好み









ガッツリ寝坊した。

明日香が起きた頃には1限目は始まっていて
気付いたら学校に着いた時には3限目だった。
3限目が終われば昼休みになる。
だったら昼休みからでも良くない?
そう思い明日香は昼休みのタイミングで教室に入った。



ガラッ
「あれ?洋平いない?あ、でも鞄あるや 花道も。」



一人で教室を見回すと
バチっと目があった女子達から
引いた様な目でコソコソと友だちと話出す。
この視線にはもう慣れた。



「(昔とは違って花道達と連んでるから
そりゃ関わりたくない気持ちは分かる…
でもそんな目しなくたってよくない!?(怒))」



明日香は不機嫌に片頬を膨らませて
鞄を強く机に叩き付けて椅子に座り
両肘をついてふてくられると
ガヤガヤした声がし始めた。



「いやー花道の切り替えの速さは天下一品だな!」

「この調子なら高校も記録期待出来そうだな!」

「あ!明日香!2日目から遅刻たあ
いい度胸じゃねえか!」

「ご、ごめん 洋平(汗)
起きたら1限始まってたから二度寝しちゃった…」

「ったくお前はよー」

「えへへへ(笑) あれ?花道は?」

「3年の校舎までランニングし始めたから置いてきた」

「あぁ スポーツマンになるっていう」

「そう。今はすっかりそのつもりだぜ。」

「あははは!さすが花道 超単純!(笑)」



明日香が楽しそうに笑うと
洋平は頬杖をついた状態で優しく見つめる。



「え、何…なんかついてる?」

「いんや 良く笑うなって思ってさ。」

「何それ…馬鹿にしてる?//」

「違えよ。今日も元気だなって。」

「また子供扱いしてる!」

「お前らちょいちょい俺らの存在消すのやめろよな!」

「そーだそーだ!」

「6人合わせて桜木軍団!」

「なんだよお前ら(汗)」



洋平は時々明日香を見つめてくる事がある。
その度に明日香は照れ臭くてつい反発してしまう。












ーーーーーー…*°




「ほら、出来たよ。」ペシペシ

「いたたた(泣) もっと優しくしろよ明日香」

「バスケットボードに頭ぶつけるって
どんなジャンプ力だよ あんたは(汗)」



3年の校舎にいたと思った花道だったが
額に大きなタンコブを作って戻ってきたから
てっきり3年にシメられたのかと思いきや
晴子と体育館に行きダンクシュートを決めようとしたら
それを外してバスケットボードに激突したらしい。

救急箱から消毒とガーゼを取り出して
明日香が応急処置してあげた。



「桜木くん!頭の傷はどうですか?」

「は、晴子さん!もう大丈夫!!///」

「晴子ちゃん バックボードの心配した方がいいぜ
こいつ異様に頭が硬いから」

「む、(晴子ちゃん?(汗))」

「あははは そうなんですかっ
桜木くん バスケ部に入部届出しときましたから
お兄ちゃんが根性ない奴はお断りだって言ってたけど
桜木くんなら大丈夫ですよね?」

「根性ありますっ うんっ 大丈夫!///」

「なに 花道お前バスケ部に入んの?」

「まさかー」

「それじゃあ!」



晴子はそう言って廊下に出て行った。



「うぉおお!晴子ちゃん可愛いぜ!
彼女と登下校なんて出来たら死んだっていいぜ!」

「おいおい 落ち着け」

「ふ〜ん まさに春だなぁ 幸せだなぁ//」

「おい 花道。お前あんまり深追いすると
またフラれて泣くぞ。」

「ぬ…」

「晴子ちゃんは本当に可愛いよ」

Σ「!?(汗)」



洋平の言葉に明日香がピクリと反応する。



「大人しくて性格も良さそうだ。」

「(大人しくて性格が良い…?)」

「うんうん そーだろ!//」

「お前 そんな子に彼氏がいないと思う?
男はほっとかんぜフツー。」

「ぬ!?(汗)」

「(男はほっとかない…?洋平も…?(汗))」

「「そうそう。」」

「彼氏いるぜきっと。」

「ぬ!?なんだお前ら!」

「ルカワって奴が彼氏なんだよきっと。」

「ルカワってのがよ。」

「る、ルカワ…?」ハッ



花道も心当たりがあるのか顔色が変わった。



「ルカワ…!!(汗)」

「「「そうそう。」」」

「うおおおお!ルカワァ!死ねええ!!(怒)」

「待て待て待て!!」

「「「わっはっはっ!!」」」

「あんた達…(汗)」

「まだそうと決まったわけじゃねえよ。
晴子ちゃんに直接聞いてみりゃ良いだろ。」



そう言って花道は晴子を呼び出し、
ルカワとの関係を聞き出す事にした。



「ねぇ。」

「ん?」



ルカワに一生懸命呪いを掛けている花道の横で
明日香は洋平の着てる学ランを軽く引っ張った。



「洋平もやっぱり晴子ちゃん可愛い?」

「なんだよ 急に。ああいう清楚系は男は好きだろ?」

「洋平も男じゃん。」

「なんだよ ヤキモチか?」

Σ「ばッ…!違うし!アタシだって高校こそ
彼氏作ろうとか思ってるから意見聞いただけだし!///」

「明日香に彼氏ぃ?」

「明日香には無理だ。」

「「そうそう。」」

Σ「な…!何よ三馬鹿トリオ!(汗)」

「明日香には洋平という保護者がセットだからな」

「男は寄り付かんし、それでも寄り付く奴は
不良で悪さばっかしてるアホくらいだ。」

「つまり男運が無い。」

「ッ〜〜!勝手にアタシの男運下げるな!(怒)」

「まあまあ、アイツらが言う事も一理ある。
明日香は放っておけないからな。
目離したらすぐ絡まれるし。」

「そ、それは髪が派手だから…!」

「だから目ぇ離さないようにちゃんと学校来いよ。」

「う……今日はたまたま寝坊しただけだし…」

「次寝坊したら迎えに行くからな。」

「う…!(それはそれで嬉しい…!
でもまたすぐ寝坊したら絶対怒られる!(汗))」

「(そんなに嫌か?(汗))」



自分の恋心と良心との間で揺れ動き耐える明日香が
あまりにも表情が苦しそうなので
洋平は自分が迎えに行く事が嫌なのではと
大きな勘違いをしたのであった。












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