親と子









「お前また無茶を…!」

「だ、だってローが挑発してたから
それも作戦かと思ったんだもん!」



バギーに乗ってる最中 私はローに凄く睨まれた。



「アメリ よくあの光線避けたな…!」

「能力でジャンプ力をあげたの。
私は避けれたから良かったけど
まさか町の人があんな事になるなんて…」



私がそう言うとバギーの中は静かになった。



「とにかく家に着いたら整理して作戦を立てよう。」



ローがそう言うと私たちは家に着いて直ぐ
ロー達はシャワーを浴びて心を落ち着かせている間
私はヴォルフが殴られた部分に氷嚢を当てた。
幸い血は出てなくて大きなタンコブ程度だ。
ヴォルフが町で暮らさなかったのは
研究所の事以外にも理由があったんだ。



「ん…バッカは…」

「ヴォルフ、良かった 目覚めて…
ロー達が戻ってきたら状況説明するよ」

「何じゃ奴らこんな時にシャワー浴びとるんか」

「頭を中を整理してるの!
ヴォルフにも聞きたい事色々あるんだから…!」

「ふむ…そうじゃな…」

「起きたか ガラクタ屋」



ロー達はシャワーを浴び終えて
私は紅茶を淹れて食卓に皆んな座った。

そしてヴォルフが気を失っている間に起きた事を
ローは丁寧に伝えると静かになった。
でも、先に口を開いたのはヴォルフだった。



「迷惑かけたな、お前たち」



ヴォルフの顔つきはどこか険しく、
状況を整理しなければいけないと理解しているものの、
何から話せばいいのか分からないといった様子だった。



「ガラクタ屋、あの連中はなんなんだ?
あんたと、あのバッカってやつはどういう関係なんだ?」

「うむ……そうじゃな。それを、話さねばならんな。
バッカは、ワシの実の息子じゃ」



うつむいていた顔を上げて、
ヴォルフははっきりと口にした。



「あれは幼い頃から気性の荒いやつでな。
町でも盗みや喧嘩を繰り返して、
何度も駐在の世話になっていた。
そんなあいつが海賊になると言い出したのは
二十五年ほど前のことじゃ。
初め、ワシはそれに反対していた。
けれど、海に出たらこいつが変わるんじゃないかと
希望を持ってしまったんじゃ。
大きな世界へ出て多くの経験を積めば、
立派な人間になってくれると、そう思ってな。
……それが間違いだと気づくのに、
そう時間はかからなかった。
ワシはやつの海賊団の一員として海に出た。
バッカを監視する人間が必要だったし、
ワシ自身も、海の向こうにある珍しい発明品を
この目で見たいという夢があったからじゃ」



そこまで話して、ヴォルフは一口、紅茶を飲んだ。

自分の中に溜まっていた黒い過去を
人に話すことがどれほど辛いか、
皆んなそのことをよく知っているから、
だから急かしたりはせず、
黙ってヴォルフが話を再開するのを待った。



「だが、バッカは穏やかになるどころか、
厳しい海賊の世界の中でどんどん歪んでいった。
人を傷つけ、物を略奪することを当然と思う
人間になっていったんじゃ。そして、
デロデロの実≠食べたことで、やつの残虐性は
取り返しのつかないものとなった」

「Wデロデロの実W……
やっぱりあいつ、悪魔の実の能力者か」

「そうじゃ。その実を食べたことで、
バッカと海賊団は勢力を増し、政府からかけられる
懸賞金の額も上がっていった。W偉大なる航路Wに
挑もうと思えるほどの力も手に入れた…
…そして、バッカ自身の歪みもまた、
どんどん大きなものになっていった。
やつは前にも航海の途中で、スワロー島へ寄り、
町を襲い金品を奪ったことがある。
ワシはその時に一味を抜けた。それ以降、
こうしてひとり、発明品を作り続けているというわけじゃ」

「島の外れで暮らしてるのは、
あんたなりの罪滅ぼしなんだな」



ローの問いかけにヴォルフは答えなかった。
けれどその沈黙は、
そのままの言葉が正解であることを意味していた。



「初めておれたちがプレジャータウンに行った時、
あんたは言ってたよな。十
七年前にこの町は滅びかけたことがあるって。
それが、バッカに襲われた時のことなんだろう?」

「……ああ。だが、結局ワシは何もできなかった。
バッカを止めようとひとり戦ったが、結局ワシは負けた。
少なくない数の死人も出た。それからワシは
必死に動き回って、町をどうにか復興させたが、
死んだ人間が戻ってくるわけでもない。
……町の連中に感謝される資格も、あいつらと
一緒に暮らす権利も、ワシにはないんじゃよ」



ふうっと、ヴォルフは大きく息を吐き出した。 
出会ってから今まで見てきた中で、
一番弱々しい姿をしているように映った。

ヴォルフは決して悪くない。悪いのは全部バッカだ。
そう言ってあげるのが正解なのか分からず
私含めてベポ達も黙ってしまっていると、



「ガラクタ屋」

「……なんじゃ」

「おれは戦うぞ」



ローは強い戦う意思を見せた。














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