Tell Me










「すっぺえぇええ!!」



今日の朝もローが一番乗りで次に私が起きた。
いつものように2人でヴォルフの好きな
おにぎりを握ったんだけど
梅干しのおにぎりを食べたローが叫んでビックリした。



「この酸っぱさの良さが分からんとは
まだまだガキじゃのう。」

「私は食べれるよ!梅干し!」

「ガキじゃねえしこんなの食い物じゃねえ!
食える奴がおかしいんだ!!」

「梅干しに向かってなんて口の利き方じゃ!」

「ロー 私のおかかと交換しよう!」



まさかおにぎりでこんな朝から荒れるとは思わなかった。
ローもヴォルフも熱くなっちゃって口論が始まって
私は慌ててローのおにぎりの中身を確認して
おかかのおにぎりと交換した。

でも2人の口論はこれが初めてではなくて
ここ最近よく喧嘩しては笑ってたりと
この家がずいぶん賑やかになったと思う。
でもご飯の時くらいは大人しくしてほしい……



「ったくガラクタ屋の好物っていうから
握ってやったのにこんな不味いもんとは…」

「お前のは握りが甘い。
もっとギュッと握らんと!」

「もー梅干しは握らねえ!」

「なんじゃとー!」

「2人ともいい加減にしてよー!」



痺れを切らして私も思わず叫んだ。
するとパッタリ2人は言い合いをやめて
黙々と梅干しとおかかおにぎりを食べ進めた。



「そうじゃ 今日は町に出掛けるから
畑仕事と家事を2人で分けてやってくれ。」

「分かった!気を付けてね!」

「何年通ったと思うとる」










ーーーーーー…*°




畑仕事にも慣れたローは直ぐに仕事を終えて
剣術の鍛錬をしていた。
私は剣の事なんて全く分からないけど
自分と同じ背丈の子が刃物を振り回してるのが不思議で
海賊になるとそれが当たり前なのかって思った。

私も洗濯と掃除を済ませて本を読んでいると
剣術はもう終わったのかローが帰ってきた。
そしてタオルで汗を拭いて本棚がある自分の部屋に行く。
ローは元々お医者さんの子どもだから
今でも医学者をよく読んでいた。

私は北の海で伝わる物語の本だったり、
料理の本を読んだりバラバラだった。
本を読むならと思って紅茶を入れて
部屋に入ると机に向かって読んでいた。



「ロー 紅茶淹れたよ」

「ああ」

「ローは凄いね こんな難しい本読むなんて」

「親が医者だったから読み慣れてる」

「そっか。」

「なぁ、お前の親 どんな奴だったんだ?」

「え…」



ローは目線を本から私にずらして
ジッと見上げられて置こうとした紅茶が
手の震えで少しカチャッと音がして
なんとかこぼす事なく机に置いた。

話の流れで興味本位で聞いたんだと思う。けど、
親のことを聞かれて私の胸はバクバクと強く鳴った。



「……お前がここに来たのって親が原因か?」

「………うん…」

「そっか……まだ、話しちゃくれねぇのか?」

「それは…」

「お前が何か隠してると
俺はずっとお前のこと知らないんだ。
助けてあげられるかもなんて
そんな事思っちゃいないけど、
そろそろ話してくれてもいいんじゃないか?」

「……うん…」



これ以上は誤魔化せないと思った。

ローの視線が疑いとか怖いものではなくて
優しい目をしているから余計に辛かった。
私は自分の紅茶が冷めるとかどうでも良くなって
自分がどうして此処に来たのか説明する事にした。










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