もう一人の幼馴染み




「あ、デク君?」

「あたりちゃん…おおおおはよう」

「勉強してんの?それとも筋トレしたいの?」

「え、えーっと」
とある放課後の図書館に私は一人借りていた本を返しに向かった帰りの事だ。テスト前でもないがらりとした机の隅でポツンと座り参考書を開きぶつぶつ呟いて勉強しているのかと思いきやペンを持たない反対側の手でダンベルを上げ下げしていた私のもう一人の幼馴染み。私が声を上げるまで私の存在に気付かなかったようで彼は慌ててダンベルを隠す。遅いわよ、
私は久々に出会えた幼馴染みの相席に座った。


「てかこの参考書…雄英の過去問じゃん……あ、そうか君もヒーローになりたいって言ってたもんね」

「え、あ、うん…」

「デク君無個性なのに凄いね。応援してるよ」

「え!」

「え?」
私が応援すると言うと彼は信じられないと思うように驚いた。

「馬鹿にしないの?」

「えー、なんで?馬鹿にされたいからヒーローになるなんて事ないでしょ?なりたいからなるんでしょ?」

「…あたりちゃんは変わってるね、相変わらず」

「そっちこそ馬鹿にしてんの?」

「そそそそんなことないよ?!」
デク君もとても可愛い。かっちゃんとはまた別の可愛さだけど。二人の仲は余りよくない、というのもかっちゃんはデク君をよく虐めているからだ。二人は正反対な性格だから、うん萌えだね。私は決して腐女子ではないがこの二人の同人誌があれば買う自信がある。もちろんデク勝ね。


「そういえばあたりちゃんは高校何処にするの?君もってことは…」

「そー、雄英普通科ね。かっちゃんは君と一緒だよ」
あ、明らかに嫌そうな顔した。


「う、うん。知ってる…ていうかあたりちゃんは相変わらずかっちゃん好きだね」

「うん!本当に可愛いの」

「(それは君だけだよ)…そ、そう」

「進路希望出すときだってね、違う高校にしようとしたらシュンってなってたし、結局雄英行くって言ったら機嫌治って頭も撫でてくれたわ。あ、でもその後は照れ隠しで数日間殆ど目を合わしてくれなかったけどね。あー可愛いわ。なんで彼女できないのかしら。」

「え、君達付き合ってなかったの?!」

「ないないないないないない」

「即答!?」

「かっちゃんはどちらかと言えば、弟みたいな?反抗期の息子みたいな感じね。素直じゃない性格だから本当に好きな人ができた時に助けてあげないと!」

「(かっちゃんが初めて可哀想に思える)…で、でもかっちゃんにはあたりちゃんがいるから、」

「デク君、君はそこでその言葉により私が、え、(どきっ)実はかっちゃんのこと本当は好きなのかもーっなんて思うとお思いかい?舐めて貰っては困るよ、そんな王道はどこの漫画でももう見飽きてる。かっちゃんも私を好きだけどそれは幼馴染みだからだよ。私以外の女の子には比較的に優しいもの、私にだけよ暴言を吐き散らすのは。まぁそれも甘えているって思って甘んじて受けるけど」
比較的というのはフレンドリーではないが私と比べてまだましということだけど

「それこそ「おい!くそブスおせーぞ!!」

「あ、かっちゃん」

「ひぃ!!」

「あ、デクと一緒か。糞死ね」

「何?嫉妬?」

「?!」

「(かっちゃん図星?!顔真っ赤分かりやすい。というかこれは嫉妬だということはわかるんだあたりちゃん)」

「だよねー。久々に三人揃った上に希望高校も一緒なんだもんね。ごめんねかっちゃん仲間外れにしちゃって」

「うるせぇ!!」

「うるせぇと言ったかっちゃんが一番煩かったよ。お前さんここ図書館ね、あんだーすたーん?…え、ちょっと待ってかっちゃん!なんか手から火が出てるよ?!ちょっまっそんな図星だからって照れ隠しでそんなことしたら「それに関して嫉妬してねぇよ!!今日こそはくたばれ糞アマ!!」

「やば、デク君。すまないが私はここで失礼するよ。じゃ、アデュー!」

「こら待て!糞あたり!!」

私はデク君を置いて図書館から逃げた。当然ながら私を呼びながら追いかけるかっちゃん。もう可愛いわね!



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