枝分かれ










「瀬里奈、ドラケンと喧嘩した。」



深夜目が覚めた時に一緒に寝た筈のマイキーがいなくて
朝 帰ってきた気配がして目を覚ますと
ベッドで寝ていた瀬里奈に合わせてマイキーはしゃがみ
熱くも冷たくも無い温度感で言われて
寝起きの瀬里奈は頭が少し追いついてなかった。



「……なんで?」



瀬里奈は横向きに寝転がりながら問い掛けると
マイキーはそのまま話を続けた。



「…稀咲って奴に金を出せばパーは出所させられる
パーを出す代わりに参番隊隊長に任命してくれって
言われて、俺はパーを助けてやりたかった…
でも今朝ケンチンに言ったら反対された。」

「………そっか。
でも、マイキーはパーを助けたいんだよね?」

「うん。瀬里奈は?どっちが良いと思う?」

「…その稀咲って人 誰?」

「愛美愛主の幹部。
長内のやり方が気に入らなくて
東卍に入る交渉を出してきた。」

「……アタシはそいつの事知らないから
よく分からないけど、マイキーがそうしたいなら
そうすべきじゃないかな?」



瀬里奈はそう言ってマイキーの頬に手を添えた。



「夜中から出て行ってたでしょ?眠くない?」

「寝れるわけねえだろ。」

「マイキーは仲間思いで優しいね。
なんでドラケンは分かってくれないのかな。」

「自首はパーが望んだ事だから
それを無かったことにしたら
パーの気持ちはどうすんだって……
なぁ、
瀬里奈もパーのプライドだとか
俺に助けを求めねえとか言ってたよな?
ほんとはお前もケンチンの味方じゃねえの?」



マイキーはそう言って瀬里奈の腕を掴んでベッドに上がり、
仰向けの身体に跨って今にも殺しにかかってきそうな
冷たい目で見下ろしていて、
それでも瀬里奈は動じる事なく見上げた。



「瀬里奈も、金で解決すんなとか綺麗ごとぬかすの?」

「…昨日はパーの気持ちを考えて言ったよ。
でもマイキーがパーの事助けたいんなら
アタシはそっちの味方をして
ドラケンがなんて言おうとマイキーが助けたければ
助ければ良いと思ってる。」

「……」

「東卍はマイキーが総長だよ?」

「……そしたらドラケンと対立しなきゃいけなくなる。」

「そうだね…ツラい?」

「うん。でも愛美愛主とやりあう前
タケミっちが抗争を止めるべきだって言った時
ケンチンは俺じゃなくタケミっちの肩持った。
俺が総長なのにおかしいよな?」

「うん。」

「………少し…考える。」

「…ドラケンだもんね」



マイキーがスッと体を起こして座り込み
その隣に瀬里奈は座って寄り掛かった。



「色んな話を聞いてマイキーが決めるべきだよ」















ーーーーーー…*°




「瀬里奈。タケミっち退院したからお見舞い行こ。」

「うん。」



瀬里奈はマイキーと一緒に
タケミっちの見舞いに行くことになり
二人仲良く歩いて向かっていると
着いたらタケミっちの家から出てきた
ドラケンに会ってしまった。



「あん?てめーなんでここいんだよ。」

「あ?てめーこそなんでここにいんだ?(怒)」

「マイキー君!?(汗)」

「俺はタケミっちのお見舞いだよ。」

「俺もそうだよ。」

「は?タケミっちは俺のダチだし。
オマエ関係ねえじゃん。なあ?タケミっち。」

「へ?えーっと…(汗)」

「あ?何言ってんの?俺のダチだよなあ!?タケミっち」

「あぅ…えっと…(汗)」

「タケミっちヒロインなの?」



二人のやり取りを聞いてて三角関係が浮かんだが
そっちの趣味は無いので瀬里奈は端に避難する。



「どけよ"デクノボー"通れねえよ。」

「あ?お前がどけよチビ(怒)」

「ちょ…ちょっと!
ちょっと待って下さいよ二人とも!(汗)」

「「あ!?(怒)」」

「何があったか知らないっスけど
喧嘩は駄目っスよ!二人とも落ち着いて下さいよ!!?(汗)」

「オイ!お前何様!!?(怒)」



ドラケンがタケミっちの胸ぐらを掴み
凄んでいるとマイキーが少し歩き出す。
タケミっちは分かってくれたのかとホッとするが
愛車(自転車)を担がれて思いっきり
ドラケン投げつけられると、さらりと交わされ
愛車の疾風号は塀ぶつかって砕け散った。

その後も散々とタケミっちの思い出が
二人によって砕け散って
投げるものが無くなって落ち着いた二人に
タケミっちは意気消沈としていた。



「此処で決着つけるか……?」

「上等だ…」

「待てよ…テメぇらいい加減にしろや…(怒)」

「「あん?」」

「俺の大切な思い出をメチャクチャにしやがって!!(怒)」

「あ…(汗)」

「…いつの間に(汗)」

「ふざけんじゃねぇーーーー!!(怒)」



タケミっちは怒り狂って
マイキー相手に殴りかかったが
あっさりと避けられて
ゴミ捨て場に派手に突っ込んだ。



「大丈夫か?タケミっち(汗)」

「うっせぇーーー!!
俺の思い出なんてどうでもいいんだろ!!?(怒)」

「まぁまぁ落ち着け(汗)」

「落ち着け!!?ふざけんな!!
暴れてたのはテメぇらだろ!!(怒)」

「タケミチ!ダメだよタケミチ!死ぬ気か!?(汗)」



タケミっちの部屋に来た大溝中の四人も降りてきて
あっくんがタケミっちを抑え込むが興奮が収まらない。



「うっせぇーーー!!離せ!!
周りの事なんてどうでもいいんだろ!!(怒)」

「悪ぃーって!別にお前の事
傷付けるつもりはなかったんだ(汗)」

「どうでもいいから、喧嘩なんかしてんだろ…(泣)」

「「……」」

「タケミチ…」

「アンタら二人がモメたら
周りにどんだけ迷惑かけるか分かってねえだろ!!?
二人を慕ってついてきた皆んなだってモメちゃうんだよ!?
二人だけの問題じゃねえじゃん!
東卍皆んなバラバラになっちゃうんだよ!!?
そんなの悲しいじゃん!!
俺やだよ…そんなの見たくねえよ…
自分勝手すぎるよ。二人はもっとかっこよくいてよ…」



タケミっちは膝を突いて泣いていた。
そしてしんみりとした空気を切るように
マイキーが言葉を発した。



「……タケミっち」

「いいよ もう帰ってくれよ!」

「あのさ…さっきからずーっと
アタマにウンコついてるよ。」

「へ?えーーー!!なんじゃこりゃ!!(汗)」

「きったねー!タケミっち!ハハハハ!!
さっきゴミにつっこんだ時だ!(笑)」

「なんでもっと早く言ってくんないんスか!!///(汗)」

「だってすげー真剣なんだモン!(笑)」

「真剣って!そりゃ二人が!!(汗)」

「逃げろケンチン!!ウンコがくんぞ!(笑)」

「臭っせっ!(笑)」



タケミっちの事故のおかげで
マイキーとドラケンは自然と仲直りをしていた。












「笑ったなあ」

「久しぶりに超笑った!」

「髪洗いましたから(怒)」



タケミっちから逃げた皆んなは公園まで来ていた。



「俺が悪かったよマイキー」

「ううん。俺の方こそゴメン。」

「でも、二人はなんで喧嘩なんか?」

「「……忘れた。」」

「……」

「でも、正しいのはケンチンだ。
パーは自首したもんな。
……パーが出てきたら、いっぱいお祝いしような」



マイキーはそう言って笑顔を向けた。
そんな表情を見ても瀬里奈はいつも通り
柔らかい表情しかしていなくて
マイキーとドラケンがあっくん達の方に行き
サッカーに混じって行く所を眺めてた。



「……タケミっち、君は凄いね。」

「!、い、いや…ついキレちゃって…//(汗)」

「あの二人にあんな怒鳴り散らして無事なの君だけだよ。」

「でも……仲直り出来て良かったです」

「体張ったかいがあったね。」

Σ「だからそれは事故…!!///(汗)」

「タケミチ君」

「ヒナ!?」

「ウチもいるよー」



ヒナとエマが公園にやってきていた。



「どーしたの?」

「ホラ早く言っちゃいな。」

「8月3日って空いてる?」

「え?」

「タケミっちとお祭り行きたいんだって!」

「うん!行く!」

「ホラ絶対オッケーだって言ったじゃん。
彼氏だろ。、あれ!?(汗)」

「ようエマ」

Σ「え!?仲直りしたの!?」

「エマうるさい」

「心配したんだからね!」



マイキーとドラケンは仲直りをした。

結果東卍の内部抗争は起こる事なく終息する。
そうタケミっちはホッとして

一生忘れない8月3日がやって来る。