各々










ぎり……あ………あぎ……









声が聞こえる

両肩に温もりがある

誰だろう

真子さんだったらどれほど幸せか




誰……私は………



「生きてる……?」



薄らと瞼を開けると白髪が目に入る。

しっかりと目を開け白髪の本人を見ると、
険しい顔した浮竹隊長がいた。



「……浮竹隊長………?」

「朝霧!良かった…卯ノ花隊長!!」



浮竹隊長は喜んで私の手を掴んだ。
全体が包まれて暖かい。
頭に枕らしい柔らかさがある。
ここは救護詰所…?



「紬さん。目が覚めましたか。」

「卯ノ花隊長……」



浮竹隊長の声で卯ノ花隊長が部屋に入ってきた。



「生かして…下さったのですね………」

「まるで……、
余計な事をした様な言い分ですね」

「………失言しました。
申し訳ございません…」

「急所を突かれ非常に危険な状態でしたが、
貴女はこうやって生きています。
それは貴女の意思でもあります。
私は手助けをしたまでですから。」

「……そう…ですね…ありがとうございます…」

「浮竹隊長」

「朝霧……」



浮竹隊長は心配そうな顔をしていた。



「浮竹隊長……、
ご心配おかけして申し訳ございません…」

「全くだ……!寿命が縮まる所だったよ!」

「……洒落になりません。藍染は…」

「あいつは…大虚の世界へ行った」

「…やはり…百一年前の事件は……」

「あいつの陰謀だ」

「………」

「朝霧…、やはりまだ……」

「朝霧副隊長……!」



声の先を見ると、ルキアがいた。



「ルキアちゃん……」



ルキアは悲しい顔をしていた。



「朝霧副隊長…すいません……」

「どうしてルキアちゃんが謝るの…?」

「しかし……」

「ルキアちゃんは何も悪くないよ……」

「…ありがとうございます」



紬はルキアの瞳を見る。



「あの旅禍達は…?」

「一護くんは重症だったが、
目は覚めて十一番隊に出入りする程
今は元気だ。他の旅禍達も無事だよ。」

「そっか…良かったね。ルキアちゃん」

「はい」

「紬さん。呉々も安静に。
何かあったら、四番隊隊士にお申し付け下さいね。」

「ありがとうございます」



卯ノ花隊長は部屋を出た。



「じゃあ、俺も清音と仙太郎に伝えてくるよ。
押しかけないようによく言っておくから」

「ありがとうございます。」

「私も行きますね。」

「ルキアちゃん。」

「は、はい!」

「無事で良かった。」

「ッ……ありがとうございます!」



ルキアも部屋を出た。

また様子を見に来た卯ノ花隊長から話を聞くと
あの騒動から一週間以上経っていた。
ギンくん、そして藍染から斬られた私は
その場で虫の息だったが、旅禍の一人に救われた。
鬼道とは違い、治癒能力が高い術を使うらしい。
彼女がいなかったら私は死ねたのだろうか。











「紬ー!目が覚めたって聞いたから
飛んで来ちゃったー!」



もう一眠りしようと布団に潜ると
ドタバタと乱菊が入ってきた。



「調子どお!?」

「乱菊うるさい…」



紬は渋々と身体を起こした。
笑顔でうるさかった乱菊だけど
横に座った途端静かになった。



「……ギンに斬られたんでしょ?」

「……うん。」

「そう…あいつ……」

「昔はあんなに可愛がったのにな…」

「あんたが?ギンを?」

「ギンくんがこーんな小さい時」



紬は目安の身長の高さに手を置いた。



「あんたって見た目と年齢反しすぎよね(汗)」

「得でしょ?」



紬は自慢げに言った。
その後も乱菊から散々ギンの悪口を聞かされた。
自分も古くからの知り合いが裏切るなんて
心が動揺していたのだろう。
話し続けて満足した乱菊は帰って行き、
あの旅禍の霊圧を感じた。

そしてノックが鳴る。



「はい」



扉が開き、目線をやるとあの旅禍だった。



「…失礼しまーす」



軽い挨拶で入ってくる。
見るたびに海燕に似ていると思ってしまう。



「……黒崎一護くん、だよね」

「おう…」



一護は少し照れ臭そうに紬を見る。



「私に何か?」

「あ…あの……ルキアを助けようとしてくれて、
ありがとな。」

「?」



その言葉に紬はきょとんとする。



「…?(汗)」



その顔に一護も頭にハテナを浮かべていた。



「何故貴方がお礼を…?」

「え!?な、何でって…!(汗)」

「私は彼女の上司だから罪状に納得しなければ
助けようととするのは当たり前。
逆に私が貴方に礼を言うべき立場なの。
…ありがとう。」



紬は一護の目を見て言った。



「い、いや……」

「傷はもう平気みたいね」

「お、おう!
あんたはもう大丈夫なのか?」

「まだ生きなきゃいけないみたい。
貴方の仲間が助けてくれたみたいで
その人にもありがとうと伝えといて欲しい。」

「おう…でもまだって……」

「貴方には関係のない話だよ。
でも…一つだけ聞きたいことがあるのだけど…」

「?、なんだ?」

「現世には夜一さんの他に
尸魂界から来た人はいる…?」

「ああ、浦原さんがそうらしい!
しかも元隊長らしくて何かを作った人らしいな!
胡散臭そうな見た目してっけど
俺はその人のおかげでここまで来れたんだ!」

「……他にもいる?」

「え?い、いや…俺もこっちきて
浦原さんと夜一さんが死神だったのを知ったから…」

「そう……」

「誰か探してるのか?」

「……生きてるか分からない人」

「………」

「……もう、行きなさい。
何人かの旅禍達が貴方を探してる」

「え?そうなのか?」

「ありがとう。一護くん」

「…おう」



一護は病室を出て行った。





     その後、黒崎一護含め旅禍達は現世へ帰り


  そして浮竹隊長は黒崎一護を正式な死神代行と任命した。