「いくよー野郎共ー!!」
「「「うおおおおおお!ついてきやすぜ、姉御ーー!!」」」

「今日釣れなかった奴が掃除当番だからね!しっかりイイトコ、見せておくれよ!」
「「「かしこまりやしたぜ、姉御ー!」」」

というわけで、だ。
お察しの通り私が今どこにいるかと言うと、海の上だ。チョソカベ軍の野郎共を引き連れて。

事の発端はそう、四国をぶらりと訪れ海辺で鬼と話していた際の、どうってことはない会話だった。

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「ねぇ鬼のー。アンタは海の男なんだろー?海の男ってのは実際の所何をしてるんだい?」

「ン?急にどうしたってんだなまえ。ついに長曾我部軍<俺ら>の仲間入りしたい、ってンならいつでも歓迎だぜ?」

そう言いながら豪快に笑うのは西海の鬼、チョソカベ。
太陽の下で彼の銀髪がふわりと揺れる。眩しい。

「いーや、アタシもこうして船で渡り歩くようになったは良いものの色々と不慣れな点が多くてね。
鬼のオニーサンの言う"海の男"の生活ってのに興味があるだけよ」

「そいつは光栄だな、団子屋に興味を持って頂けるなんざ。
とは言ってもよぉ…海の男が何か、か。…魚釣ったり、とかか…?」

「漁師かよ」

「ち、ちげぇ!なんつーかこう…自由気ままに海を渡るんだよ!」

「ジユーキママ…」

「分かった!なまえ俺らの船に数日間乗ってみたらどうだ!きっと野郎共も歓迎してくれるぜ?そうと決まったら早速野郎どもに知らせてくるとするか!!

おい野郎共ー!」


「えっ、何この人人の話聞いてくれないよ?」

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そんなこんなでチョソカベの日常体験コースを楽しんでる訳です。
お魚釣りがこりゃまた意外と楽しい。夢中になってきたが、気づいたら日は沈み始めていた。


「マグロでも釣れないかなぁ」

「なーに大それた独り言言ってやがる」

「あ、鬼のオニーサンだ。急に背後に立たないでよビックリしたなぁーもー。」

背後から聞き慣れた声が降り掛かってきたので顔だけ後ろに向けて言いた。

「全く驚いてねぇじゃねえか嬢ちゃん。
で?どうだ、この船の感想は」

優しくて真っ直ぐな目線。
この船と、ココにいる野郎共<仲間>の事を語る時の顔。
大事に想っているのが伝わってくる。

「なんか、船員が違うだけでこんなにも変わるものなんだねぇー。オニーサンが大切にしてる人達、みんな良い人じゃんか。
…ちょっと、羨ましいかも。」

「羨ましい?」

羨ましい。
それは船員皆が和気あいあいとしているから。
そしてチョソカベさんにこんなにも大切にされてるから。

そんな意味が籠もった言葉が自然と口からこぼれ落ちた。

…あれ、なんでそんな事思うんだ私。

「だって、なんか、そんな優しい顔するチョソカベさん見れる野郎共、いいなぁー、みたい…な…」

「なら俺ン所に来りゃァいいじゃねぇか」


少しの間。そして直ぐチョソカベさんの顔が赤く染まる。勿論夕陽のせいなどではなく。


「バッ…!ち、ちげぇ!今のは!いや、違くはねぇんだが!そうじゃなくて!長曾我部軍に来ないかっていう意味で!深い意味はないっつーか!」

「そそそそそうだよねアタシにチョショカベ軍に来ないかっていうお誘いだよね?!あーーーもう言いにくいぞチョウショキャベモトチカ!!!」

「人の名前で噛みすぎだ!お、落ち着け!俺もお前も!!」

「あ、あいわかった!!」

そんなやり取りをしてどちらからとも無く笑う。
そして少しの沈黙のあと、先に口を開いたのは

「いやー、よぉ。別に、俺は構わねぇぜ…?アンタが、軍の一員になってくれるでも、それ以上の意味でも」

「!!せ、せっかく平常心取り戻したのに追い討ちかけるかね!?」

少し照れながら、夕陽のせいではない赤らんだ顔。
そしてふと、真っ直ぐな眼差し。
先程のとは別の、例えるなら獲物を捉えた鬼のような顔。

「と、言いてぇところだが。そうだな、まずは。言いにくいだろ、チョウソカベって。
名前で呼べよ。あれだけ人の名前噛んだんだ、嫌とは言わせねぇぜ?」

ニヤリと笑いながら言うのはズルいじゃん。
さっきまでのあたふたしてた顔はどこ行ったのさ。

そんな事思いながら

「あーあ。私鬼退治失敗したかも。

元親」


まずは名前から始めましょう。



(((うしろで「流石っすアニキー!!」「やりますね*!」「今日は宴だーー!」ってヒソヒソ言ってるの聞こえてるから)))

 


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