静寂








紬はしばらく休養し、やっと復帰した。



「さ!仕事ですよ!副隊長!」どさっ

「………」



机の上にどさっと資料を置かれる。



「………私、病み上がりなんだけど」

「充分休んだでしょう!(怒)
卯ノ花隊長に強制退院させられたの知ってますからね!」

「浮竹隊長は?」

「隊長室で休まれてます!」

「………清音ちゃん手伝ってよ」

「そんな事言ったって無駄……
今なんて呼びました?」

「清音ちゃん」

「!!?///」



清音は今まで苗字のあだ名で呼ばれてた為
正直嬉しかった。



「四番隊副隊長のこてっちゃんと
仲良くなって間際らしいから
勇音ちゃんと清音ちゃんにした」

「そ、そうゆうことですか……」がっくし

「清音ちゃんと仙太郎くん。
って呼ぶことにしたからよろしくね。
浮竹隊長も名前で呼んでるし」

「は、話を逸らさないで下さい!
これは副隊長の分の仕事ですからね!」

「厳しい……」



紬はだるそうに資料と向き合った。
でも仕事が速いのが紬だった。
しばらく篭ったが、半日で終わらせた。



「疲れたー」

「お疲れさまです!
じゃあ、各隊長にお渡ししてきますね!ってああ!」

「?、何?」

「女性死神協会の資料がまだじゃないですか!」

「それ必要…?」



紬はだるそうに項垂れる。



「必要ですよ!期限も過ぎてますし!
早く終わらせて下さい!」

「だってー…」



バタン!

「ツムツム!
頼んだ調査資料はー!?」

「あ、やちるちゃん」

「会長!」



十一番隊副隊長のやちるは女性死神協会会長だった。
タイミング良く扉を荒々しく開けて侵入してきた。



「あ!まだ白紙じゃーん!」

「これ私じゃなくても清音ちゃんが得意じゃん」

「だめだめ!ツムツムの仕事ー!」

「だって…浮竹隊長の好みのタイプって
清音ちゃん知らないの?」

「知りません!私が知りたいです!」カッ

「そんなに?」



一人だけテンションがついていけない



「おやつの時間までに宜しくねー!」ダダダッ

「………」



やちるはバタバタと出て行った。
そして清音も念を押してから出て行き
紬は取り残され深く溜め息を吐いた。



「………(寝たい…)」



紬は仕方なく席を立ち、
浮竹が篭ってる隊首室に向かった。











「あれ?紬副隊長どこ行くんすか?」



途中仙太郎と出くわすが



「仕事です」

Σ「ええ!?(汗)」



紬が真面目に仕事だと言うと
仙太郎はかなり動揺していた。
日頃の行いは大事というわけだ。


そして本舎から離れた隊首室に到着



「……(さっさと聞いて帰ろう)」



紬は一息ついて建物にノックした



「誰だ?」



中から返事があった。
家主がいるから当たり前なのだが
紬は少しガッカリと肩を落とした。



「(寝てなかった…)…紬です」

Σ「紬!?」ガシャーン!

「何か倒しましたけど」



中から飛び出した浮竹は嬉しそうだった。
滅多に紬から隊首室には来ないからだ。



「なんだなんだ!いきなり!
おーい!誰かお茶出してくれー!」

「浮竹隊長、私長居するつもりでは…」



紬は強引に浮竹に引っ張られ部屋に入ると
すぐにお茶が出てきた。



「今日は突然どうしたんだ?」



ニコニコと浮竹は上機嫌だった。
仕事の為に嫌々来たとは口が裂けても言えないが、
仕事の為に来たのは変わらないので直ぐに本題に入る。



「………質問なんですけど。
先にお伝えしときますね。
これ知りたいのは私の個人的な興味では無く
女性死神協会から圧が掛かり仕方なく
大量の仕事終わらせてからの最後の仕事です。」

「女性死神協会?
男性死神協会の事についてか?」

「いえ、浮竹隊長についてです」

「?、何だ?」

「お好きな女性のタイプは何でしょうか?」

「な、何だその質問は……(汗)」

「私も分かりません」



紬はゆっくりお茶を飲む。



「好きな女性のタイプかー…」

「?、そんな思い悩むものですか?」

「いや…考えた事無かったしな……」

「京楽隊長ならすぐ答えそうですね」

「ははっ!得意分野だからな!
俺はなー…必ずこれというものは無いからな……」

「それじゃあ私が怒られます」

「うーん……
俺は身体が弱いから健康で自立した強い女性だな。
そうすれば俺が万が一何かあったら
いつまでも泣いて悲しませるより
すぐに切り替えて次の良い男を見つけて
そいつと幸せに暮らしていけるような
たくましい女性が俺には合っているよ。
まあ、かといってすぐに忘れられるのは
寂しい気もするが(笑)
そういう紬はどうなんだ…あれ?」

「………………すぴー……」

「何だ聞いといて寝たのか。
相変わらずだな……」



浮竹は笑顔でやれやれとため息をついた。
紬は横たわりぐっすり眠っていた。



「……お疲れ様」



浮竹は紬に側にあった毛布をかけてあげた。
こんなに静かな瀞霊廷は久々だ。