花道入部










翌朝 ゴリこと赤木剛憲は自主練をしに
早くから部室にやってきた。
キラキラ輝くバスケットボールに驚くと
明日香がせっかく綺麗にしたんだからやめろと
必死に止めて聞かなかったボールに桜木と名前を見て
誰がやったか直ぐに分かって呆れる。

そして着替えて桜木の名前が入ったボールを手に
体育館に入るとコートもキラキラ輝いていた。



「ふ…まるでガキだな。
だが、その根性は認めてやるぜ。
部活の時間まで使わないどいてやるか。
ん?ぬお!?(汗)」



赤木はコートの端で壁に寄り掛かって
ぐっすり寝ている明日香に気付き驚く。



「んあ?やば…寝てた…今何時…?」

「お前…桜木に手伝ってたのか?」

「え、あ、ゴリ…」

「誰がゴリだ(汗)」

「ボールだけだと思ってたから…
いててて、お尻と腰が痛い…(汗)
あ!アタシ花道の友達なだけで
こんな奴彼氏じゃないですから!念の為!(汗)」

「お、おう…(汗)」

「あーもう 帰って直ぐ支度しなきゃ
サボったらまた洋平に怒られるだろうし…」

「(何なんだこいつらは…(汗))」

「あ、花道これでバスケット部入れたりします?」

「……まぁ、根性はあるみたいだからな。」

「そっか…なら良い事したって思っとこうかなー」



明日香はそう言って伸びをしながら
赤木を置いてって学校を出ていった。

そして自分の家までの帰り道
眩しい朝日を浴びながら歩いていると
バスケットボールの音がして
自分家近くの広場に目を向けると
バスケットゴールがあってそこでバスケをしていたのは。



「あ、流川だ。」



ダムダムと華麗にドリブルをついて
遠くからのシュートを決めてまた拾って
シュートを打っては決めていた。

あんな器用な事をこれから花道は出来るのだろうかと
明日香は今後と花道が不安でしか無かった。
なんとなくフェンスの中に入って見ていると
流川がボールを外し、ボールは明日香の方まで転がった。
それを明日香が拾うとやっと流川が明日香に気が付いた。



「ぬ…」

「あんた上手いのね。
初心者でも上手いなって思うわ。」

「あのどあほうの…」

「お。覚えてたか。
アタシ境明日香。花道の友だち。
頭の傷はもう大丈夫みたいね。」

「……借りもんは後で返す」

「いいよ あんなベッタリ血がついてたら落ちないでしょ。
バスケットはパパの影響で見た事あるけど
難しそうだし疲れそうだから
やりたいとは思わなかったなー よっ」



明日香は軽くぺたぺたとドリブルをついて
ふわっと両手でシュートを打つが
リングに届かず呆気なく落ちて流川に拾われた。



「下手くそ」

「初心者だって言ってんだろ(怒)」



流川は言葉交わす事なく
またシュートを打ち始めた。



「ふんっ…(あんな無愛想な奴
洋平の方が100倍カッコいいし。
晴子ちゃんもなんで好きかな…は!ダメダメ!
晴子ちゃんが洋平の良さに気付いちゃダメ!
アタシも嫌だし洋平が花道に殺される!(汗))」



明日香はそんな事を考えながら家に帰り
その後 親にめちゃくちゃ怒られて
また遅刻なく学校に向かった。










ーーーーーーーー…*°




「おはよー」

「おはよう明日香。
今日もちゃんと来たな。」

「でも眠ーいお休みい」

「なんだよ学校来て直ぐに」

「よーす洋平」

「明日香もよーすって寝てんのか?」

「椅子に座った途端直ぐこれだよ。」

「まさか…昨日花道の手伝って、(汗)」

Σ「馬鹿言うなっ!(汗)」

「花道?花道にまた手伝わされたのか?」

「い、いや俺らは断ったんだけど…(汗)」

「夜だったし…(汗)」

Σ「この三馬鹿トリオー!!(怒)」



どんどんバラしていく三馬鹿に我慢出来ず
黙っていた明日香は怒って顔を上げた。



「説明して貰おうか。明日香。」

「う……実は…(汗)」



明日香は嘘つくわけもいかず
正直に夜に花道に呼び出されて
夜中までボール磨きとコートを磨いて
気付いたら体育館で寝ていて
朝帰りした事を言った。



「で、でもでも起きたらゴリがいて
根性はあるから入部認めてくれるって
花道の事言ってたからこれで終わるはず…!(汗)」

「馬鹿やろう!そういう問題じゃねえよ!
夜中に一人で出歩きやがって!
学校の周りにあぶねえ奴沢山いんだぞ!」

「ご、ごめんなさい…」しゅん…

「ったく…何もなかったから良かったけど
次からは一人は無しだ。俺がいる時だけ。
それ以外は勝手に夜出歩くな。分かったな?」

「はい…」



明日香はシュンとして縮こまる。
十分反省していると見て洋平は
明日香の頭に手を置いてくしゃくしゃと撫でる。



「反省してるなら良かったよ」

「うん…ごめんね?」

「もーいいよ。眠いんだろ?
寝たいだけ寝とけよ。
授業中はバレないようにな。」



優しい洋平の表情に明日香は顔を赤くして手で覆う。



「いや…今ので目が覚めました…///」

「?」

「そーいや花道は?」

「あいつは寝坊か?」

「多分花道の事だからバスケット部が来るまで
体育館使わせないつもりだと思う。」

「ほんとスゲーなあいつは(汗)」

「でもこれで花道がバスケット部に入部出来るな。
明日香のおかげで。」

「そう!アタシのおかげで!」

「「「「ワッハッハッハ!」」」」



明日香が堂々と胸を張って言うと
4人は楽しそうに笑っていた。










そして放課後 明日香は洋平達と一緒に
体育館の下の窓から中を覗くと
新入生が上級生の前にピシッと並んでいて
流川の隣に花道も立っていた。

花道は流川にライバル心を持っていて
ガンつけていると赤木に殴られて
それを明日香含む洋平達が笑っていると
後ろから晴子もやって来て中を覗くと
晴子に気付いた花道は嬉しそうに笑っていた。

その後直ぐに練習は始まるが
花道はストレッチとランニングが終わると
美人マネージャーと端に行き
ドリブルの練習を始めた。



「まずは基礎からってやつか」

「つまんなそーだな」

「こりゃ持たねーな」

「バスケットの基礎はとても大事なのよ」

「俺たちもう行くわ。じゃあな晴子ちゃん。」

「うん。洋平くん達もまた明日。」

ムッ「(また…)」

「明日香ちゃんもまた明日ねっ」

「!、う、うん…」



いきなり名前を呼ばれて明日香は動揺して
まるで花道の様に緊張して返事を返すと
それを見た洋平はトンッと明日香の背中を押した。



「晴子ちゃん。こいつ女友達いなくて緊張しいでさ。
良かったらこれからも仲良くしてやってよ。」

Σ「よ、洋平!?//(汗)」

「良かったなー明日香。」

「女友だち1号目だな。」

「いや…アタシはその…//」

「最初がアタシなんて嬉しいっ!
よろしくね!明日香ちゃん!」

「よ、よろしく…//(汗)」



明日香の手を笑顔で握る晴子に
明日香は照れ臭そうに目を合わせず返事を返した。

そして晴子が大きく手を振る中、
明日香や洋平達も手を振って校門まで向かった。



「ちょっと、洋平 なんでアタシの事押したのよ。
女友達いないってバラしちゃって惨めじゃない!」

「ああでもしないとお前から歩み寄らないだろ?
ほんとに友達俺たちしかいないんだから
良かったじゃねえか。花道も喜ぶだろ。」

「むぅ…//」

「それに晴子ちゃんは花道とも仲良くなれる子だ。
明日香の事も偏見持たず向き合ってくれるだろ。」

「アタシと花道一緒にしてる?(怒)」

「まあ、髪色に関してはだけどな。」

「染めてる奴と地毛一緒にすんな!(怒)」

「わりい(苦笑)」



明日香はプンプン怒って洋平を叩くと
洋平はへらへら笑いながらそれを受け止めた。

そして花道のバスケット道と
明日香の女友達との交流が始まった。














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