忍び寄る愛









俺はあの人を見つけるまで死ねない。







その思いで 戦ってきた。








それは今も変わらない。








それでも








あいつの笑顔にあの人の影が浮かぶ。














ーーーーーー…*°





「リーバー班長 頼まれていた調べ物終わりました」

「ああ ありがとう!助かった!」

「他にお仕事あれば…」

「医療班の方は大丈夫なのか?」

「お薬の処方が17時なので 余裕ありますよ」

「マジ助かるわ 言語学やってもらえんのは」

「地味なお仕事ですものね」

「そうなんだよなー…(汗)」


トントンッ
「ユィ お疲れさま」

「!、リナリー お疲れさま。珈琲淹れに?」

「ええ 珈琲いる人ー!」

「「「「はーい!!!!」」」」

「ふふっ 凄い人気」

「珈琲がね」

「そんな事ないよ」



皆んな挙手をする元気な反応にユィはクスクスと笑った。リナリーは挙手していた ジョニーやタップ達に珈琲を淹れに行った。



「?、リーバー班長は飲まないんですか?」

「あー これは珈琲ダメなんだよ 炭酸の方が好みだ」

「意外ですね」

「だよな いい歳して…(汗)」

「可愛らしいと思います」

「ははっ ありがとう 仕事これいいか?」

「はい いつまでですか?」

「明日までに頼む あ!神田!」



リーバーはフロア前を通りかかった神田に声をかけた。ユィも神田という言葉を読み リーバーの目線の先を辿ると 神田がこちらを向いていて 思わず心臓がドキリと鳴った。



「室長が18時に来るようにだと!」



神田は立ち止まると一瞬ユィと目があった。だが すぐにスタスタと歩いて行く。



「じゃあ ユィも頼むな」

「……」

「ユィ?」トントンッ

「あ!すみません!(汗)」

「大丈夫か?やっぱ疲れてるんじゃ…(汗)」

「い、いえ!ただぼうっとしてただけで…(汗)」

「そうか?」

「はいっ」



ユィは書類をギュッと握り締めて 笑って行った。












トタトタとかけ走ると 神田が見えた。



「あ、神田さ……!」ガッ

「!」

「わあ!!(汗)」ドテッ バサバサバサ…!



ユィは神田を見つけて駆け寄ろうとすると 何もないところでつまづき バタリと倒れた。それに気付いた神田は呆れた様子で近付く。



「何やってんだ お前は…(汗)」

「えへへ…すみません(汗)」



ユィが恥ずかしそうに頭を掻くと 神田はしゃがみ込み 散らばった書類を拾い始めた。



「ユウー 何してるんさァー?」

「チッ…(汗)」

「?」



神田の背後からラビがやってきて 通路でしゃがむ神田が不思議に思い 声をかけた。そしてすぐにユィがいる事に気付く。



「ユィもいるさ また転んだのか?」

「ラビ うん 神田さん見つけて駆け寄ったら…」

「珍しいさね ユウが親切なんて」

「刻むぞウサギ(怒)」

「ユウ?神田さんのファーストネームですか?」

「そうさァ ユウとユィって名前似てんな(笑)」

「チッ…2文字中の1つじゃねえか(怒)」

「ユィもユウって呼べばいーじゃん 神田さんってヨソヨソしいじゃん」

「そんな 失礼だよ わたし年下だしエクソシストじゃないし」

「エクソシストは関係ねえだろ」

「お ユウ認めてくれるんさ?」

「てめェに呼ばれるよりはマシだ」スタスタ…



神田はそう言うとスタスタと歩いて行ってしまった。



「珍しい事もあるんだなー ユウが優しいなんて」

「? 神田さんはいつも優しいよ?」

「へ?俺とか他の奴らにはぶっきらぼうだぞ?」

「そうなの?」

「へ〜?」ニヤニヤ

「な、なに…?(汗)」

「ユウがね〜」ニヤニヤ

「ラビ 不気味だよ…」

「いいんさ いいんさ」ニヤニヤ

「(何だろう…(汗))」



ラビはニヤニヤしながらその場を去り ユィは疑問に持ちながらも 職場に戻って仕事をし始めた。















ーーーーーー…*°



「(調子悪りぃ…)」

「ユウー!」ぴよーん

「チッ……なんだよ ウザウサギ」



面白がったラビはからかいに神田の元に来た。



「任務続きであんま話してなかったし 話そうぜ!」

「ぜってーヤダ」

「そんな事言うなよー」

「つかつか 何でユウがユィとあんなに仲良いんさ?」

「別に」

「医療班や科学班とはあんま成り合わねじゃんっ」

「知るかよ」

「やっぱアレさ?ユィめっちゃ美人だから?」

「てめェじゃねえんだ。これ以上付き纏うと刻むぞ」

「だって もしユウがユィの事気になってんなら
ライバルじゃん?(嘘だけど(笑))」

「……は?」

「(お 引っかかったさー) 俺もユィの事
すげー可愛いから気になってるんさ」

「……勝手にしろ」スタスタ



神田はそう告げると 足早にラビから離れた。珍しく分かりやすい神田だと ラビは少し面白くなってしまった。それはさらなるステップへ。