06:No longer at the pedigree level.
(大体)五秒で分かる! 前回のあらすじ講座!
@今から四年前、一人暮らしの家が爆弾で吹き飛ぶ。
A俺の包丁もぶっ飛ぶ。
B萩原研二救済。一緒に住むことになる。
C観覧車で爆弾と松田さんとランデブーなう。
以上!
いやこんなノリでいってる場合じゃないんだよなぁ〜。現在進行形で人生の終末まっしぐらだっつの。やってらんねぇ。なぁんで俺はまた爆弾に巻き込まれてんだよ。今年の年初めも元気にお祓い行ってきたし、なんなら一週間前にも行ったんですが。なんでお祓い行ったばっかでこんな目に遭ってんだ。
これがお祓い行ってもお祓いに来てもらっても事件が起きるうちの両親の血筋……ってコト!? やってらんねぇ。血筋がお祓いしてくれよもう。
「いや〜、おそらきれい。陣平さんもそう思いません? とっても綺麗な青空ですよ」
「……なんでお前、ここにいるんだ?」
「アハ、それ聞いちゃいます? まあいいっすけど」
遡ること約半日とかそこら辺。
実家のお得意様の一人である息子さんが初デートに今度いくらしく、その時観覧車に乗るからその下見に行って欲しいと頼まれたのだ。自分で行けって思わなくもなかったがその息子さんが結構忙しい人間なことも知ってたの二つ返事でOKをしてしまった。
んで観覧車に乗ってから気付いたけどまさかの爆弾発見。しかも動いてた。俺が何したってんだ。
とりあえず一周してから降りようとして、ようやく下に着いたと思ったらこのタイミングで警察きたせいでスタッフみんなそっち向くし、おかげで気付かれなかった。
なんで何も言わず出なかったんだ、って? 無言で出て疑われたらたまったもんじゃねぇだろうが。
まぁそういうことで静かに黙って待ってたんだけど——まさかの次は俺が見覚えのある人が観覧車に乗ってきた。
普通なら気付きそうなのに、よほど焦ってたのか知らねぇけど陣平さん全然気付いてくんねぇし、気づくどころか刑事さんに「こういう事はプロに任せな……」ってキメ顔して言ったあと観覧車の扉閉めちゃうし、爆弾のほうに集中するし。いやまぁ解体するからそりゃそうなんだけども。
「……あの陣平さん、これ俺も心中ルートっすかね?」
「…………は?」
なんか雲行き怪しかったから声掛けたら驚かせてしまった。
——そして今に至る。
いやさ、俺もダメだったのはわかってるんだよなぁ。陣平さんが来た時に声掛けたら良かったし、陣平さん乗ってから俺降りようとかそういう無駄なよくわかんねぇ気遣いしなきゃ良かったんだし。
「なぁんでお前はここにいるんだよ……!」
「お得意様の息子さんのデートの下見っすね」
じゃないとこんな所に好き好んで行きませんよ〜。とヘラヘラ笑いながら言うとまた頭を抱えられた。そりゃそうだ。もう水銀レバー作動してしまった爆弾があるし、陣平さんの表情さっきまで見てたけどもはや諦めの色しか見えなかった。三秒前に出てくるヒント見てそのまま爆弾でドッカーンして死ぬつもりだったんだろう。
……ま、そんなことさせねぇけどなぁ。
だってこれ、今思い出したけどあれっしょ。四年前のあの時と同じ同一犯が送ってきてるんだろ。じゃあもうあの事件だろ。
"揺れる警視庁 1200万人の人質"。絶対これだ。影の記憶が正しけりゃ絶対当たっている。
ってことは、だ。どこにもう一つの爆弾があるのかも大体は想像ができる。一つ気がかりだとすれば、影の記憶の場所と違っている可能性があるかもしれない、ということくらいだ。
俺というイレギュラーな存在が四年前に研二さんを救済した以上、色々と事情が変わってしまっている可能性がありそう。まだ確定事項じゃないからなんとも言えないけど、その可能性も捨てた訳では無いのだ。
とは言っても、そんなこと延々と考えていても最後に待ち受けるのは死亡エンドまっしぐらである。それだけは切実に勘弁願いたい。
「あれ、陣平さん。電話鳴ってますよ」
「あ? 誰だよこんな時に……って、萩原か」
研二さんだと分かるなり迷うことなく電話を切る陣平さんに、思わず苦笑してしまう。そこは出てあげましょうや。
「……?」
なぁんて思っていたら俺のところにも電話が——じゃなくてメールが来た。スマホを確認したら、それは母親からのもので。なんだと思って開いたらかなり見覚えのあるタイプのものご映っている写真と共にメッセージが添えられていた。
[翼ちゃん、これって爆弾よねぇ? 怪我をしちゃったお父さんの付き添いで米花中央病院に来たらあったんだけど、翼ちゃんの知り合いの刑事さんに伝えてくれないかしらぁ?]
……俺の親、事件に巻き添えになる頻度も高いけどそれと同じくらい解決になる一手に関わっている頻度も高いんじゃないだろうか。
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