勝負










ドリブルをつく大男に花道は腕を伸ばすが取れない。
大男は花道を遊んでいるようにも見える。



「花道の奴 作戦でもあんのかな…」

「そもそもルール知ってるの?」

「うーん…」



花道は明日香の予想通り
スライディングしてボールを取ろうとして
皆んなの笑い者となっていた。
洋平も呆れて顔に手を置いて天を仰ぐ。

大男は花道を抜いて余裕でダンクを決める。
あっという間に7ゴール目を決められてしまい、
そこへ晴子が息を荒らして体育館に来た。



「お!晴子ちゃん。」

「(む…)」

「見なよ。また花道が馬鹿やってるぜ。」

「バスケの勝負だってよ」

「然も相手はゴリラ!」

「はぁはぁ…お兄ちゃんなのよう…」

「え?」

「相手はあたしのお兄ちゃんなのよ〜!(汗)」

Σ「(洋平の肩掴んで…!(汗)というか、誰が…)」

「お兄ちゃん?あ、あの…(汗)」

「「「「「ゴリラが!!?(汗)」」」」」」



洋平達は含む晴子の話を聞いた周りは
晴子とゴリラを見比べて衝撃を受けた。



「お兄ちゃんはバスケットの事となると
人が変わっちゃうの!普段は優しいんだけど…」

「ええ?あの怪物があ?」

「小学校の頃からバスケ一筋で、
全てをバスケットに懸けてきたような人だから…」



花道はまた抜かれてゴリを追い掛けるが、
躓き思わずゴリに手を伸ばして掴んで倒れた。
そして二人とも転んで気がつくと
花道の横にいるゴリのプリッとしたお尻が出ていた。

皆んな固まった後 一気に笑いが吹き出した。



「はぁ、ますますお兄ちゃんを怒らせちゃったわ//
洋平くんっ この勝負やめさせてっ」

「(洋平くん…?(汗))」

「それは不可能だよ晴子ちゃん!」

「そう!人間には無理!」

「うぅ…// (お兄ちゃん…桜木くん…
二人は仲間になるはずだったのに…(汗))」

「(晴子ちゃんってば急に洋平の事 名前で呼び出して!
前は苗字だったのにいつの間に仲良くなってんの!?(怒)」

「ん?何 プリプリしてんだ明日香」

「べっつに!(怒)」プリプリ



明日香は洋平から顔を晒してコートに目を向けた。



花道はゴリに9点目を決められて
どう対処しようか悩む中、
晴子に声を掛けられて晴子はやめて欲しかったが
逆に燃え盛ってやる気を出した。

そしてついに花道の人間離れした体力と
瞬発力で人間壁を作り出しゴリのシュートコースを塞ぎ
弾いたボールを追い掛けてしがみつき奪い取った。

ついにボールを奪い取った事で盛り上がった。
晴子も周りの歓声に心配から一気に仲間入りした。
皆んなから怖がられていた花道が注目され期待され
洋平も嬉しそうな表情をしていて
それを見た明日香も怒っていた表情が緩んだ。

そして応援してくれる晴子も見て
花道も一気に立ち直った。

然し攻撃が入れ替わっても花道は苦戦する。
どこに走っても壁を作られてボールを放っては
弾かれて花道は直ぐに大切なボールを取り戻す。



色々考えた結果 花道はボールをバックボードに投げつけ
そのまま追い掛けてジャンプしてボールを取ろうとすると
ゴリに読まれて先に空中で取られたが
そのまま花道もボールを奪い返して
ゴリと一緒に空中で流れて
ボールをゴールに叩きつけて入れた。



「「「「「おおおおおお!!!!」」」」」



周りから歓声が響き渡ると
花道は一直線に晴子の元へと駆け寄った。



「晴子さぁあああん!!見ててくれましたぁあああ!?
晴子さんに教わったスラムダッシュで!
ゴリラじじいに勝ちました!」

「ダンクよ桜木くん(汗)」

「そぉお!スラムダンク!
リングの真ん中に叩きつける!
晴子さんのおかげだあ!」

「あの、桜木くん…この前はごめんなさい。
あたしったら勘違いして酷いことを言って…」

「いやいやいや!全然気にしてないっすよ!
それより僕のスラムダンク見ててくれました!?
晴子さんに教わったスラムダァ〜〜〜〜ンク!!
今あのゴリラジジイを退治してきましたよ!!」



花道はついさっきまでの死んだ瞳は輝きで
晴子にガンガン話しかけていた。

それを傍観していた5人が見ていると
ゆっくりとゴリが歩み寄ってきて
花道を殴って引き下げると晴子の前に立つ。



「痛ってえ!何すんだゴリラじじい!
だいたいテメェは負けたくせによ!!(怒)」

「晴子。こいつがまさか…」

「うんっ」

「は、晴子だとぉ!呼び捨てだと!
図々しいにも程があるわい!このゴリ!
晴子さんに近づくんじゃねえ!シッシ!」

「この人が桜木くんよ お兄ちゃん」

「シッシ!…………いま、なんと、」

「お兄ちゃん。」

「?(汗)」

「お兄ちゃん。」

「?(汗)」

「「「「「お兄ちゃん」」」」」

「………(汗)」

「桜木。」

Σ「!」ビクッ!!

「負けたぜ。」

「お兄さま……!(泣)」

「なんて言うか!このドアホ!!
誰がお兄様だ!!(怒)」

「ああ!ここここれ!つまらないものですが
お近づきのしるしに!!(汗)」

「いらんわあ!!(怒)」



花道はその後もずっとゴリにお兄様と呼び続け
ゴリにずっと殴られ続けていた。










ーーーーーー…*°



決闘の騒ぎの後 花道はご機嫌で鼻歌を歌い帰路を歩く中
その後ろでニヤニヤと楽しそうに笑う三馬鹿トリオと
その隣で明らかに不機嫌な明日香と
その明日香に気付いている洋平は
困った様に明日香を見ていた。



「よぉ、明日香。なんでそんなに不機嫌なんだよ。」

「べっつにい〜」

「嘘つくなよ。あからさまだし。
俺なんかしたか?」

「……」

「まあまあ!明日香!機嫌直したまえ!
俺の勇姿を見て嫉妬するのは分かるがな!」ドンドン!

「痛ったいな!浮かれ野郎!(怒)」



花道に背中を叩かれ 加減はされているがやはり痛い。
明日香は怒って花道から離れる。



「ぬあはっはっはっ!」

「大丈夫か?明日香(汗)」

「背骨折れるかと思った…(泣)」

「じゃあ諸君!バスケット王桜木花道とはここでお別れだ!」

「じゃあなー花道ー」



花道とはここで別れて三馬鹿トリオとも分かれて
明日香と洋平は並んで歩き出すと無言が続く。



「黙ってるだけじゃ分からねえぞ明日香。」

「……晴子ちゃんと仲良いんだね。」

「え?晴子ちゃん?」

「だって名前呼びされてたし…」

「ああ、あれは俺らが名前で呼んでるから…」

「ふぅん…」

「(やれやれ…またスネてんのか)」



チリンチリン…

「!、明日香っ」

「!」



後ろから自転車が来て道路側にいた明日香を
洋平が抱き寄せて歩道に寄せた。
その直ぐ横を自転車が通り過ぎて
危うく轢かれそうになった。



「ちっ、危ねえなあの野郎…」

「あ、ありがとう…」

!、バッ…



洋平に抱き寄せられた明日香だが、
直ぐに怒っている事を思い出して離れた。



「明日香だって俺の事名前で然も呼び捨てだろ。
もう4年目の付き合いなんだ。
明日香の方が晴子ちゃんより何倍も仲良いよ。」

「むぅ…」

「ほら、また自転車が来ると危ないから
もっとこっち来て歩けよ。」

「……うん。」



明日香は洋平の言葉に納得して
洋平の隣にピッタリ寄って帰り道を歩いた。



「……(明日香にはまだ女友達がいねえからなぁ。
晴子ちゃんとも俺らの方が仲良いからスネてんのか。
晴子ちゃんとならこいつも友達になれると思うんだが…)」



洋平は大きな勘違いをして、
また過保護に明日香の事を思っていた。













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