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昨日の夜 どこか眠れなくて目を閉じたまま
眠るのを待っているとベッドが揺れた。
またローが悪い夢を見て起きたんだと思った。

数日前にある記事を読んでからローは変わった。
寝付きが悪い日が増えて顔色も悪くなって
私たちと話している時も上の空の時があった。
その記事というのは北の海より遥か遠くの海にある
平和の象徴と呼ばれる国 ドレスローザの記事だった。

今朝はベポが淹れてくれたお茶のおかげで
よく眠れたみたいで顔色が良かった。
昨日の話を聞いた事と何処か行きたいのかと聞くと
答えは返ってこなくても無愛想な表情でも
何を考えているか分かるようになった。

ローはたぶん海に出たいと思っている。

昔 私が王女だった事を打ち明けた日
ローは海軍だった恩人の話をしてくれた時
自分は海賊にいた事を打ち明けてくれていた。
たぶん、ヴォルフにもベポ達にも言っていない。
一緒に聞いたのはフレバンスと能力についてだ。
本人も覚えているかも分からないくらい
サラッと一言だけ言ってたのを覚えてる。

だからたぶん、これは勘でしかないけど、
ローがいたのはこのドレスローザを救った海賊
ドンキホーテ・ドフラミンゴだと思った。
それなら海軍だった恩人との関係で動揺したのも分かる。

でも、これは勘でしかないから追求しない。
またローの気持ちが落ち着いて話してくれる事を待ってる。



「アメリ、また新聞を読んでたのか?」

「おかえりヴォルフ。ローが気になっちゃって…」

「ふん。また何か抱えてるようじゃが、
必要な時には言ってくるじゃろ。」

「うん。私もそう思う。」



ヴォルフも気にはなってるみたいだけど、
いつも通り深く追求することはなかった。
だからか私たちは息苦しくなく、伸び伸びと暮らせた。
ローとベポが海に出たら、きっと
シャチとペンギンもついて行くと思う。
私は…どうかな ヴォルフを1人にしたくないな…



ジリリリリ…!!Σ「なんじゃあ!?」



新聞を片付けると電伝虫が鳴った。
滅多にならないからヴォルフがびっくりしてた。
私も慌てて受話器を取る。
また誰か怪我をしたのかも…!



「はい、もしもし…ペンギン?
え、どういう…町の人が!?
分かった…ヴォルフに伝えてすぐ行くよ…!」

「アメリ、何があった?」

「ペンギンから電話があって、
広場で海賊が暴れてるらしい…30人位だって…」

Σ「何!?直ぐに向かうぞ!」

「う、うん…!」



ヴォルフは直ぐにバギーを運転して町に向かった。












町について直ぐ広場に向かった。
ヴォルフもいい歳なのに走って向かってて
内心大丈夫かなとドキドキしたけど、
ローがいるからそこは安心だ。
ただ、別の意味で心配事が起きてしまった。



Σ「あ!ヴォルフ、ラッドが襲われてる…!
ロー達はどこだろ…」

「アメリはそこにおれ!!」

Σ「え!?ヴォルフ!?」

「そこまでじゃあっ!!」

Σ「ええ!?」



ヴォルフは人混みを掻き分けて広場の中心に出た。
あんな目立つように割り込んでビックリしていると、
ローの帽子が見えたので直ぐに合流した。



「ガラクタ屋のやつ……なに考えてんだ」

「ロー…!」

Σ「アメリ、ガラクタ屋と来たのか!?」

「もちろんだよ でもヴォルフがいきなり置いて行って
あんな堂々と……」



怖そうな海賊達の前に出てしまって
万が一襲われたりしたらどうしようと思ってると
中心っぽい海賊がアホみたいな顔をしていた。



「てめえ……まさか、親父か!?」

「久しぶりじゃのう、バッカ」



バッカという海賊はヴォルフの事を親父と呼んでいた。
状況に追いつけず私たちは口をポカンと開けてると、
そんな事をお構いなしに2人は話を続けた。



「ゲッパッパ!何年ぶりだ……?
十年……いや、二十年あまりか。
まだ生きているとは、夢にも思わなかったぜ」

「ふんっ。それはこっちの台詞じゃ。
どこぞの海で、とうの昔にくたばっとると思っていたわい」

「久しぶりに会った息子に対して、
かける言葉がそれか!ひでェ父親だぜ!!」

「……二十年前にも伝えたはずじゃ。
お前とは親子の縁を切るとな」



そう言った時のヴォルフの目は、
ゾッとするほど冷たいものだった。



「……てめえは、相変わらずだなあ。
いつでもそうだ。俺のやることなすこと、
全部にてめえはケチをつけていた」

「保護者として、歪んでいく息子を
真っ当な道に戻そうとするのは、当然のことじゃ」

「歪んだ?俺が?ゲッパッパ!
俺は自分が歪んでいるなんて、一度も思ったことはねェよ。
ただ俺は、自分の欲望に正直に生きてきただけさ。
その意味じゃあ、
むしろ真っ直ぐに育ちすぎたくらいだぜ!」

「お前とここで問答するつもりはない。
ただワシは、町や村を襲撃し、食糧と金を奪い取り、
そうして最後には皆殺しにするようなやり方に、
我慢がならんだけじゃ」

「はんっ!偉そうな口をきいてくれるなあ、親父。
俺の海賊団の一味だった時!
あんたは俺を止められなかったじゃねェか!」

「……その通りじゃ。無能な親じゃよ、ワシは。
説得もしたし殴り合いもしたが、
結局愚かな息子の考えを正すことはできなかった」 



2人のやり取りを聞いて私たちは
開いた口が塞がらなかった。

ヴォルフはあのバッカとかいう海賊のお父さんで、
でも息子の海賊の仲間だったという事だよね…?
状況が追い付かないのは私だけじゃなく、
頭の良いローも同じような表情をしていた。










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