愛されることが怖い女
中学校最後のクリスマス間近、最近の中坊は増せている。何故ならどこもかしこもカップルが増える。あっちていちゃいちゃ、こっちでラブラブときたものだ。目のやり場に困る。まぁ毎年だがこのシーズンが過ぎてバレンタインデーまでに生き残ってるカップルは半分以下になるのだから(バレンタインデー過ぎたらまた多くなるが)世の中現金だと思う。
毎年クリスマスは私もかっちゃんも互いに一緒に過ごす感じだけどいつもとなにも変わらない。私の家で急に来て喋ることなくトドのようにゴロゴロして気付いたら帰っている。私はクリスマスプレゼントを渡すんだけどいつもゴミ箱に捨てられる。その時は悲しい気持ちになるんだけど気付いたときにはゴミ箱の中空になってる。照れ屋だからこっそり持って帰ってるみたい。可愛くね?どんな顔で持って帰ってるのだろう。そうだ今度のその姿を見るためにダンベルまたは参考書の山とかにしよう。それなら見れるかもしれないと妄想を膨らませ涎を垂らしそうになりながらかっちゃんと登校した。かっちゃんには気持ち悪い死ねなんて言われた。勿論詳しい真相なんて本人に聞いた所で教えてはくれないだろう。
私はかっちゃんと別れ下駄箱の中を開けるとそこには手紙が入っていた。昔「爆豪君と話さないで」などのためにリンチされたことが何件かあったが返り討ちにした事があった。三年となればもう無くなっていたが久々に果たし状が届けられたのだ。私はかっちゃんに気づかれないようにそれを隠し今日は別々に帰ろうと提案したら簡単に承諾してくれた。その中に書いてあった放課後使われていない屋上に向かった。
「好きです先輩」
「ええぇ?!」
しかしそこでは予想外な事が起きた。待っていたのは数人の女子ではなく見たこともない男子、そして好きですという言葉、つまりリンチではなくただ私に告白をするためのものだったのだ。
「君会ったことあったっけ?」
「委員会での先輩のアンニョイな表情に引かれました」
あ、たぶんこれかっちゃんのクリスマスプレゼントどうしようか考えていた時だわ。堪えていたらアンニョイな顔になっていたのね。てか委員会一緒なんだろうけど名前も学年も知らない彼、先輩と言っているから後輩ではあるのだろうけど覚えていない
「ごめん、無理」
「なんでですか?!あの爆豪とかいう不良に弱み握られてるんですか?!」
そこで引いてくれたらよかったが彼は私の両肩を逃げられないように掴み有らぬ言い掛かりを付けていた。ヒートアップした彼はさらに続けた。
「これを期に言いますけど、学校で代田先輩が怒鳴られて殴られてる所見てそうにしか思えません!」
「君は、かっちゃんの事を全く分かっていない。かっちゃんが私にすることはただの愛情表現。ついでに私のことを教えてあげる。私は昔から嘘が嫌いでね、個性みたいでなんとなくわかるの。私は笑顔を振り撒いてるし君の事だって平等に愛することもできる。ただ好きとか愛してるほど安い嘘を言うことにとても嫌悪感を抱くよ」
「せ、先輩」
「それに君、前かっちゃんに喧嘩売ってた後輩だよね?見たことある。何?私を人質にでも取って復讐するつもりだった?残念ね、かっちゃんも、今もこれからも私のことを愛してくれるはずがないもの。意味ないわ。私の個性知ってる?百発百中よ。しかも氷とか空気弾ならいつでも証拠無しに当てられるのよ。ふふ、知ってる?人って同じ場所に同じ刺激を与え続けるとストレスで死ぬんだって。…え、なに怯えてるの?そもそも君情報不足なんじゃない?かっちゃんと私だったら怒らせたら怖いのは私の方よ?ふふ、後輩だし選ばしてあげる。精神的、肉体的、社会的、どれで死にたい?」
私は笑うと彼は怯えた顔を見せた。ほら私を愛してくれる人なんか現れない。嘘ばっかり。
「ってことがあったの」
「…お前なぁ、そういうことはよ言えや」
「だってかっちゃん止めるでしょ?私のこと。大丈夫、後輩君なら転校したそうだからかっちゃんの手を煩わすこともなかったよ」
「…ちっ」
「私の事好きになるなんてあり得ないのにね」
「……死ね、一回!」
二人でまた登校する際の会話。今日はよく喋ってくれる。機嫌が良いみたいだがいつもより眉間のシワが凄い、目尻もなんかつり上がっていた。なにか言いたげだがかっちゃんは舌打ちして右手に持っていた激辛コーラなんて怪しい飲み物に口を付けた。ん?あれ?
「そういえば、かっちゃんは好きな人はいるの?」
「ぶぅっ!」
「うわっ!」
私の質問にかっちゃんは激辛コーラを盛大に吹いた。あ、虹
「何々図星?」
「…」
「かっちゃん?」
「あたり」
「…え」
「お前には教えねぇ!グズ!」
「えええ!」
「お前はいんのかよ。好きな奴」
「いるよ。かっちゃんもクラスメイトも家族もみんな愛してる」
「…」
「え、待ってよかっちゃん!」
「お前、その顔やめろや」
「どんな顔?」
「…」
お前の名前言った時の絶望的な顔だよ!!なんて爆豪少年には言えなかった。
- 3 -
*前次#