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明日香は授業が終わるチャイムが鳴り
屋上から教室に戻ると、皆んな帰る支度をしていた。



Σ「あ!明日香!授業サボりやがって!
洋平に言いつけるぞ!」

「洋平はそれくらい許してくれるもん」

「ぬぬ…!前がいないと俺が目立つんだ!(汗)」

「赤い髪が何言ってんのよ(怒)
今日も部活なんでしょ さっさと行け」

「ああ!なんせ俺の公式デビューが近いからな!」

「はいはい (アイドルみたいな言い方だな(汗))
期待してるわよ 色んな意味で」

「あ"あ"!?(怒)」

「あ!女子に暴力を振るったらゴリに言いつけるから!」

「ぐ……友達のくせに弱みに漬け込みやがって…(汗)」

「ふふん♪ アタシ今日は帰るから!じゃーねー」

「明日も学校来ないと洋平に言いつけるからな!」

「分かってるよ!」



明日香はそう言って 花道を見送った。

そして自分も帰る支度をして教室から出て
校門まで一人で歩く。



「(こうやって一人で帰るの久々だな…
中学でアイツら来ない時 一緒にサボってたし…)」



明日香は少し寂しくなったが、
そう毎日バスケ部の練習見てもつまらない。
然もあの三井が入って練習している所みても
アイツのせいで洋平がいない状況の為
見てもイライラするだけだと思った。



「(つまんな…やっぱ明日サボろっかな。
流川との貸し借り別に1日くらい良いだろうし…)」

「明日香。」

Σ「洋平!と、三馬鹿トリオ!(汗)」

Σ「「「誰が三馬鹿トリオだ!!(怒)」」」

Σ「シー!シー!!(汗)」



路地裏を曲がると私服の洋平と三馬鹿トリオがいた。



「何で…!停学のくせに!」

「くせにとはなんだくせにとは。
こっちは一人で帰るんじゃねえかと思って
近くまで見に来てやったのにその言い草はねえだろ」



洋平が呆れたように言うと
明日香は嬉しくて胸が苦しくなった。



「もう…!学校つまんなくて
死ぬとこだったんだから!(怒)」

「晴子ちゃんといなかったのか?」

「だって晴子にはクラスに友達いるし、
ウチ来ても花道がでしゃばってアタシ入れないし!(泣)
アタシも花道殴って停学になれば良かった!」

「そんな事させるわけねーだろ(汗)」

「ねー、アタシも明日サボりたい…」

「そんなに嫌なら俺らは止めねえけど、」

「ほんと!?」

「ああ。でも親御さんにバレたら
怒られんの俺たちなんだよなぁ…(汗)」

「ぅ………(汗)」



昨日の血塗れのハンカチを捨てた時も
母親に結構怒られた明日香は思い出す
中学の不登校だった時は親も事情を知っている為
優しくて何も言ってこなかったが
今は洋平達と仲良くしている事に
違う意味で心配されている。

自分のせいで洋平が怒られる事もよく思わない明日香は
自分の中で数秒間葛藤した。



「ぁ……明日も迎えに来てね…?(汗)」

「お!学校行くのか?」

「いつからそんな真面目になったんだよ!」

「(洋平が絡むと素直だなほんと…(汗))」

「ああ。ココに来るよ。」

「うん…」

「明日香、本当に嫌なら行かなくてもいいからな?」

「……アタシももう高校生だもん!
一人でも頑張る!」

「そうか 偉いな明日香」

「へへへ…///」



洋平に頭を撫でられ、明日香は嬉しそうにした。










ーーーーーー…*°




次の日、明日香はまた流川の教室に来ていた。



「流川ー、最後のビデオ貸しに来たよー」



もう慣れたように別のクラスにズカズカと入ると
流川はHR終わりだというのにもう寝ていた。



「ちょっと、起きなさいよ。
じゃないとコレ貸さないから。」

「ん……」



流川は寝ぼけまなこで体を起こして
明日香からNBAのビデオを受け取った。



「お礼は?」

「…感謝する………」

「またそれか(汗) あ、パパが試合観に行くって。
アタシは学校あって行かないから。」

「ん……」

「花道の公式デビュー見れないのも少し残念だけど
サボって観に行くと学校側にバレるからさ」

「ん……」

「それだけだからじゃあね」

「ん……」

「(あいつ"ん"しか言わねえ(汗))」



明日香は流川の態度にイラついていると、



「ちょっと!」

「ん?げっ…!(汗)」



明日香に話しかけてきたのは
最近流川の追っかけをしているミーハー三姉妹
ほんとの姉妹では無いがいつもセットなので
明日香が勝手にあだ名をつけていた。
そんなめんどくさそうな3人が明日香に対して
かなり怒っている様子でめんどくさそうだった。



「あんた!最近流川君に気安く話しかけてない!?(怒)」

「「そーよ!そーよ!」」

「いつもはあの赤い髪の仲間でしょ!
体育館で喧嘩して停学している奴らの!
そんなあんたが流川君に話しかけないでよ!(怒)」

「バスケ部に迷惑かけたくせに!」

「流川君まで大怪我させて!
停学じゃなくて退学になれば良かったのに!(怒)」

「はあ?(怒)」

「あんたも停学になるべきじゃないの!?
アイツらの仲間なんだから!(怒)」

「「そーよ!そーよ!」」

「もうこれ以上バスケ部に迷惑かけないでよね!(怒)」

「「そーよ!そーよ!」」

「ちっ……ベラベラベラベラ、
五月蝿い高い声で薄い話しやがって…(怒)」

Σ「な、何よ…!変な事したら許さないんだから!(汗)」



明日香はゆっくり3人に近付くと
3人はキレている明日香の目にビビって後ずさる。



「(これでアタシが本当の事言ったら
せっかく庇った洋平の停学が無駄になっちゃう…
だから言い返すのは流川の件だけにしよう…)」

「な、何よ黙っちゃって…(汗)」

「もしかして言い返したくても言葉が出ないんじゃ無い?」

「そーよそーよ!」

「(ああ…ダメだ アタシ大人になれない…)」

「な……何よ…!(汗)」



明日香は3人に近づき、そして、


バチンッ


「「「キャァアアア!叩いたああ!!(汗)」」」



明日香はあまりにもウザ過ぎて
思わずツインテールの方のブス頬を
思いっきり引っ叩いてしまった。
悲鳴を聞いてザワザワと教室から顔を出してくるが
明日香はそのまま叩いた女の胸ぐらを掴んだ。



「流川に用があったのはアイツが
バスケのビデオ貸せって言うから貸してんの!
それが悔しけりゃアメリカ行ってNBA観てこい!(怒)」

「な…!何よ偉そうに!(汗)」

「手ぇ出す事ないじゃ無い!」

「野蛮人!」

「もう一発 今度は仲良く3人にやってやろうか?(怒)」

「「「きゃあ!(汗)」」」

「(引っ叩いたのは洋平達の分だっつーの(怒))」



明日香は3人に背を向けて、教室に戻ろうとしたが
騒ぎを聞きつけた教師に掴まり生徒指導室に連行された。











「(やばい…昨日自信満々に洋平に大丈夫って言ったのに
初めて一人で喧嘩して生徒指導室まで連れてかれた…(汗))」

「7組の境か……確か同じクラスの桜木・水戸と
つるんでいたな。全くまた和光中か…(怒)」

「……」

「それにその髪。校則違反だぞ。
来週には髪を染めて来い。分かったな。」

「……地毛だし…」

「嘘をつくな!」

「だったらアタシの親の顔とか
子ども時の写真とか見せるから
勝手に嘘って決めつけんな(怒)」

「教師に向かってなんだその口の聞き方は!(怒)」

「何も知らずに嘘だって決めつける奴に
わざわざ敬語なんか使わないし(怒)」

「な…なにをお!?(汗)
…やっぱアイツらとつるむからいけないんだ。
悪いところばっかうつって…(怒)」

「ふんっ あの3人やアンタらみたいに
薄い情報で疑って決めつける奴らよりマシ(怒)」

「ガキが教師をなんて呼び方だ!(怒)」バシンッ

「!(汗)」



生徒指導の体育教師は竹刀を思いっきり
机に叩きつけてかなり怒っていた。
然し明日香は怖がる事はなく
むしろ早く終われとウンザリしていた。

そして結局あの後も散々怒鳴られて
停学こそはならなかったが、
明日香も問題児扱いになった。

そして生徒指導室から出ていくと
花道が立って待っていた。



「明日香、あまり無茶するな。」

「……アタシ悪い事してないし。」

「それは分かっている。
洋平達の事庇っていたのだろう。」

「洋平には言わないでね…暴力振るったとか…」

「ああ。」



花道は明日香の肩に腕を回し、
ポンポンと叩いて気持ちを宥めた。

洋平がいないと明日香はやはり問題児だった。














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