宿儺









目的の仙台市杉沢第三高校に到着すると、
妙な気配がして雨寧に少し緊張が走ると
五条がソッと肩に手を置いてきた。



「大丈夫 恵なら無事だよ。」



五条がそう言うなら間違い無いだろう。
然し五条の言っていた最悪が来ていたとしたら
この呪術界は最悪の事態になるのだが
それにしては静かで違和感がある。



「取り敢えず行ってみようか。」

「はい。って、ちょ、自分で行けま」



急に五条に抱えられふわっと身体が浮き、
昇降口の屋根に上がると
目の前にはボロボロの伏黒恵と高校生らしい男の子。
高校生は何故か上半身裸で両手をあげていた。



「今 どういう状況?」

「なっ、五条先生!どうしてここに!(汗)」

「や。」

「来るのは安曇さんじゃ…!」

「ストーカーされた。」

「えー僕が犯罪者みたいに言わないでよ。」

「割とギリギリアウトです。」

「それってもうアウトだよね?
さすがに特級呪物となると上が五月蝿くてね。
観光がてらはせ参じたってわけ。
いやーボロボロだね 2年の皆んなに見せよーっと。」

「性格悪いのでやめてあげて下さい。」



頭から血を流している恵を
楽しそうに写メを撮る五条に
雨寧は恵を庇い、五条の携帯を手で覆い隠す。



「えー2年生絶対喜ぶのに。
で、見つかった?」

「……(汗)」

「恵?」

「あのー、ごめん。俺 それ食べちゃった(汗)」

「 マジ? 」

「 マジ 」



冷静に言葉を交わす二人に対して
雨寧は無表情だが内心ふざけているのかと
高校生に対して睨みを利かせていた。



「(安曇さんめっちゃキレてる…)」

「(雨寧めっちゃ怒ってるな)
んー?ははっほんとだ。混ざってるよ。」

「笑い事ですか。」

「身体に異常は?」

「特に…」

「宿儺と変われるかい?」

「スクナ?」

「君が食った呪いだよ。」

「あぁ、多分できるけど…」

「じゃあ10秒だ。10秒経ったら戻っておいで。」

「でも…」

「大丈夫。僕 最強だから。
雨寧これ持ってて。」

「なんスかそれ。」

「喜久福。」

「(この人土産買ってから来やがった!
俺が死にかけてる時に!(汗))」

「殴って良いからね恵。」

「土産じゃない。僕が帰りの新幹線で食べるんだー……」

Σ「後ろ!!」



五条は雨寧と恵の方を向いて主張すると
背後には入れ替わった両面宿儺が飛び上がった。
だが二人も目に止められない程
いつのまにか五条は両面宿儺の背後に立ち、
両面宿儺自身も驚いた様子で振り向く。



パキ…
「生徒の前なんでね。
カッコつけさせてもらうよ。」



五条は両面宿儺に顔を殴ると吹き飛び、
ただ効いてはいないらしくケロッと身体を起こす。



「(恐ろしく早い?違うな。)
全くいつの時代でもやっかいなものだな。呪術師は。」



両面宿儺が腕を振ると地面がえぐれるほど風が吹いた。



「だからどうという話ではないが。、!」



その場にいた三人ごと消し去ったと思えば、
五条一人で背後にいる雨寧と伏黒恵も守っていた。

そして驚いたように目を見開いたのはそれだけでは無い。
五条の後ろにいる雨寧に視界が止まった。
然しその一瞬の間に間もなく10秒が経つ。
五条がカウントダウンを取ると、
それ通りに全身の字が消えて呪力も落ち着いた。



「おっ、大丈夫だった?」

「驚いた。ほんとに制御出来てるよ。」

「でもちょっとうるせーんだよな。」

「それで済んでるのが奇跡だよ。」



五条はトンッと高校生の額に手を置くと
フッと気絶して倒れ、五条が受け止めた。



「彼…どうするんですか。」

「これで目覚めた時宿儺に身体を奪われて
いなかったら、彼には器の可能性がある。
さてここでクエスチョン。彼をどうするべきかな。」



五条は恵に問いかけた。



「……仮に器だとしても、
呪術規定にのっとれば虎杖は処刑対象です。
でも、死なせたくありません。」

「……私情?」

「私情です。なんとかしてください。」

「クックック 可愛い生徒の頼みだ。任せなさい。」



そう言って五条は両面宿儺の器の可能性がある
虎杖悠仁を連れて行った。
喜久福のずんだ生クリームを持って。




























トップページへ