互いの取扱い方(中学編おわり)




私は雄英の合格通知を見て飛び上がりクリスマスでかっちゃん見つけてくれた公園に向かった。寒さが残るその場所には子供の姿がなかった。ただ一人以外は。

「かっちゃん!受かったよ!!」

「うるせぇ」
やっぱりここにいたと私はその場に何かを待つようにベンチに座っているかっちゃんに声をかけた。ご覧の通りあのクリスマスから私達の関係はあまり変わっていなかった。私がかっちゃんに怒られる構図は何も変わらない。しかし私はかっちゃんの事を信じるようになりたいしなれるように努力したいとも思っている。トラウマの克服にはまだ時間がかかると思うけど一緒にいてくれると言ってくれたことが嬉しかった。だが受験のためにただひたすらに勉強をしてあまりかっちゃんに会えなかった。というか久々に怒られたどころか久々にちゃんと?会話した気がする。


「かっちゃんもでしょ?」

「ったりめぇな事聞くな、うぜぇ」

「へへ」
久々の再会でもかっちゃんはかっちゃんで私は安心し笑う。かっちゃんは頭をかいて私の手を握りしめた。

「…」
目力で隣に座れと訴えられて素直に隣に座った。手は握られたままだった。

「私ね、怖いの、人に愛されることで終わりが来る事が、怖い。まだ」

「…ちゃんと待っててやるよ。いつものことだからな」

「っかっちゃん」

「…んだよ」

「ちゃんと聞けるように頑張るから。」
あの日かっちゃんは私の過去を無言で聞いてくれた。馬鹿にすることもなく同情することもなくだ。私にはそれがよかった。やはり私のことをよくご存じのようだ。だから私もかっちゃんの言葉を聞きたかった。でもまだ正直のところ怖くて仕方なく、受け入れるには時間がかかるだろう。

「…ならこれやる」
受け取れといわんばかりにクリスマスに私にやるつもりだったというネックレスを差し出した。

「…これ、本当に私にだったんただ」

「本当に爆破するぞ!」

「ごめんごめん。あ、ありがとう」

「ん」
なかなか受け取れない私に無理矢理私のポケットに入れた。与えられることに慣れない私にあからさまに戸惑う私にかっちゃんは少し困った顔をした。

「かっちゃん?」

「俺は、お前の事が」

「…ま、待って!」

「…」
犬に躾をしている気持ちに、少しだけなった。

「ごめんね?」

「だから、あやっ」

だから、謝んなや!って言おうとしたかっちゃんに対して私は仕返しをした。私はかっちゃんに抱き付いたのだ。ふむなるほど、

「まだ無理、でもこれならまだいけるみたい。」
どうやら自分からのアクションならいけるようだ。新しい発見だった。

「っ〜…なんでだよ!!」

「わたしだって、わかんないよっ」
いつもなら笑える余裕があった気がする、でも何故か今は笑えないわ。だって恥ずかしいから。私を自分から剥がそうとするかっちゃんに必死に抵抗したが肉体きんに君のかっちゃんに私の力なぞ全く叶わず。

「うぅ、顔は見ないで。胸が痛い、ドキドキするこれは私死ぬのかもしれない。冬なのに熱い。インフルエンザかな。」

「っ」
かっちゃんに引き剥がされて罵声を浴びせられると覚悟していた。それから少し無言の時間があった。あれ?と思い顔を隠そうと手を覆う私はその隙間からかっちゃんを覗き見た。何で汗かいてんの。あ、私もだわ。

「かっちゃん?」

「クッソ!それ受け取ったなら返品できねぇからな!!覚悟しておけよあたり!」

「…それってネックレスのこと?」
質問が悪かったのか殴られた。急に不機嫌になったかっちゃんは私のことを置いてその場から去ろうとしたので、私は追いかける。


「私ね、頑張るから!」

「ったりめーだろ!」
周りからすれば私達の関係はいつも通りの光景だろう。ただひとつかっちゃんも私も顔を赤くしてたということ以外は。


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