フラッシュはこの業界では嫌がらせ

「って事で今日からマネージャー復帰。紺野です。精一杯この一レフで皆さんの勇姿を収めていきたいと思います」

「なんかこの人、マネージャーの仕事を何か間違えてないか?」

「伊月!ホレっ」

「仮面にカメラ…コレキタ」

「きてねーよ」

「おい、黒子大丈夫なのかあの紺野ってやつ」

「たぶん」

「たぶんって何だたぶんって」

「とりあえず練習始めるわよ!」

「(カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ)」

「うるせぇよ紺野!っていうかせめてフラッシュ焚くのはやめてくれ!」

「さーせん!」

「相変わらず謝る気ないだろ?!」

「私の業界ではフラッシュは嫌がらせよ」

「てめぇふざけてんのかっ」

「まーまー日向君、落ち着いて」

「監督、はいどうぞ」

「これは?」

「軽く皆さんのパスとシュートフォームをまとめました 」

「写真の連射によるフォーム確認か、」

「それだけではありません 、その日の選手の体調や弱点、そして美しさと切なさもわかります」

「すみません、最後の方が理解できません」

「でもなんかスゲェ!なぁ水戸部」

「(こくこく)」

「火神よ、このシュートフォーム重心が前方に行き過ぎている。次からはやや後方を意識しろ」

「は?」

「はよやれ」

「あれ?やりやすい」

「これが彼女の能力です。フォームのアドバイス。これによりより要領よい動きを出すことができる。だが一番は資金集めですが」

「金さえあればなんでもできる!」

「顔がしゃくれてますよ」

「へーい」

「なんか、馬鹿にしてた、です。少し見直した、ます」

「帰国子女だな。敬語、いや日本語勉強しろカス」

「冷たっ!」

「彼女、照れ屋なので褒めるとこうなりますよ」

「めんどくせぇな!」

「…ありがと」

「褒めてねぇよ!!照れんな!!!」



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