向き合う











優しい皆んなは今日の私の事を心配してくれていた。
私にもシャチとペンギンみたいに
誰かに追われてるんじゃないかと思って。
過去を知ってるローも3人に話して欲しいと
もう逃げられない状況で言われてしまった。

話してしまったら皆んなの見方が変わるんじゃないか、
そう思ってとても怖いけど、
ここで黙っていたら関係が壊れてしまいそうで
その方が怖くて、私は3人に話す事にした。



「殺されるって……誰か死んだのか?」

「……」

「シャチ、まずは話を聞こう」



怖がるシャチにペンギンが落ち着かせる。
ローは私の隣で優しく見守っていた。



「……私に優しくしてくれた町の人は
父と母の命令で殺されて、家も燃やされた…」



私はゆっくりゆっくり話し始めた。
自分が王族だった事、
それなのに平民と関わって、
良くして貰ったのに私が原因で
良くしてくれた人たちが殺された事

父と母に見捨てられ地下牢に入れられた事
そこでの虐待から逃げ出して
荷物に紛れ込んでこの島についた事
それらを話している間 皆んな静かに見守ってくれた。



「何だよそれ…悪いのはアメリじゃなくて
殺したその親じゃねえか!」

「アメリは町の奴らに寄り添った良い王女だ!」

「でも私のせいで人が死んだのは事実で、
背負わなきゃいけない罪だと思ってる…
だからこそ、人と関わるのが怖いし、
今日のシャチの叔父さんは私の父と母のようで
とても怖かった…人を蔑んでいたから…。

国中には死んだとされているけど、
私は城の中では逃亡した事になってるから、
心のどこかで見つかるんじゃないかって思ってた。
見つかって、また関わった人が殺されるんじゃないかって
悪いことばっか浮かんできて、怖かったの。」

「そうか…そんな事があったのか…」

「でもアメリは死んだ事になってんだから、
わざわざ探そうとしたりはしねえだろ」

「そうだよ。いなくなって良いんじゃないの?」

「そうだといいな。考え過ぎだよね、
死んでて良いんだもん。
私は王女なんかじゃなくて、
この島で皆んなと暮らしてるアメリだよ。」

「トラウマだったんだろ。
さすがに今日のヴォルフみたいに
王族を懲らしめるとかは出来ねえけど、
話す事で心が軽くなる事もある。
だから俺に話してくれたみたいに
皆んなにも話して欲しかった。」

「ロー…ありがとう。
そうだよね、明日から町で働くんだもん。
仕事中バラバラになるけど、
ここで寝るのは皆んな一緒だよ?」

「アイアーイ!」

「当たり前だ」

「何かあったら俺らに話せよ!」

「俺らが助けてやるから!」



4人が受け止めてくれて凄く嬉しかった。
そのきっかけを作ってくれたローも
そっけない言葉だけど、温かみがあって
頼りになるお兄ちゃんが沢山出来た気分だった。

ヴォルフはギブ&テイクだって言って怒ると思うけど
私にとって皆んなはもう家族だった。
このまま大人になっても皆んなといたい。
この時に私はそう思った。



「よし、じゃあ明日から頑張ろうぜ!」

「その為にはしっかり寝ないとな!」

「グガー」

Σ「「早えな!!」」

「あんまり騒ぐとじいさんに怒鳴られるぞ」

「もう聞こえておるわバカモノ!!
寝坊したら承知せんからな!!」

「やっべ!お、おやすみ!」

「おやすみー!」



ベポはあっという間に先にぐっすり眠って
ヴォルフの怒鳴り声でシャチやペンギンも布団に潜った。
私はローのベットに腰掛けたまま、動かなかった。



「おい、さっさと上に行けよ」

「今日ここで寝ていい…?」

「は?」

「いいなーローさん」

「ベポにしか許されないと思ってたのに…」

「あ、甘えんなよ!さっさと寝ろ!」

「ここで寝るのー」



私はゴロンとローのベッドに寝転がった。



「……枕全部使うな」



ローはそう言って寝っ転がると
私と枕を半分こにして眠ることにした。
初めは背中を向けて眠ってたけど
朝起きた時は向き合っていて
私に腕を乗せて包み込んでくれていて、
とても温かい朝を迎える事が出来た。











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