守りたい
▽
居場所なんてすぐに分かった。
然し、紬が着いた時にはもう戦いは始まっていた。
「吼えろ、蛇尾丸!!」
ガガガガ!!、ガアンッ!!!
阿散井恋次は朽木ルキアが死神の力を渡した人間
黒崎一護と戦っていた。
阿散井恋次が言っていた通り、
黒崎一護の斬魄刀はかなり大きな形をしていた。
ただ斬魄刀はただ大きいだけなら霊圧の調整が出来ない
宝の持ち腐れ状態なだけなのだが、
黒崎一護は明らかに阿散井恋次と渡り合っていた。
二人は戦いながら言い合いをしている。
「……しぶとい野郎だ…。
そんなにルキアを助けてえか……」
「……バカ野郎…"助けてえ"んじゃねえよ…
"助ける"んだ!!」
「ふざけんな!!
てめえがルキアの霊力を奪いやがったから、
ルキアの罪は重くなったんだ!!わかってんのか!?
てめえの所為でルキアは、殺されるんだ!!
そのてめえが!どのツラ下げて!
ルキアを助けるなんてぬかしやがる!?
ふざけてんじゃねえ!!!」
「…俺のせいでルキアが殺される……?
わかってるさ、そんなこと……!!!
だから俺が助けるんじゃねえかよ!!!」
「くそがあっ!!!」
二人の言い合いと共に戦いも激しくなってくる。
でも黒崎一護が幾ら身体能力が高くても
経験値の差が際立ってくる。
阿散井恋次の方が黒崎一護を圧していた。
「言ったろ てめーは万に一つも俺には勝てねえ」
「げほっ…!」
黒崎一護は阿散井恋次の動きは見えている。
阿散井恋次の斬魄刀 蛇尾丸は大きく伸び縮みする刀
だから一瞬刀が戻った隙に攻撃した筈なのに
躱されて攻撃を喰らい、血を流した。
「……どうして、躱されたかわかんねえってツラだな。
連続攻撃の隙を衝くってのはいい。
タイミングも完璧。なのに、なぜ俺を殺せなかった?
答は一つ。てめーが俺より遅せえからだ!
俺と、てめーの埋めようの無え力の差。
ただ単純に、それだけのことだ。わかったか。
…てめーにルキアは救えねえ。俺に殺されるてめーにはな」
紬は万が一黒崎一護が負けた時、
彼を逃す事を考えた。
旅禍は数人 仲間がいる筈で
人質に治療技術 回道を使える四番隊隊員を人質にしている。
彼が誰から学んで彼処まで戦える様になったのかも
興味深い。朽木ルキア以外に死神について知ってる者が
現世にいるとしたら、それは誰なのか。
その謎も突き止める必要がある。
でなければただの人間が彼処まで
副隊長格と戦い合える事は無いのだから。
「!」
阿散井恋次が蛇尾丸を振り下ろすと
血が出るのも構わず、黒崎一護は素手で掴む。
明らかに阿散井恋次は動揺していた。
「…待たせたな恋次……覚悟だ。てめえを斬るぜ。」
黒崎一護の斬魄刀 斬月が阿散井恋次を斬った。
まさかただの人間だった者が
副隊長に勝ってしまった事に紬も驚いた。
倒れた阿散井恋次はポツリポツリと言葉を吐く。
「……今にして思えば
ビビッてただけなのかもしれねえな…
俺は…、まったく…骨の髄まで
野良犬根性が染み付いてやがるんだ…厭になるぜ。
星に向かって吠えるばっかで
飛びつく度胸ありゃしねぇ…!」
ボロボロの阿散井恋次は黒崎一護の胸ぐらを掴む
「…俺は…、結局朽木隊長に…
一度も勝てねぇままだ…
ルキアがいなくなってからずっと…
毎日死ぬ気で鍛錬したが
それでも駄目だった…、あの人は遠すぎる…
力ずくでルキアを取り戻すなんて…
俺には出来なかったんだ…!
……黒崎…恥を承知でてめぇに頼む…!
…ルキアを………、ルキアを助けてくれ…!!」
「………ああ」
阿散井恋次はそのまま崩れるように倒れた。
そして一護も気が緩んでか、その場に倒れる。
「一護!」
倒れた黒崎一護に一人の旅禍が駆け寄り、
もう一人は人質にされているはずの
四番隊隊員 山田花太郎が駆け寄った。
其処へ瞬歩で一瞬にして二人と黒崎一護の前に紬が立つ。
Σ「ま、また追っ手かよ…!!(汗)」
「あ、貴方は…!!(汗)」
「早く連れて治療しなさい。」
Σ「は!?(汗)」
「もう直ぐここの管轄内の隊員が来る。
早く旅禍だけ連れて行きなさい。」
「あ…ありがとうございま、」
「何だがよくわかんねえが花太郎行くぞ!(汗)」
黒崎一護を担いだ二人は下水道の方へ逃げて行った。
そして紬は倒れている阿散井恋次の元へ歩み寄り、
フワリと回道を当てて治療し始めた。
「て…めぇ……聞いてたのかよ…」
「………貴方が私達を頼らず嫌うのは分かってる。
貴方にも辛い思いをさせてしまったね…」
「知った口聞いてんじゃねえよ……」
「………私も覚悟が出来た。
私達はあの子を救わなければならない。」
紬は決心した様子で強く阿散井恋次に告げた。
その言葉に彼から返事が来ることは無く、
気を失っているようだった。
其処は直ぐに管轄内の三番隊が数名到着した。
「あ…阿散井さん!!」
「大丈夫スか阿散井副隊長!!」
「朝霧副隊長!!」
治療する紬に三番隊副隊長の吉良イヅルが歩み寄る。
「驚いた…回道を使えるんですね…(汗)」
「………私も今ついてこの状況だった。
旅禍の姿は少し見えだけど治療が先と判断した。」
「これは上級救助班じゃないと……」
「だから運んで。
私のは所詮応急処置してるまでだから」
「は、はい!」
吉良イヅルは隊員と共に阿散井恋次を運んだ。
ーーーーーー…*°
吉良イヅルは阿散井恋次を運び終えると
其処には雛森桃も居た。
「…そんな……!」
「…朝霧さんが見つけた時には
もうこの状態だったんだ…
朝霧さんは旅禍を捜索している。
僕も早く見つけて戦いに加勢していれば…」
「ううん…、そんなの…吉良くんのせいじゃ…」
「…ともかく、四番隊に連絡するよ。
上級救助班を出して貰おう…」
「その必要は無い」
急に霊圧がのし掛かると、
雛森の背後に朽木白哉がいた。
「牢に入れておけ」
「ーー朽木隊長………!(汗)」
「そ…そんな…、
阿散井くんは一人で旅禍と戦ったんです…
それなのに…」
「言い訳など聞かぬ。
一人で戦いに臨むということは、
決して敗北を許されぬということだ。
それすら解らぬ愚か者に用など無い。
目障りだ。早く連れていけ。」
「…ちょ…ちょっと待って下さい!!
そんな言い方って…(汗)」
「よせ!」
「だって吉良くん…!(汗)」
「申し訳ありませんでした!」
吉良が先に頭を深く下げて謝った。
雛森も動揺したまま謝った。
「おーこわ!」
「!」
「市丸隊長!」
「何やろね。あの言い方。
相変わらず怖いなァ、六番隊長さんは。
心配せんでもええよ。
四番隊なら僕が声かけてきたるから。
ついておいでイヅル」
「はい!」
「よ…宜しくお願いします!」
雛森は二人に頭を下げて託した。
目線は下を向き俯く。
「おわー!こりゃハデにやられやがったな
阿散井のヤロー!」
Σ「ふわあっ!?(汗) ひ…日番谷くん!!」
「オイオイ、オレもう隊長だぜ?
いーのかよ。そんな呼び方で。」
「うるさい!もう!どうして隊長さん達は
みんな足音たてずに近くにいるのよっ!!
だいたい日番谷くんがどうして
………どうしてこんな所にいるの?」
「………忠告しに来たんだよ。
三番隊には気をつけな」
「え…?三番隊…?
吉良くんのこと…?なんで?」
「俺の言ってんのは市丸だが、吉良もどうだかな。
取り敢えず気をつけといて損はないぜ。
特にーーー、」
この忠告が日番谷は失敗だったのかもしれない。
その忠告が裏目に出てしまう事になる。
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