女と旦那と誕生日と


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to:ダーリン
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from:ハニー
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Title:そういえば
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数日後私の誕生日だけど

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to:桃子
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from:夫
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Title:は?
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何が欲しいんだ。
あとそれ怖いからやめろ

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to:ダーリン
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from:ハニー
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Title:話が早いわね
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というか息子さん大丈夫?
ちゃんと機能したの?

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to:桃子
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from:夫
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Title:てめぇ
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お前が送り付けた砂糖菓子
のせいだからな。

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to:ダーリン
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from:ハニー
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Title:はぁ
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人のせいにするのは
よくないぞ。

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to:桃子
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from:夫
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Title:糞女が
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そもそもお前のせいだ!
次会った時覚えとけよ
んで、何が欲しいんだよ

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to:ダーリン
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from:ハニー
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Title:
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せいしがほしい


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「はぁ?!」
鬼兵隊総督高杉晋助は思わず声を上げた。妻が珍しく甘えて欲しいものをおねだりしてきたと思いきや精液?!ゴムを不衛生だからと三枚重ねにしろと聞かない女が精液が欲しいだって?!いやいやおかしい、誕生日が近い女だからって浮かれすぎている。

「どうしたでござるか?晋助」

「嫁がな、誕生日に、精液が欲しいんだと」

「ぶぅふぉ!」
突如の言葉に万斉は茶を吹いた。更に変態武市が食いついてきた。

「晋助殿と奥方様の子供…想像しただけで涎が…」

「やめてくれッス先輩!!これ以上ロリコンに手を染めないで!」

「ロリコンじゃないフェミニストです!お二方の遺伝子が奏でるハーモニーを想像してご覧なさい!!

「…アンタが、言うからダメなんスよ!」

「何ですか猪女!」

「…晋助、恐らく待ち時間が長かったのでござろう。この際行ってきたらどうでござるか?」

「…」
高杉晋助は考えた。数日前にあんな恐ろしいものを送りつけて来た女だぞ。そんな素直に寂しいとは言わないとは思うが今回の奴は明らかにぶっ飛んでいる。俺の知っているアイツは精子が欲しいなんていう女ではない。何か、裏があるはずだ。


「は?精子?」

「だから、アイツがそう言ったんだよ」

「…あぁ」
だからアイツの近くにいる零に電話をして聞いてみた。やはり心当たりがあるようだった。

「丁度昨日くらいに排卵日きたー!とか言ってましたよ。発情期か」

「まじかよ」
俺は覚悟を決めた。



「あれぇ?なんでいるのー?」
意を決して俺は性欲をつけるためすっぽんを平らげてあいつの元へ向かった。屋敷に入った所で桃子が外から帰って来た。外に言ってたのかよ、なんてツッコミをする間もなくアイツは俺に抱きついてきた。

「酒くせェな」

「幻覚かしらー」

「さあな」
コイツは酒を飲む割にはあまり酔わない。少なくともここまでは。元々強いのもあるがいつもなら自分で量をセーブしている。故に千鳥足でベロベロなアイツなんてそうそう見れない。俺は二度目だった。一つは師が死んだとき、もう一つは戦争が終わったとき。どちらも桃子の精神的ストレスがかかった時だ。その時に奴の抑制が外れる。

「はい」
顔を赤くした奴は俺に笑顔で手を出してきた。

「は?」

「誕生日プレゼントは?新しく出た焼酎青氏(せいし)」

「酒かよ!」
やっぱりか!!

「何?あーもしかしてそっちだと思った?恥ずかしいねぇ」

「普通そう思うだろ?!」
掘り下げんな!

「酒好きなら気付くと思ったけど!」

「く、」

「ふふ」

「自棄に機嫌がいいな。だって寂しくて酒飲んで帰ったら晋助がいたからさ。嬉しいー」

「っ」

「ふーふーふー」

「ドラえもんみたいな笑い方すんなよ萎える」

「ていうか回復してるじゃない。よかったねー」
桃子は俺のナニを確認し始める。やめろや。砂糖菓子の副作用かすっぽんのおかげかわからないが俺の息子はみるみるうちに成長していた。もう我慢できない。俺はアイツを押し倒した。そんな素直な顔を晒すなよ。それに胸元をはだけさせた時に珍しくネックレスをしていたと思いきやその中央には俺が以前やった指輪があったことに俺はこの上ない興奮した。俺、変態なのかもしれない。


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