女の影











翌日から花道はバスケット部に入部する為
バスケット部の部室に向かうようになっていた。

然し、あの決闘の事もあり認めて貰える訳もなく
ゴリには全く相手にされなかった為
花道はゴリに好かれようとゴリが喜ぶ事をし始めた。



「なんで俺たちが昼休みにバスケ部の
掃除しないとなんねえのよ。花道よお」

「友達だろ つべこべ言わない。
どうせ暇なんだから手伝えよ!
ほら、バナナやるからよ。」

「もうこれっきりだぞ。」

「そんで?お前もうバスケ部に入ったの?」

「それはこの掃除にかかってる!」

「はあ?なんだそりゃ」

「さあ!綺麗にするぞ!」



花道はゴシゴシとモップがけをする。



「何やかんや健気なんだからあいつ(汗)」

「明日香、疲れたら休んでろよ?」

「大丈夫だよ。1人でも多い方が早く終わるでしょ?」

「明日香いい事いうな!
そうだ!皆んなでやれば早く終わる!」

「おめーがいうな」



明日香がゴシゴシとモップがけする姿を見て
洋平もやれやれとした顔をして掃除を再開した。














放課後 花道は綺麗になった部室を汚されないよう
午後の授業はずっとサボっていて
洋平と明日香のクラスにetc軍団が入ってきた。



「洋平ー明日香ー 帰るぞー」

「ああ。行こうぜ。明日香。」

「うんっ 今日はどこ寄るの?」

「ゲーセンは?ゲーセン。」

「俺金ねえ。」

「じゃあ パチンコ?」

「制服着てんだろ馬鹿ヤロー。」

「俺 今日はバイトがあるから直ぐ行くわ。」

Σ「ええ!洋平バイト始めたの!?」

「いつの間に!」

「だからコイツの事頼んだわ。
絡まれても巻き込むなよ。」

「りょーかい。」

「子守みたいに言うな!(怒)」

「ふっ…良い子にして帰れよ。」

Σ「ぬー!(怒)」

「ははっ 怒り方が花道に似てきたな(笑)」

「アイツと一緒にすんな!(怒)」



洋平は笑いながら明日香の頭を撫でて
校舎を出て直ぐ1人別方向に向かった。



「洋平は偉いなー」

「もう社会の波に飲まれるのか…」

「自分のバイク欲しいって言ってたもんな…」

「……」

「まあまあ、そんなしょんぼりすんなって明日香。
洋平も明日は遊んでくれるだろーよ。」

「うるさい三馬鹿トリオ。」

「「「誰がだ!(怒)」」」



四人は適当に歩いていると
コンビニが目に入り高宮が寄りたいと言って
四人は立ち寄りコンビニ前で屯する。



「じゃあ分かった!洋平がバイトの時
あたしもバイトを入れれば良いんだ!」

「明日香がバイト?」

「無理無理。
馬鹿だからソッコー クビになるぞ。」

「はあ!?(怒)」

「つかそもそもバイトしたら帰るの遅くなるだろ?
そんなん過保護な洋平は絶対許さねえって。」

「う…(汗)」

「洋平のバイト先なんて
馬鹿な事も明日香は考えねえだろ。」

「だ、だって邪魔したくないし…(汗)」

「んじゃこうして俺等とテキトーに
花道を揶揄いながら駄弁りながら過ごそうや」

「洋平も明日香ことほっときゃしねえだろうしよお」

「そ、そうかな…//」

「そんなに洋平が好きなら
さっさと告っちまえば良いのによ」

Σ「なっ…!///なななななんで!!///(汗)」

「そんだけ花道並みに分かりやすくて
バレてねえと思ってんのか(汗)」

「いっつも俺らなんか眼中なく
ようへーようへー言ってりゃ誰だって分かるわ」

「花道も絶対気が付いてるぞ」

「うん。あの馬鹿でも。」

「は、花道まで…?(汗)///
よ、洋平に言わないでよ!?
まだ心の準備が出来てないんだから!」

「3年以上準備しててまだ準備出来てねえのかよ」

「その間に花道は51人に告白してんだぞ」

「50人だ。晴子ちゃんにはまだ告ってねーよ」

「惚れやすいあいつと一緒にすんな!///」

「兎も角だ。お前がぼーっとしてると
いつか洋平に彼女が出来てもおかしくねえぞ。
もう高校生だし、バイト先で良い女がいるかも」

「い、良い女…?(汗)」

「そーそー。
明日香よりもナイスバディな年上の良い女。」

「ナ、ナイスバディな…?(汗)」



明日香は見た目はヤンキーでも
好青年の洋平を想像しただけで
年上の綺麗なナイスバディのお姉さんと
仲良くバイトしているのが目に浮かび
思わず目に涙が滲み出た。



Σギョッ「ま、まだ決まったわけじゃねえよ!(汗)」

「そうだ!洋平だって彼女が出来たら
明日香の事見てやれなくなるから作らねえよ!」

「そうだ!そうだ!」

「それでアタシより彼女を選んで
放っておかれるんだ…(泣)」

「(やべえ!揶揄いすぎてまさか泣くとは!)」

「(このままじゃ何があったか
洋平に聞かれて怒られる!(汗))」



フルフルと震えて泣き始める明日香を
男たちが宥めていて、その姿をコンビニへ入る人達は
怪訝そうな目で見つめて入っていった。










ーーーーーー…*°





夜 お風呂から出た明日香は髪をタオルドライしていると
電話が鳴り 母親が出ているなと思っていたら



「明日香ー 花道くんから電話よー」

「はあ?花道から?」

「あの子ほんと礼儀正しいわねえ。
髪色からは想像も出来ないわ。」

「女とその身内には弱いのよ。
今度は何?花道。」

『よ、よお明日香 今から学校でボール磨きを…』

「はあ!?こんな時間に女を外に呼び出すわけ!?
信じらんない!晴子ちゃんに言いつけるわよ!?(怒)」

『そ、それは勘弁を…(汗)
それにお前 家から学校近いじゃね』

「バーカ!」ガチャン!



明日香は荒々しく受話器を戻して
髪を乾かしに洗面所に戻る。

時計を見ると20時10分。
洋平はバイトだしあの3人には断られたに違いない。
ボールの数は分からないけれど
二人でやれば1時間もあれば終わるかもしれない。



「……」



明日香は考えながら髪を乾かして、
そして髪を梳かして部屋で服を着替え始めた。



「明日香!こんな時間からどこ行くの!」

「ちょ、ちょっと花道の助っ人に…」

「こんな夜に危ないじゃない!」

「よ、洋平もいるから!」

「そう?なら良いけど…気をつけるのよ!」

「はーい。(ったく、うちの親
洋平の信頼度高すぎるでしょ(汗))」



明日香は黄色いオーバーパーカーにショートパンツを履き
スニーカーという私服で学校に忍びこみ
昼間に来たバスケット部の部室に顔を覗き込んだ。



「ぬぅぅ…くそ、ゴリめ…
然し俺は根性のある男桜木花道…
こんな事で負けんぞ…(汗)」

「そして良き友達を持つ男 桜木花道。」

Σ「ぬ!」



明日香は花道の後ろに立ち
呆れたように見下ろしていた。



「明日香!来てくれたのか!」

「二人ならサッサと終わるでしょ。
ボール磨きってどうすんの?」

「おう!このワックスをだな!」



明日香は花道にボール磨きを教わって綺麗にし始めた。
二人で黙々と胡座をかき、ボールを磨く。



「あんたってほんと健気よね。
好きな女の為に部活入るなんて。
その為にこんな地味な事もやって」

「まあな!男 花道!
晴子さんの為なら何でも出来るぜ!」

「あんたなら何でもやりそうだから怖いわよ。」

「いやあ、明日香は優しいな!
それに比べてあの三馬鹿は!
洋平は帰ってすらいねえし!」

「洋平はバイト始めたから夜はいないよ。」

「なぬ?バイト?」

「そ。だから放課後はアタシと三馬鹿だけで遊んだし
毎日じゃないけどこれからそういう日があるだろうね。」

「そうか。じゃあ、明日香は寂しいな。」

「うん…って、まさかあんたまで知ってんの?」

「ん?何がだ?」

「アタシが洋平の事…ってダメダメ!
自分からバラしてどうすんだ馬鹿!(汗)」

「明日香は洋平の事が好きなんだろう?」

Σ「や、やっぱり気付いて…!///」

「まあな。この天才桜木。
そんな事は初めからお見通しだ。」

「嘘つけ。直ぐにアタシに告ったくせに。」

「おい!過去の事を掘り返すな(怒)」

「花道もさ…洋平に年上の彼女が出来ると思う?
バイト先なら大人と関わるだろうし…」

「ぬ?洋平に彼女?年上の?何故だ?」

「あーあーもういいわ(汗)
(こいつの脳みそに聞いたのが間違いだった…)」

「洋平に彼女が出来るとしたら明日香だろう」

「え?」

「洋平は明日香の事ほっとけないからな。
今日の事も洋平にチクるなよ。俺が怒られる。
あ!勿論晴子さんにもだぞ!!(汗)」

「言うかバーカ。ほら、さっさと終わらせて帰るわよ。」

「そうだな!あとコートを磨かなくちゃならんからな!」

「は?」

「?」



その後 明日香は夜通しで花道と掃除に明け暮れた。













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