たかじょう。





恋人に送ったメッセージには既読すら付かず、電話も繋がらない。
これはまたしんでるな、と予想を付けて、合鍵を使って部屋に入ると、案の定ソファーの上で蹲るようにして眠っていた。



「◯◯、」



しゃがんで呼んでみてもぴくりともしない小さな体を抱き上げてベッドに運ぶ。その細さや軽さには未だ慣れずにぎょっとしてしまう。
肩までしっかり布団を掛けると、眉を顰めてぎゅっと目を瞑った。
傍に座ってあやすようにそっと髪を撫でる。

悔しいな、と思う。
どんなに好きでも、守りたいと思っても、彼女の夢の中にまでは入れない。彼女の心を雁字搦めにする過去や記憶を消し去ることもできない。
日々必死になっている喧嘩やテッペンがどうだの話がちっぽけに思えてしまうほど、こんな瞬間、俺は情けなくて仕方がなくなる。

寝顔が穏やかになって呼吸が深くなったのを確認して、冷蔵庫の中身を確認しに行く。
半分は手軽に栄養が補給できる飲み物やゼリーが詰め込まれていて、もう半分は◯◯の好きな食べ物の材料で埋まっているそこのほとんどは、俺が買ってきたものだった。
記憶を呼び起こしてもせいぜい飲み物が二、三本減っているだけで、家では愚か恐らく学校でも大して何も口にしていないのだろう。



『つかさ…?』


「起きたか」



振り返ると、ゆっくり瞬きを繰り返してのそのそ体を起こしたものの、そのままぼうっとしている。
料理が出来ないわけではないが自分一人だと



恋人に送ったメッセージには既読すら付かず、電話も繋がらない。
これはまたしんでるな、と予想を付けて、合鍵を使って部屋に入ると、案の定ソファーの上で蹲るようにして眠っていた。



「ユリ、」



しゃがんで呼んでみてもぴくりともしない小さな体を抱き上げてベッドに運ぶ。その細さや軽さには未だ慣れずにぎょっとしてしまう。
肩までしっかり布団を掛けると、眉を顰めてぎゅっと目を瞑った。
傍に座ってあやすようにそっと髪を撫でる。

悔しいな、と思う。
どんなに好きでも、守りたいと思っても、彼女の夢の中にまでは入れない。彼女の心を雁字搦めにする過去や記憶を消し去ることもできない。

作ることがない彼女の家のキッチンは、家主より俺が使うことの方が圧倒的に多い。