憎しみ











ローは椅子に座っていて、私はローのベッドに腰掛けた。
どこから話せばいいか分からなくて
少し静かになっていてもローは私を見ていた。
ゆっくり話すのを待ってくれていた。
私は信じてみる事にした。
ダメだとしてもそれは私が受けるべきものだ。



「私が生まれた国はラヴィーニ王国…
一年中雪が降り続いてずっと暗い国だった。
城も町も山に囲まれていて、
野生の動物が豊かで狩りに出掛ける大人達が
カッコよく見えて私も教えてもらってた。
皆んな優しくて、子供たちも一緒に遊んでくれて、
毎日町に出掛けるのが楽しかった。
でも、今思えば私のワガママを
皆んな無理して聞いてくれてたのかもしれない…」

「?」




      言うんだ私…言え!言うんだ…!!





「私…王族なの…王女だったの、その国の…」

Σ「は!?な…何言って…」

「城の中での生活がつまらなくて…!
町に降りて仲良くしていたら、
お父様とお母様が怒って…!
私に親切にしてくれていた人達を殺した!
家まで燃やして…皆んな叫んでた……!」

「お前!!」

「ごめんなさい!ごめんなさい!!
だからローには直ぐに言えなかったの!!」

「ッ…ーー!!」



私はローに胸元を掴まれて
今にも殴られそうで怖かった。



「お母様ももう私なんか娘じゃないって言って!
お父様は国中に私は死んだって言って!
私はずっと地下の暗い部屋に閉じ込められてた…!
毎日殴られて辛くて逃げ出したんだ!
荷物にまぎれて国を出て行ったの…!!」

「お前のせいで町の皆んなは死んだんだろ!!
お前が退屈だっていうだけで…!!」

「ごめんなさい!ごめんなさい…!!」

「俺の国だってお前らが……!」



ローは自分の国のことを思い出して
涙がボタボタと溢れていた。
フレバンスの事も噂で聞いてた。
王族は国民を捨てて逃げ出したんだ。
だから私たちの事を恨んでるって分かってた。
私がローに謝らなきゃいけないと思った。

私にはもう謝ることしか出来ないから…!



「ごめんなさい…!ごめんなさい…!!」

「何事じゃ!!」

Σ「!」



私が泣きながらローに謝っていると
ヴォルフが帰ってきて部屋の扉を激しく開けた。



「ロー!アメリに何をしている!」

「チッ…!」

「こらロー!待たんか!!」

「わあぁああああ!ごめんなさいぃいい!!」



ローはヴォルフを押し退けて部屋から出て行った。
そして私はただ泣いて謝るしか出来なかった。












「アメリ…ローに言ったのか?」

「ぅ…うん…だってローが知りたいって、
私の事心配してくれてそれが辛くて…」

「よく頑張ったな」

「うぅ…」



ヴォルフはしわくちゃで分厚くて温かい手の平を
私の頭に置いて優しく撫でてくれた。



「ったく、ローはもう日が暮れるというのに
勝手に出て行きおって…アメリ探しに行くぞ。」

「え、わ、私も行ったらローが怒るよ…!」

「お前と和解しなければ帰って来ないじゃろ。
気持ちをちゃんと伝えれば、きっと分かってくれる。」

「でも…ローは王族が嫌いだから…」

「アメリは今でも王族か?」

「!、違う!」

「王族に戻れるとしたら戻るのか?」

「嫌!戻りたくない!
あんな人達になりたくない!」

「なら何故それを言わない?
ほら、風邪引かれても困るから探しに行くぞ」

「う、うん…!」



ヴォルフはやっぱり凄くて優しい人だった。
私の事をすぐ引っ張り出してくれる。
優しく差し伸べられたボロボロの手を握って、
私はローを探しに向かった。














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