!」

「調子に乗んな!一番のくせに!(怒)」

Σ「い"!(汗)」

「もう!(怒)」

「こら!明日香!エースの足に何を…!(怒)」



明日香は花道の足を蹴り
不機嫌なまま廊下に出て行った。
その背中を晴子は心配そうに見つめていた。



「(もう!花道の馬鹿!晴子の前だともっと馬鹿!)」



明日香は不機嫌にズンズン歩き、屋上に向かった。

3年の堀田もいないし2年には目立った不良もいないから
今は屋上はサボりに最適な安全地帯だ。
学校に来るだけ偉い。少しサボったって大丈夫だろうと
明日香は屋上でサボることにした。



「今日は天気も良いし最高だー」



予想通り屋上は一人だった。
暖かい風が通って心地良く。
地面に倒れて仰向けで寝転がった。



「(あーあ。初日からこんな退屈なら
あと二日もっと退屈な気しかしない…
洋平不足過ぎて死にそう…辛い………、
バスケ部の為というか花道の為とはいえさ、
三井って人も庇う事なんて……あるのか…
バスケ部の為だったら………)…………」



明日香はそのまま目を閉じて眠りについた。










ガチャ…

「む。」



一人屋上に来ると中央で仰向けに寝ている女子がいて
髪色で直ぐ誰かと分かり、近づく。

高い身長から下を見下ろすと
心地良さそうに明日香は眠っていた。



「………変なやつ。」



屋上に来たのは流川だった。

自分もサボりに来たのだが先客がいて
然も女子がど真ん中で仰向けで寝てるとは思わなかった。

どうしようか少し考えると風が吹き、
明日香のスカートが一瞬はだけで、
角度的に中は見えていないが流石に危ない。
いつもバスケ以外無関心な流川だが、
学ランを脱いで明日香にフワッと掛けて
自分は少し離れたところで横になり、寝た。



「うーん……」モゾ…

しばらくして寝返りをうつと
コンクリートが痛くて寝心地が悪く
明日香は目を覚ました。

意識が戻った瞬間 身体に何かかかってて
少し暑いと感じているとコレはなんだと思った。



「……上着…誰の…?花道…うわ!(汗)」



明日香が寝ぼけながら身体を起こすと
少し離れた場所に寝ている人がいてびっくりした。
上着を着ていないと言うことは
すぐにアイツだと思って恐る恐る近づく。



「あ…あの……ありがと…って、流川か(汗)
ちゃんと授業出なさいよ。」

「……」スー…スー…

「おい(怒)」



頭に包帯が巻かれた流川は熟睡だった。
自分もさっきまで熟睡だったが
よくこんな寝心地の悪いところで寝れるなと
明日香が呆れていると流川は寝返りを打ち、
背を向けていた顔が明日香の方を向いた。

密度の高いまつ毛にキリッとした眉毛を見て、
顔は整っている事を明日香は今更気付いて、
晴子は面食いなんだなと苦労しそうなタイプだと思った。



「上着。ありがと。というか今何時だろ…
変に出て行っても教師に見つかったらダルいし
次のチャイムまで待つかー」



明日香はそう言って伸びをすると
流川は気が付いたように目を開けた。



Σ「わっ 起きた?おはよ流川」

「………(何故か起きた…)」

「ちょっと、挨拶しなさいよ(怒)
おはようございますって。」

「もう昼過ぎてる。」

「じゃぁこんにちは。」

「………」



流川は明日香を見ると上着を見せてきた。
おそらくかけてあげたから感謝しろという意味だろう。



「無言の圧やめろよ(汗)
はいはい、ありがとうございました。
アンタにもそんな優しさあると思わなかったわ。」

「……パンツ見えそうだった。」

ガンッ!

「痛ってぇ……怪我人に何を…」

Σ「そりゃ殴るわよ!み、みみみ見たの!?///(汗)」

「見えそうなだけで見てねえし見たくもねえ。」

ガンッ!



明日香はもう一発流川を殴った。



「ごめん つい殴った(汗)」

「てめぇ……(怒)」

「良いじゃん昨日のハンカチの借りで(笑)」

「……(怒)」

「あ。あんた時計してるじゃん。今何時?」



明日香はそう言って流川の腕を掴んで時計を見る。



「2時…2時……ちょ、見辛…」



明日香はそう言って流川の胸の辺りまで近づき、
腕時計を見ると時間は2時半だった。



「うわ。もう授業終わりじゃん。
アタシそんな寝てたのかー…ま、いいや。
アンタそんな包帯ぐるぐるで部活出来るの?」

「余裕。」

「化け物か(汗)」

「それよりビデオ貸せ。」

「え、あぁ…忘れてた。明日持ってくるよ。
(明日はサボろうとしたのにクソ…(汗))」

「試合観に来んの?」

「洋平達が行くなら。どうせ行くと思うけど。」

「ならそん時すげーもん見せてやる。」

「え、頭にダンクとか?」

「どあほうと一緒にすんな(怒)」

Σ「何よ!冗談じゃない!
女に手ぇ出したら花道以下だからね!(汗)」



明日香は流川に睨まれて焦った。



「別につまんなくても勝てばいいじゃん
花道が勝手に馬鹿やってくれるんだし。
NBAと一般人そりゃ違うわよ。」

「………」

「あんたも部活でしょ?さー帰ろー」

「………俺は一般人のままいるつもりはねえ。」

「?」

「お前が早くて目で追えない選手になる。」

「……なんかよく分かんないけど、ガンバッ」



明日香は流川の言ってる意味が分からなかったが、
取り敢えず応援はするとグッと親指を立てた。



「……どあほう。」

Σ「はあ!?(怒)」



流川はそう言って屋上から出て行った。



「アイツは何なのよもう…(汗)」



明日香の頭ではこの時は理解出来なかった。













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