彼女は笑う
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ジリジリと陽射しが降り注ぐ夏の日。
太陽に当てられてキラキラ光るホワイトシルバーの髪に
熱くていつもよりネクタイを緩めて
半袖シャツをさらに折って二の腕を出し
制服姿なのをお構い無しに煙草を吸う少女。
2年後の今、瀬里奈は高校生になり、
河川敷でボーッとしていると
ガサガサと草むらを歩く足音が近付いてきて
ふと振り返るとマイキーとドラケンが居た。
「瀬里奈」
半袖シャツの上に学ランを肩掛けしたマイキーと
半袖シャツの上に派手な半袖シャツを重ね着したドラケン
瀬里奈は暑そうだなと思ったけどそれは口に出さず
別件で気になる事があったのでそれを聞いてみた。
「どうだった?喧嘩賭博。」
「やってたから一掃した。パーんとこの特攻だった。」
「そっか。東卍の名前汚すような事して悪い子だね」
「うん 瀬里奈が見つけてくれたおかげ。ありがとな。」
「良いよ。桜中の後輩が喋ってたの聞こえただけだから。」
瀬里奈がそう言ってふんわり笑うと
同じような表情でマイキーは瀬里奈の隣に座った。
「お陰で面白い奴見つけてダチになった。」
「へー」
「タケミっちって言うんだ。」
「タケミっち。」
「兄貴に似てんだ。」
「そんな奴いるの?(笑)」
「兄貴よりダセーけど似てるよ。
明日遊びに行くから瀬里奈も行こーぜ。」
「良いよ。」
「じゃあ、飯食ったら集合な。」
「オッケー」
飯食ったらというのはお昼休みの事だろう。
マイキーは給食を食べに学校に行ってるようなもので
それが終われば後は自由にしているからだ。
勿論授業なんてまともに受けず寝るだけ。
「瀬里奈はまた学校サボりか?留年すっぞ。」
「名前漢字で書けば受かる高校だよ?
こんなん余裕。記憶力良いしアタシ。」
「テスト最高何点だよ?」
「英語40点」
「マジで?やるー」
「洋楽聞くからね」
そう言ってマイキー達と話しながら
瀬里奈は煙草の吸い殻をケースに入れて
立ち上がりマイキー達と一緒に河川敷から離れていく。
そして単車が止められていると
瀬里奈は当たり前のようにマイキーのバブに跨る。
「んじゃ、ケンチン明日迎えに来てねー」
「飯食った後でもちゃんと起きてろよ」
「分かったー」
マイキーは瀬里奈の前に座って
ドラケンに笑顔で手を振ってバイクを走らせた。
瀬里奈の長い髪が風に乗って流れていく。
ジリジリとした暑さから風が心地良く感じる。
「やっぱ夏のバイクはいいねー」
「な。」
「冬はめっちゃ寒いから夏の方が好きだなー」
「俺も夏の方が好き。祭りあるし。」
「自分の生まれた季節じゃん。」
「それもあるかもな。」
瀬里奈は落ちないようにマイキーの腰に手を回して
バイクは加速して走り、直ぐに目的地
というよりマイキーの家に着いた。
瀬里奈が降りてからマイキーも降りて、
安全の為に首にかけてたヘルメットは
座っていたとこに置く。
「今日泊まんの?」
「うん。」
「じゃあエマに言っとく」
「エマのご飯美味しいよね。
この間手伝った時めっちゃ怒られたけど。」
「それは瀬里奈が手ぇ切ったからだろ。」
「だって人参があんな滑るって知らないもん」
瀬里奈は少し前にエマと夕飯の手伝いをした時
人参を短冊切りにしようとしたら
思いっきり滑らして伸ばしていた指にサクッと入り
割と深めでしっかり血が出たので包丁禁止令が出た。
そんな話をしながら母家とは別にある
プレハブで建てられた部屋に入り
マイキーは学ランを適当に投げ捨てると
蒸し暑くて仕方ないのかすぐエアコンをつけた。
瀬里奈がソファに座るとマイキーも隣に座って
胡座をかいてくつろぐと
暑いくせに瀬里奈はマイキーの方に倒れて
さらりと指通りの良い長い髪が腕に当たってこそばゆい。
「瀬里奈 暑い」
「うん アタシも。嫌なら離れる。」
瀬里奈はそう言ってマイキーの方を向き見上げると
マイキーはそのまま瀬里奈にキスをして押し倒した。
ソファに倒された瀬里奈はマイキーに両手を拘束され
噛み付くようにマイキーは瀬里奈にキスをする。
味わうように口内を舌で掻き回すと
離れたときに繋がった糸が生々しくて
熱くて少し高揚した瀬里奈をマイキーは
無表情で見下ろしていて
その見た目あったら吸い込まれそうな
黒い瞳に瀬里奈は少し胸がヒュッと
締め付けられるような恐怖のようなものを感じて
その命を握られてるような感覚が心地良い。
「……煙草の味がする」
「さっきまで吸ってたもん。
飴で口直しする?」
「いい…これも瀬里奈の味だから」
マイキーはそう言ってもう一度キスをして
瀬里奈のネクタイを慣れたように外して
さらにYシャツのボタンを外していき
その間瀬里奈はマイキーの首筋に指を撫でて
彼を挑発するように悪戯をする。
マイキーは宝物を扱うように瀬里奈に優しく
時には求めるように強く握り締めて
大切に大切に身体に触れていく。
初めてした1年前。
瀬里奈が今までした事を正直に伝えて
マイキーはあの時の真一郎のように抱き締めて
瀬里奈が嫌がる事は絶対にしなかった。
でも瀬里奈にとってマイキーは自分の所有者だから
雑に扱われたっていいと思ってる。
もっとモノのように扱ったって自分は怒らないのに
優しくしてくれるマイキーが好きで好きでたまらなかった。
黒い瞳を見るたびに真一郎と重なった途端
微かにピンクが混じった金髪が写ると
自分はマイキーに抱かれていると思い出す。
もっともっと自分を染め上げて欲しい。
思い出して愛しく苦しくならないように。
ーーーーーー…*°
マイキーに抱かれた後、汗をかいたからシャワーを浴びた。
マイキーの部屋にはすっかり自分の生活用品があって
部屋着や下着も専用のカラーボックスに入れてあるから
黒いクロップドトップスにグレーのスエットに着替え
ソファに座って胡座をかき、ドライヤーで乾かしていると
浴び終わったマイキーも髪がびしょ濡れの状態で戻ってきて
瀬里奈の前に床に胡座をかいて座った。
そしてそのままマイキーにドライヤーをかけた。
マイキーの髪はブリーチを繰り返しているから
乾かすとフワフワした柔らかい猫のような触り心地で
瀬里奈はこの乾かす時間が好きだった。
自分の髪も柔らかい猫毛だけど
しつこいくらいの直毛で何もしなくてもサラサラだった。
エマみたいにフワフワしたロングも可愛いけど
自分はストレートの方が性に合っていた。
「マイキー 瀬里奈ー ご飯出来たよー」
「んー」
「ありがとーエマー」
リビングには四人分の夕食が並べられてて
佐野家にいる自分が馴染んできた。
空手の時だけ五月蝿いマイキーの祖父は
瀬里奈の事も直ぐに受け入れて
当たり前のように夕食を取る。
小食な瀬里奈は3枚の生姜焼きを
1枚マイキーにあげてご飯も少なく盛られてる。
他の3人よりも明らかに量は少なかった。
だからかエマよりも胸は小さいし
細くて身長だけ僅かにあるけど小柄だ。
すぐ折れてしまいそうな身体だった。
「瀬里奈、もっと食べたら?
またどんどん細くなるよ?」
「お腹いっぱーい」
「嘘!アタシの半分しか食べてない!」
「……瀬里奈、食欲ないの?」
モグモグとご飯を頬張りながら聞くマイキーに
瀬里奈は口角をあげて優しい表情をしながら
マイキーの口の横についた米粒をとって食べた。
「人より胃が小さいの。
エマのせっかく美味しいご飯
美味しいままでご馳走様したいし。」
「もー。どんどん小さくなってそのうち無くなるよ!?」
「そしたら食べなくて済むじゃん」
「それじゃダメ!」
マイキーだけじゃなく瀬里奈も
エマにとって世話のかかるお姉ちゃん的存在だった。
プンスカ怒るエマが可愛くて
瀬里奈はイタズラにエマが怒るような冗談を言って
目を細くして絵に描いたように笑ってた。
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