溶ける真実
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夜一と砕蜂との戦いは和解で終わった。
一護と白哉との戦いは互いぼろぼろとなったが、
一護の勝利となり、そして
織姫・茶渡・雨竜・岩鷲と合流した。
そして卯ノ花と勇音と紬は清浄塔居林
四十六室の為の居住区域についていた。
その中には二つの霊圧と、微かな霊圧が二つ。
「!」
「落ち着きなさい」
「……はい」
紬の揺らいだ霊圧に気付いて
卯ノ花は落ち着かせるように紬の前に手を添えた。
そして中に入り進むと、核心に繋がった。
「…やはり此処でしたか。藍染隊長。
…いえ、最早"隊長"と呼ぶべきではないのでしょうね。
大逆の罪人。藍染惣右介。」
「どうも。卯ノ花隊長。
来られるとすればそろそろだろうと思っていましたよ。
すぐに此処だとわかりましたか?」
「如何なる理由があろうとも
立ち入る事を許されない完全禁踏区域は
瀞霊廷内にはこの清浄塔居林ただ一箇所のみ
貴方があれほどまでに精巧な死体人形を作ってまで
身を隠そうとしたのなら、
その行く先は瀞霊廷内で最も安全で
見つかりにくいここを置いて他にありません。」
「惜しいな。
読みは良いが間違いが二つある。
まず一つ目に
僕は身を隠す為にここへ来たわけじゃない
そしてもう一つ
これは死体の人形じゃあ無い」
Σ「「「!」」」
「…い…いつの間に……!」
「何時の間に?
この手に持っていたさ
さっきからずっとね
ただ…
今 この瞬間まで 僕が
そう見せようとしていなかっただけのことだ」
「………!?」
「ど…どういう……(汗」
「直ぐにわかるさ。そら 解くよ。
砕けろ "鏡花水月"」
藍染の死体人形は刀に戻った。
「僕の斬魄刀 鏡花水月
有する能力は、完全催眠だ」
「…嘘…
だって鏡花水月は流水系の斬魄刀で
霧と水流の乱反射で敵を撹乱して
同士討ちさせるって……
藍染隊長そう仰ってたじゃないですか…
私達副隊長を集めて…
実際に目の前で見せて下さったじゃないですか!」
「それって…」
「…成る程…
それこそが…催眠の儀式という訳ですか」
「御明答。
完全催眠は五感全てを支配し、
一つの対象の姿・形・質量・感触・匂い
に至るまで全てを敵に誤認させる事ができる
つまり、蝿を竜に見せることも
沼地を花畑に見せることも可能だ
そしてその発動条件は
敵に鏡花水月の解放の瞬間を見せること
一度でもそれを目にした者は
その瞬間から完全催眠に堕ち
以降僕が鏡花水月を解放する度、完全催眠の虜となる」
「それは…眼の見えない者は
術に堕ちることはありませんよね……」
「さすがだ卯ノ花隊長。
目の見えぬ東仙要は僕の部下だ」
瞬間
市丸から紐が出て藍染と自分を囲んだ。
「ギンくん…!」
移動するつもりだ。
「…最後に褒めておこうか。
検査の為に最も長く手を触れたからとはいえ
完全催眠下にありながら、僕の死体に僅かでも
違和感を感じた事は見事だった。卯ノ花隊長。
そして朝霧紬。君は二度も惜しいところまで
辿り着くが結局僕には手が届かない。実に滑稽だ。
さよなら。君達とは、もう会う事はあるまい。」
藍染はそう言い放ち、姿を消した。
「藍…染…!!」
「勇音」
「南の心臓 北の瞳 西の指先 東の踵
風持ちいて集い 雨払いて散れ。
縛道の五十八 掴趾追雀
…31…64…83…97 転移先捕捉。
東 三百三十二 北 千五百六十六……双極…です」
勇音の鬼道で居場所を特定
そしてやる事はもう決まっている。
「卯ノ花隊長。後は宜しくお願いします。」
「紬さん!?」
紬は瞬歩で消えた。
「構いません勇音。
双極に向かったのでしょう」
「ここからですか…!?(汗)」
「彼女なら数分で着きます。
代わりに全ての隊長・副隊長の位置を捜索
捕捉して伝信して下さい。
私達が ここで知った藍染惣右介の全てと
その行き先を…そして同じ伝信を…あの 旅禍達にもね」
「…………わかりました!」
「…任せましたよ。私はこれから…
日番谷隊長と雛森副隊長の救命措置に入ります」
ーーーーーー…*°
「藍染…!」
紬は走り続け双極に向かう。
その素早さは夜一に匹敵していた。
いや、それ以上かもしれない。
向かってる最中 藍染の言葉を思い出す。
"二度"自分は藍染を逃していた。
それはきっと百一年前に起きた事件の日
のうのうと部屋で眠っていた日の事だ。
あの日の記憶が途中で途切れていた。
目覚めた時には遅かった。
弁明するにも証拠がなかった。
失望して思考を止めてしまった。
そんな過去の自分を思い出すだけで
憎しみが沸々と込み上げていく。
しばらく走り続け、双極が見えた頃には
藍染惣右介と市丸ギンそして東仙要
黒崎一護と阿散井恋次、朽木ルキアの霊圧を察知した。
「………紡げ"天蜘蛛"」
これは喧嘩でも何でもない
罪人を殺す
紬の瞳は明らかに違っていた
「立つんだ。朽木ルキア」
藍染はルキアの首輪に手を掛け立たせた。
「…ああ、そうか。
僕の霊圧にあてられて体が弛緩してしまっているのか。
なに、気にすることはないよ。
自分の足で歩かせた方が
僕が楽だというだけの話だから」
ひゅるり
「!」
藍染の首元に微かな風が当たった。
「"刎落"」
ふわりと藍染の背後に紬は回り込み、
斬魄刀である糸を藍染の首に巻き迷いなく糸を引いた。
ザシュッ!!
「なッ……!」
然し、先に紬の胸に刀が貫通していた。
刃先を見ると射抜いたのは市丸ギンだった。
「ギン…く……」
「朝霧副隊長!!」
刀を抜かれ崩れ落ち、括った糸は緩んでほどけ、
紬は地面に倒れ、身体を引きずって仰向けになった。
呼吸は荒く視界がぼやける中でも視線は藍染を差している。
「朝霧 紬。
君はやはり想像以上だ。
真央霊術院の時を覚えているかな?
君の能力は昔から素晴らしかった。
ぜひ此方側にと五番隊に誘っていたのに…
君は僕の誘いを断り十三番隊へ入隊したね
非常に残念だったが、
ギンに出会い 君は不要と判断した。
後悔するがいい。過去の自分を」
「破道の八十八 飛竜撃賊震天雷砲…!」
紬からの鬼道に藍染は瞬歩でぎりぎりに除けた。
「ッ………!」
「上番の詠唱破棄でこの威力……
殺すには本当に惜しい…
だが、さよならだ。朝霧 紬」
「藍染!!」ザンッ!
紬はさらに藍染に胸元を刺され
鬼道で上げた腕は力なく落ちた。
「朝霧副隊長ォオオオオ!!!!!」
ルキアの叫ぶ声が聞こえる。
意識が遠のいて行く
何も出来なかった
真子さん ごめんなさい
貴方の仇を討てなかった
人間は死んだら尸魂界へ行くけど
死神は死んだら何処へ行くんだろう
呆然と死を待つが
微かな温もりが伝わる
誰だろう
真子さんだったらどれほど幸せか
真子さん
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