女と副長を見る年増
「で、てかあんたか。電話ワケわからん電話かけたのは」
「こんにちは」
小太郎が給食を台無しにしキレた私がガチで通報し、数分後にパトカーの音がしたと思えば通報した私に疑いの眼差しを向けながら土方さんが言った。ふふ、攘夷だと思っていた私が通報したことに混乱しているのだろう。
「副長知り合いですか?」
隣にいた副官かわからないモブに土方さんは声かけられた。
「あぁ一応な、桂はここでなにしてたんだ?」
「はい、給食食べて、サイレン聞き付けてすぐに、さらば!ってかっこよく窓からグラウンドに飛び降りて、私が作った落とし穴にはまったんですけど、そこからすぐに逃げました。穴浅かったみたいですね」
「落とし穴?!」
「えぇ、こんなこともあろうかと。流石に地雷はやめました」
「何常識気取ってるの?!落とし穴とか物騒じゃない?!!」
「失礼な。落とし穴の中は使い古した雑巾の墓場にしておきましたよ。毒蛇とかじゃないだけまし」
「何誇らしげなの?雑巾けっこー破壊力スゲーけど?!」
「はまったと同時に子供達と腐った卵を投げつけて遊んだわ。恐らくだいぶ臭いから追いかけたらわかるんじゃない?臭いで」
「てかアンタ子供相手にどんな教育してるんだよ!」
「子供たちには周りは敵だと教え込んでいます。ね、皆さん」
私は今日一緒に勉強した子供達に問いただす。すると皆が同時に手を上げて笑顔でこう言った。
「「「…はい!先生!!!」」」
「調教?!」
失礼な
「副長!なんかこの人大丈夫なんですかいろいろと」
副官も失礼だな
「ザキ、頭いってるのは知ってる。いつもだ」
「えええぇ?!」
ザキと言ったか、コイツ何時か締めるからな。
「あっちの女教師が桂と仲良さそうに喋っていたと聞いたが、お前」
「(チッあの年増女、私が男取ったと思い込んでやがる。実際年増の癖に若作り凄いから振られてるだけだろうが)…」
「おい、本音漏れてんぞ」
「あら失礼。私が攘夷志士で桂と繋がっていたとしたら貴方方に通報しないと思いますが」
「…それもそうか」
「それに、私は攘夷には興味ありませんよ。」
「…そうかい」
「あ、今案外笑ったら可愛いじゃないって思ったでしょ?フフフ」
「思うわけねぇだろ!!」
「そういえば土方さん。」
「土方さん、今度一緒にデートでもどうですか?」
すっと私が土方さんの頬に手を触れた。端から見ればいちゃついているカップルに見えなくもないだろう。
「は?おま、何いって」
がたっばたばたばたばたっ!と近く廊下からものすごい足音が遠ざかった。ふふ
「ありがとうございました。協力」
「…は?」
「いや、私のこと告げ口した女の好みに土方さんが当てはまっていて、私達の会話を盗み聞きしていたものですから、貴方との親密な関係を見せつけたんです。そしたらキレて帰りましたわ」
「アンタと親密な関係になったことないけど?!てかどんだけ性格悪いんだよ!!」
「あら、あの夜(居酒屋)のことはお忘れですか?」
「言い方やめろ!!」
「ふふふ、」
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