恨まれ探偵社










「で、僕は何故探偵社に?」

「うん。君に仕事を斡旋しようと思ってね。」

「本当ですか!」

「伝手の心当たりがあるから、
まずは探偵社に行こう,。
任せ給えよ。我が名は太宰。
社の信頼と民草の崇敬を一身に浴す男。」



太宰は自信ありげにそう云う様子に
逆に信用性が危ぶまれる振る舞いで、
中島は信用して善いものかと怪訝する。
朔太郎はそんな二人の事よりも
人通りが多い街の中心を歩く事に
緊張してしまい、すれ違う度身が縮こまる。



「ここに居ったかァ!
この包帯無駄遣い装置!」

Σ「!!?(汗)」ビクッ

「...国木田君、今の呼称はどうかと思う。
ちょっと傷付いた…」

「この非常事態に何をとろとろ
歩いて居るのだ!疾く来い!」

「朝から元気だなぁ。
あんまり怒鳴ると悪い体内物質が分泌されて
そのうち痔にかかるよ。」

「何、本当か!?」

「メモしておくといい。」

「怒鳴り過ぎると痔に罹ると…」

「嘘だけどね。」



太宰がそう云うと国木田は太宰を殴る蹴るし、
その様子に段々中島は慣れてきたが、
二人が喧嘩する度に街中で目立つので
朔太郎はまた建物の陰に隠れていた。



「あのー……"非常事態"って?」

「そうだった!探偵社に来い!人手が要る!」

「何で?」

「爆弾魔が、人質連れて探偵社に立て篭った!」








ーーーーー……*°



「嫌だァ………もう嫌だ……………
ぜんぶお前らの所為だ......、
"武装探偵社"が悪いンだ!社長は何処だ!
早く出せ!でないとーーー
爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!(汗)」



デスクに座っている犯人は
怯えた様子で社長を出せと脅している。
足元には女子高生が拘束されていて
此方からは迂闊に気が付けない。



「あちゃー」



現場の状況に太宰は声を漏らす。
四人は植物のインテリアの陰に隠れて様子を伺う。
朔太郎も何やら挙動不審に
口元を塞いで誰よりも陰に隠れていた。



「怨恨だ。犯人は探偵社に恨みがあって
社長に合わせないと爆破するぞ、と」

「うちは色んな処から恨みを買うからねぇ」



そして太宰は人質の横にある機械に視線を移す。



「うん。......あれ高性能爆弾だ。
この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。
爆弾に何か被せて爆風を抑えるって
手もあるけど...…この状況じゃなぁ。

「どうする?」

「会わせてあげたら?社長に」

「殺そうとするのに決まってるだろ!
それに社長は出張だ!(怒)」

「となると………人質をどうにかしないと。」



太宰と国木田は顔を見合いジャンケンをする。
何度かあいこをするが、
最終的に太宰が勝つと笑顔で国木田に道を開け、
其の憎たらしい姿に国木田はわなわなと怒りを抑える。

中島は何故朔太郎は参加しなかったのかと
背後にいる犯人を見ると、
誰よりも怯えた様子 顔面蒼白な状況に
戦力外なのかと察して身体を向き直した。
国木田が前に出ると犯人はビクッと動揺する。



「おい。落ち着け少年。」

「来るなァ!吹き飛ばすよ!(汗)」



爆弾の起爆スイッチらしきものを見せつけ、
国木田は両手を上げて武器は無いと見せる。



「知ってるぞ。アンタは国木田だ!
アンタもあの嫌味な"能力"とやらを使うンだろ!?
妙な素振りをしたら皆道連れだ!(汗)」

「まずいね、これは」



物陰から見てた太宰が呟く。



「探偵社に私怨(しえん)を持つだけあって、
社員の顔と名前を調べてるね。
社員である私が行っても余計警戒されるだけか……
却説、どうしたものか。」



すると、太宰は中島を見てニヤリと笑った。

其の不気味な笑みに中島は嫌な予感しかせず、
其の予感通りに巻き込まれる事になった。