女とお巡りさん


仕事の後に、最近はすぐに日が暮れ始め、秋へと近づいていた。それにともない早めに居酒屋も開店の文字が浮かび上がってきた。とある馴染みの居酒屋に入りカウンターに腰掛け私はキープしていたウイスキーをロックで頼み適当にツマミをつついていた。その場に黒ずくめの男が1人入ってきたかと、思ったらわざわざ私の隣に腰を下ろした。

「あら、ゴリラさんのお供の人」

「…」

「菱形さんでしたかね」

「土方だっ」

「ふふ」
この人は真撰組副長の土方十四郎という。この人は結構めんどくさかった。というのも鋭いのだ。私は以前違法手術をした可能性があると職務質問されたが証拠がどこにも出なかった故に解放された。彼は証拠がないが私が黒だと確信しているのだろう。だから私が尻尾を出すことを狙いたまにこうして私の前に現れる。これはきっと前回の祭りでのことでも聞かれるのだろうか?

「…今日はどうしましたか?」

「お前の家に攘夷の者が出入りしているとの情報があったが」

「とんだデマですね」

「前の祭り、アンタ何処にいた?」

「えっと、婚活パーティーで酒飲んで男とワンナイトしてたわ」

「何してんの?!」

ほらほらでたでた。私と高杉が一緒にいたとの目撃情報でも手に入れたのだ、コイツ。しかし酒を言い訳にして私は誤魔化した。 疑いの目をしていたためめんどくさく感じてため息をついた。

「土方さん、貴方私のことが気になるのはわかるんですがやめてください」

「そもそもアンタが怪しいことしてるからだろ?!」

「なら前のように取り調べでもしますか?」

「くっ」
前に私は彼に取り調べされたが実はあまり厳しく調べられてはいない。私は違う星では貴重な研究者であり医者である。それも政府が目をつけるほどに。故に天人に頭が上がらない政府は私が取り調べをすることに対して否定的だったからだった。圧がかけられているため徹底的な証拠でもないと私は御用にはならないのだ。

「婚活パーティって結婚願望あるのかよ」

「ええ、私だってウェディングドレス来たいし、子供も欲しいですよ。」
私は酒を次ぐのがめんどくさくなりボトルごとウィスキーを飲み干した。うまい

「まてまてまて!そうは見えないけど?!」

「なんですか、マスター!ボトルもう一本」

「ボトルごといくの?!」

「さっきからワンナイトラブとかウィスキーらっぱ飲みとか結婚とか妊娠願望ある人間とは思えないんですけど?!」

「セックスとはそもそも子孫を残すためのもの、それをワンナイトラブとかセフレとかいう単語で遊ぶ人間が悪いんですよ。私は常に本気でセックスしています。」

「何自分肯定しようとしてるの?!てか本気って何?!!」

「お酒だって、今はノンアルコールビールとか以外に美味しいやつでてるから禁酒できますよ…たぶん。」

「酒はどちらにしても飲むのかよ!」

「フーフーフー(笑)」

「ドラえもん酔ってるの?ねぇ酔ってるの?!」
誰がドラえもんだ、そう笑いもう一ボトルらっぱ飲みを行こうとしたら土方さんに止められた。ボトルでそのままグラスに次がれて飲ませ飲まされをしていると、また新しい声が私を呼んだ。

「姉さーんちわーす久しぶりでーす」

「あ、沖田君お久し振りね。どうぞどうぞ」

「あざりまーす」
私を姉さんと呼ぶ青年を私の反対側の横に座らせた。彼とはプライベートでいろんな意味で仲が良かった。

「何?総悟と知り合い?」

「え、SNSならぬSMSのオフ会で出会って意気投合してね」

「なにそれ?!そんなインターネット時代やだぁあ!!」

「あぁ、総悟君が言っていた殺したい上司って貴方だったのね」

「総悟ぉおおお!!」

「なんせ、嫌いな上司を生きたまま肉体と精神両方でいかに苦痛を与えられるかを話し合ってましたよ」

「この人なかなかですぜ。俺だって思い付かねぇこと提案してくれるんでねぇ」

「まさか、菱形さんだとは思いませんでしたけど」

「名前わざとだよね?!そして絶対楽しんでますよね?!!」

「ふふふ、どうしても貴方みたいなタイプは好きなのでね、」

「なっ」

「あれれ?土方さーん姉さんに惚れちまいましたかー??」

「あらら、土方さんすみません。でも、私のタイプとは真逆です故に…」

「土方どんまーい」

「いやいやおかしいだろ!何俺振られたことになってんの?!!」

「まだ好感度が低いぞ!もっと積極的に話しかけたりプレゼントを上げよう」

「まてまて!!なんだそのゲームのヒントみたいな言い方」

「どんまーい。」

「土方さん、私は攘夷ではありません。家でもなんでも調べたいならまた調べてもらって結構です。」

「そーかい」
不服そうな顔をしている土方さんに酒を注ぐ。攘夷ではないことは確かだった。私は医者だ。人を救うことが生き甲斐であり私にとって攘夷だの政府だの関係ない。高杉との関係が判明したとしても屈することもしない。きっとこの人もそれをわかっているから敢えて泳がせているのだろう。それでいい。せいぜい頑張って泳いでやるよ。



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