Ability
▽
七尾が男子バスケ部に入部してから
バスケ部は本格的な練習がやっと始まった。
最大の問題は体力。
いくら技術を持っていようと
最後まで走りきれなければ意味が無い。
ハーフコートで何往復も走りこむ男子を横に
女子は隣で3対3の練習をしていた。
ガコンッ
「あ!(汗)」
「どんまーい」
シュートを外したりミスをしても責められる事はない。
顧問は一応いるがお飾りみたいなもので指導者では無い。
このゆるい空間に知夏は初め良いのかとも思ったが
気楽でこれはこれでかなり良いと思った。
「知夏!」ダダムッ!
PGから知夏へとボールが渡って
一瞬の一歩で自分のDFを抜きブロックが来ると
ひょいっと交わしてCにパスを回すが
完全フリーのシュートを外され
リバウンドも知夏が弾いてマイボールにする。
そしてPGに戻して陣形を整えてもう一度ボールを貰い
またあっさりとDFを抜いてパスを警戒したCの浅いブロックを
空中で交わしてシュートを打ち決めた。
男顔負けのプレーに女子から歓声が上がる。
「知夏ちゃんやっぱ上手いねっ」
「あざーす」
周りに囲まれて褒められる知夏は
ゆるく返事を返していると
ハーフコートのネット越しに
目をキラキラさせて自分を見る子どもが目に入った。
自分より背が低く七尾より高い男の子。
「バスケ凄い上手ですね!」
「いや誰?」
「車谷くん!足止めない!(汗)」
「この間の試合いなかったですよね!
僕一年の車谷空!何年生ですか!?」
「(クルマタニ…?)」
「空くん。彼女は君と同級生だよ。」
「どうも。」
「へー!凄いなあー!」
「藪内先輩知り合いですか?」
「うん。男子バスケ部が動き出したのはこの子がきっかけだよ。」
「……へえ。奈緒をたぶらかした奴か。」
「え?なんて?」
「あたしはね、自称奈緒の親友なの。
だから奈緒を困らせるような事をしたら許さないから。」
「(自称?(汗))」
「それは勿論!約束します!」
「だったら走れ!」
「ぐはっ!!」
車谷は噂の先輩 アフロの花園千秋に横殴りにされた。
「こんにちわ 僕花園千秋って言います。」
「お前もサボるな!(怒)」
花園千秋は弟の百春に怒鳴られシャトルランに戻される。
知夏は奈緒の事がやはり心配になったが
自分らが練習している隣でひたすら走る男子は
地味な練習が嫌いな自分にとって少し同情した。
ーーーーーー…*°
女子が早めに練習を切り上げると
男子は意気揚々とオールコートが使えると
仕切りのネットを外し始めた。
知夏は端っこでバッシュの紐を緩めてると
人影が重なり顔を上げると夏目がまた難しい顔をしていた。
「……な…なー」
「夏目じゃ。トビでええ。」
「とび?」
心配になった七尾と空
そして先輩達も気にすると
「俺と1on1せえ。」
「え、嫌だよ」
Σ「なんじゃと!」
「いや、いくらあたしが上手いって言われても
トビの方が見た感じで上手いと思うし
身長差のデメリットでかいし練習になんないよ。」
「少なくともこいつらよりはなる。」
「あーそれは…」
「「「おい!!(怒)」」」
否定しない知夏に思わず心当たりのある初心者
安原と茶木と鍋島はツッコんだ。
「つべこべ言わんと紐結び直せ。」
「えー…あたしとは気が合わないんじゃなかったの?」
「気ぃは合わん。練習に付き合え。」
「我儘だなぁ」
「僕もプレーみたいです!」
「やだ。」
Σ「!(汗)」ガーン!
「知夏ちゃん 私からもお願い」
「……奈緒の頼みなら仕方ない」
知夏はバッシュの紐を強く結び直し、
立ち上がってバッシュの裏を手で滑らせる。
「お前から先でええぞ。」
「ほい。」
トビからボールを受け取ってまた返し受け取る。
見慣れない事に端で安原達は七尾から解説を受ける。
ハーフコートの練習では良くやるルーティーンだ。
知夏はリラックスした状態でドリブルをつき始め
トビは腰を低くしてDFの構えをする。
知夏はドリブルを左右にずらして
大きな一歩で前に出て読んでいたトビがゴール側に壁をつくり
そのまま平行して台形まで行き、
レッグスルーをしてコートを開く
また中を攻めてロールターンのフェイントで
トビが身体をズラすと振り向きざまにミドルシュートを打ち
シュートは見事にゴールへと収まった。
「トビから一点取りやがった…」
「油断しただけじゃ」
ボールを拾いトビは知夏にボールを渡し
また返されてドリブルをつき一気に迫る。
そしてそのままダブルクラッチでシュートを決める。
意外とあっさりと決めてトビは少し不満だ。
「手抜いてナメてんのか?」
「いや、怪我するでしょ マジで止めたら。
あたしDFは得意なわけじゃないし。」
知夏はそう言ってボールを手にして
指に乗せてクルクルと回す。
「まぁこういう奴だと思っといてよ。」
「そーか…誘ったのが間違いじゃった」
「うん。分かってくれた?」
「知夏ちゃん…でも私は、」
「ありがとう 奈緒。
でもあたしはこれが良いんだ(笑)」
そうやって笑う知夏に何も言えない七尾と不機嫌なトビ
状況が理解出来ていない空は三人を交互に見る。
初心者でこれから頑張ろうとする安原達に
知夏の考え方はIHを目指すトビにとって邪魔だった。
本気を目指さず楽しむだけで良いバスケなんて。
「ねえ!3Pは打てる!?」
「打てるよ 両手打ちだけど。」
「打ってみて!」
「注文が多いお子様だなぁ」
「同い年だけど!?(汗)」
知夏はゆっくりドリブルをつき3Pラインまで行き、
そのままゆっくり膝を曲げて流れるように打つと
綺麗なアーチを描いてシュートはゴールへと入る。
「うん。やっぱりフォームが完璧だった。」
「…そりゃどうも…」
「沢山練習しなきゃ出来ないよ。」
「一応ミニバスからやってるし。」
「そうなんだ!」
「教えてくれた人が上手かったからかなぁ。」
知夏はそう言って空に笑いかけて
ドリブルをついていたボールはトビに返して端に座り
バッシュをほどき始めた。
▽
>七尾が男子バスケ部に入部してから
バスケ部は本格的な練習がやっと始まった。
最大の問題は体力。
いくら技術を持っていようと
最後まで走りきれなければ意味が無い。
ハーフコートで何往復も走りこむ男子を横に
女子は隣で3対3の練習をしていた。
ガコンッ
「あ!(汗)」
「どんまーい」
シュートを外したりミスをしても責められる事はない。
顧問は一応いるがお飾りみたいなもので指導者では無い。
このゆるい空間に知夏は初め良いのかとも思ったが
気楽でこれはこれでかなり良いと思った。
「知夏!」ダダムッ!
PGから知夏へとボールが渡って
一瞬の一歩で自分のDFを抜きブロックが来ると
ひょいっと交わしてCにパスを回すが
完全フリーのシュートを外され
リバウンドも知夏が弾いてマイボールにする。
そしてPGに戻して陣形を整えてもう一度ボールを貰い
またあっさりとDFを抜いてパスを警戒したCの浅いブロックを
空中で交わしてシュートを打ち決めた。
男顔負けのプレーに女子から歓声が上がる。
「知夏ちゃんやっぱ上手いねっ」
「あざーす」
周りに囲まれて褒められる知夏は
ゆるく返事を返していると
ハーフコートのネット越しに
目をキラキラさせて自分を見る子どもが目に入った。
自分より背が低く七尾より高い男の子。
「バスケ凄い上手ですね!」
「いや誰?」
「車谷くん!足止めない!(汗)」
「この間の試合いなかったですよね!
僕一年の車谷空!何年生ですか!?」
「(クルマタニ…?)」
「空くん。彼女は君と同級生だよ。」
「どうも。」
「へー!凄いなあー!」
「藪内先輩知り合いですか?」
「うん。男子バスケ部が動き出したのはこの子がきっかけだよ。」
「……へえ。奈緒をたぶらかした奴か。」
「え?なんて?」
「あたしはね、自称奈緒の親友なの。
だから奈緒を困らせるような事をしたら許さないから。」
「(自称?(汗))」
「それは勿論!約束します!」
「だったら走れ!」
「ぐはっ!!」
車谷は噂の先輩 アフロの花園千秋に横殴りにされた。
「こんにちわ 僕花園千秋って言います。」
「お前もサボるな!(怒)」
花園千秋は弟の百春に怒鳴られシャトルランに戻される。
知夏は奈緒の事がやはり心配になったが
自分らが練習している隣でひたすら走る男子は
地味な練習が嫌いな自分にとって少し同情した。
ーーーーーー…*°
女子が早めに練習を切り上げると
男子は意気揚々とオールコートが使えると
仕切りのネットを外し始めた。
知夏は端っこでバッシュの紐を緩めてると
人影が重なり顔を上げると夏目がまた難しい顔をしていた。
「……な…なー」
「夏目じゃ。トビでええ。」
「とび?」
心配になった七尾と空
そして先輩達も気にすると
「俺と1on1せえ。」
「え、嫌だよ」
Σ「なんじゃと!」
「いや、いくらあたしが上手いって言われても
トビの方が見た感じで上手いと思うし
身長差のデメリットでかいし練習になんないよ。」
「少なくともこいつらよりはなる。」
「あーそれは…」
「「「おい!!(怒)」」」
否定しない知夏に思わず心当たりのある初心者
安原と茶木と鍋島はツッコんだ。
「つべこべ言わんと紐結び直せ。」
「えー…あたしとは気が合わないんじゃなかったの?」
「気ぃは合わん。練習に付き合え。」
「我儘だなぁ」
「僕もプレーみたいです!」
「やだ。」
Σ「!(汗)」ガーン!
「知夏ちゃん 私からもお願い」
「……奈緒の頼みなら仕方ない」
知夏はバッシュの紐を強く結び直し、
立ち上がってバッシュの裏を手で滑らせる。
「お前から先でええぞ。」
「ほい。」
トビからボールを受け取ってまた返し受け取る。
見慣れない事に端で安原達は七尾から解説を受ける。
ハーフコートの練習では良くやるルーティーンだ。
知夏はリラックスした状態でドリブルをつき始め
トビは腰を低くしてDFの構えをする。
知夏はドリブルを左右にずらして
大きな一歩で前に出て読んでいたトビがゴール側に壁をつくり
そのまま平行して台形まで行き、
レッグスルーをしてコートを開く
また中を攻めてロールターンのフェイントで
トビが身体をズラすと振り向きざまにミドルシュートを打ち
シュートは見事にゴールへと収まった。
「トビから一点取りやがった…」
「油断しただけじゃ」
ボールを拾いトビは知夏にボールを渡し
また返されてドリブルをつき一気に迫る。
そしてそのままダブルクラッチでシュートを決める。
意外とあっさりと決めてトビは少し不満だ。
「手抜いてナメてんのか?」
「いや、怪我するでしょ マジで止めたら。
あたしDFは得意なわけじゃないし。」
知夏はそう言ってボールを手にして
指に乗せてクルクルと回す。
「まぁこういう奴だと思っといてよ。」
「そーか…誘ったのが間違いじゃった」
「うん。分かってくれた?」
「知夏ちゃん…でも私は、」
「ありがとう 奈緒。
でもあたしはこれが良いんだ(笑)」
そうやって笑う知夏に何も言えない七尾と不機嫌なトビ
状況が理解出来ていない空は三人を交互に見る。
初心者でこれから頑張ろうとする安原達に
知夏の考え方はIHを目指すトビにとって邪魔だった。
本気を目指さず楽しむだけで良いバスケなんて。
「ねえ!3Pは打てる!?」
「打てるよ 両手打ちだけど。」
「打ってみて!」
「注文が多いお子様だなぁ」
「同い年だけど!?(汗)」
知夏はゆっくりドリブルをつき3Pラインまで行き、
そのままゆっくり膝を曲げて流れるように打つと
綺麗なアーチを描いてシュートはゴールへと入る。
「うん。やっぱりフォームが完璧だった。」
「…そりゃどうも…」
「沢山練習しなきゃ出来ないよ。」
「一応ミニバスからやってるし。」
「そうなんだ!」
「教えてくれた人が上手かったからかなぁ。」
知夏はそう言って空に笑いかけて
ドリブルをついていたボールはトビに返して端に座り
バッシュをほどき始めた。
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