混沌









阿散井恋次を三番隊に任せた紬は、
地下通路を歩いていた。

そして二つの霊圧と一つの弱々しい霊圧を辿って
さっきの旅禍と山田花太郎がいた。

紬の霊圧に先に気づいたのは流魂街の住民で
黒崎一護の仲間 志波岩鷲だった。



「て、てめぇは…(汗」

「強ばらなくても私は何もしない。
彼が気になって来ただけだから」

「あ、朝霧副隊長…!」

「流石四番隊席官ね。治療のスピードが早い。」

Σ「え!あ、いやあ…///」

「照れんなよ(汗)」



紬に褒められデレデレになる山田花太郎に
志波岩鷲は呆れていた。



「あの、朝霧副隊長がどうしてここに…!」

「彼が死神の力を得た人間でしょ?
ルキアがどんな奴に分け与えたのか気になって、
なるほどね……」

「?」



紬は一護の顔をじっくり見た。

生真面目過ぎると言われるほど真面目な彼女が
罪を犯してまで人間に死神の力を渡した理由が
紬には分からなかったが、顔を見て分かった。

他人とは思えない程 彼に似ていて
朽木ルキアがこの人間の側にいた理由も分かった。



「お前副隊長なら朽木の処刑をやめさせろよ
黙って見過ごすのかよ…!」

「見過ごさない。だから此処に来た。」

「手を貸して下さるんですか!?(汗)」

「ただ、立場上同行は出来ない。
だからルキアのいる殲罪宮までは来て欲しい。」

「そんな…」

「結局自力で来いってか…!(汗)」

「辿り着くまでの方が簡単だよ。
問題はどうやって逃げるか…じゃない?」

「………!(汗)」ゴクリ



紬の霊圧に岩鷲と花太郎は怯む



「…もう行かなくちゃ。
もし、私の事を信じてないなら、
別に信じなくていいから。」



紬はそう言って立ち去った。




















その日 戦時特令を受け、

副隊長を含む上位席官の廷内での常時帯刀を許可

又、その戦時全面解放を許可する と、

総隊長からの命令が下された。



「こてっちゃん。浮竹隊長の様子は?」

「ゆっくり休まれております!」

「こてっちゃん。小椿くん。」

「はい!」

「なんでしょうか!」

「旅禍達はルキアを助けようと侵入して来た。
だから私は彼らについてルキアを助けようと思う。
やっぱり見殺しには出来ないんだ。
裏切りで私も罪人になるかもしれないけど、
その時は私に刀を向けても構わない。
浮竹隊長の事を一番に考えて欲しい。
私から最後のお願いだと思って聞いておいて。」

Σ「「ッ……!(汗)」」



その言葉に二人に圧がかかる



「まァ、直ぐに旅禍側に付く訳じゃないし
タイミング合えばって感じで、
明日は普通に定例会出るから安心して。」

「あ、当たり前じゃないですか!(汗)」

「紛らわしいこと言わないで下さいよ!(汗)」

「うん。でも、浮竹隊長をお願いね。」

「………何があってもお二人とも
我々がお守りします!」

「もちろん朽木も!」



虎徹清音と小椿仙太郎に紬は、



「………ありがとう 二人は頼もしいよ。」



そう言って紬は自分の部屋に戻っていった。

本当は心の中では凄く嬉しいのに、
柔らかく笑って二人を安心させたいのに、
あの日から自分は笑う事が出来なくなってしまった。












ーーーーーー…*°



翌日の定例会は見事に寝坊してしまった。



起きてから虎徹清音に怒られた。

『昨日あんなにカッコ良かったのにー!(怒)』

真面目なシーンが台無しになってしまった。



「あれ!?紬さん!?」

「あ、桃ちゃん。
珍しいね。桃ちゃんが寝坊って」

「あはは…(汗) 紬さんは常習犯ですもんね!」

「常習犯…」

「あっ!近道した方が早いですよ!」

「あ、そっか」



雛森と紬は近道をして角を曲がった。

曲がったその先、聳え立つ建物に血が滴っていた。



「!、これ…」

「いやああああああ!!!!」











雛森の悲鳴が響き渡ると、すぐに副隊長等が集まった。

雛森は放心状態になり崩れて座り込むが、
紬はすぐに駆け寄り上を見上げる


血の壁の先は、









「藍染……」








五番隊隊長 藍染惣右介が張り付けにされていた。



よく見ると藍染惣右介自身の刀が胸に突き刺さっており、
明らかに既に死んでいる。









「藍染隊長!藍染隊長!
いやだ…嫌です!!藍染隊長!!(泣)」

「桃ちゃ…」



雛森桃は自分の敬愛する隊長の死体を前に
混乱していて泣き喚き、
紬は落ち着いてと声を掛けようとした所に



「何や、朝っぱらから騒々しいことやなァ」



振り返ると、市丸ギンが立っていた。



先日の日番谷冬獅郎の助言が思わぬ方向に向く。



「お前か!!!」



雛森桃は霊圧を上げ市丸ギンに向かって刀を抜いた。

然し、



ガンッ!ー「吉良くん!どうして…」

「僕は三番隊副隊長だ!
どんな理由があろうと
隊長に剣を向けることは僕が許さない!」

「お願い…どいてよ、吉良くん…」

「それはできない!」

「どいてよ…どいて…」

「だめだ!」

「どけって言うのがわからないの!!」

「だめだと言うのがわからないのか!!」

「弾け!"飛梅"!!」

「な…ッ」



雛森桃の刀から火の玉が飛び爆発する



「こんな処で斬魄刀を……浅薄!!
自分が何をしているか判っているのか!
公事と私事を混同するな!雛森副隊長!!」



吉良イヅルの言葉も全く届かず
雛森桃は日番谷冬獅郎が危険視していた
市丸ギンが殺ったと思い込み
目の前の復讐しか目に映っていなかった。



「…そうか それなら仕方ない…、
僕は君を……敵として処理する!
面を上げろ"侘助"」



吉良イヅルも斬魄刀を始解させると、



「動くなよどっちも」

「…………ーー日番谷く…」

「捕らえろ。二人ともだ。」



日番谷冬獅郎が現れ二本の刀を受け止めて争いを止めた。

動きが止まった瞬間、
雛森桃と吉良イヅルは副隊長達に押さえつけられる。



「総隊長への報告は俺がする!
そいつらは拘置だ!連れて行け!」



連行される二人を他所に紬はその場に残っていた。



「朝霧。何をしている。お前も行け。」

「や、人数足りてるし。それに…、
ギンくん桃ちゃんの事 殺す気だったよね?」



紬は市丸ギンを指さした。

それを見て日番谷冬獅郎も市丸ギンを睨み付ける。



「………てめぇ…」

「はて。何のことやら」

「…今のうちに言っとくぞ。
雛森に血ィ流させたら、俺がてめえを殺すぜ。」

「そら怖い。
悪いやつが近づかんように
よう見張っとかなあきませんな」



そう言って市丸ギンもその場から立ち去り、
藍染惣右介の死体は日番谷冬獅郎と紬によって
四番隊隊舎へと運ばれた。











「……お前も何か分かってんのか?」

「何を?」

「市丸ギンの事だ。」

「何も知らないよ。さっきのは手元見てたから。
ギンくんは昔から何考えてるか分からないもん。
藍染…隊長もね……、腑に落ちないなぁ……」

「お前……」

「じゃ、私はこれで。」



紬は四番隊隊舎を出て行った。

そして向かったのは、


          約束の殲罪宮へ