精巧に作られた人形のように整った顔、真っ白な肌に長い手足。
蜂蜜色の瞳はとても澄んでいるのに強い意志を灯していて、それが何だかアンバランスに思えて少し不思議で。だけど、その瞳に一瞬で心を掴まれた。
第一印象は、綺麗な子。
ビジュアルも歌もダンスも、余りに優れていた。そんなユリに興味を惹かれるのは必然的で、切磋琢磨できる良いライバルだった。
いつの間にか少しずつその想いが形を変えて、ユリの事が好きだと気が付いた。
だけど俺達はアイドルとしてデビューする事を目指している身。いつかお互いに、誰からでも認めてもらえる存在になったら気持ちを伝えようと思った。
だから正直、同じグループでデビューすると決まった時、複雑な気持ちだった。
ユリが好奇の目で見られる事なんて考えなくても分かった。メンバーとの恋愛なんて、あっていいはずがない。
『私の存在が、このグループのハンデになる事は分かっています。私が居る事で、グループに、皆さんに、本当に沢山迷惑を掛けると思います。だけど私は絶対に、何があっても逃げません。必ずここで成功します。
初めは受け入れてもらえなくても、その先でいつか、私がグループの強みになれるようになると誓います。だからどうか、よろしくお願いします。』
俺たちの前でそう頭を下げたユリの手は震えていた。
ユリの才能は誰より分かっているつもりだった。だけど、その華奢な身体で、どうやって男7人に着いていくつもりなのだろうと本気で驚いた。
この小さな女の子は、一体何を考えて、どういう覚悟でその決断を下したのだろうと。
それでもその言葉を聞いた時、俺のその疑問はすぐに吹き飛んだ。
覚悟している以上の出来事が起きるだろうと怖くなった。それでも、ヒョン達とユリとなら大丈夫。必ず乗り越えられると、根拠のない自信があった。
そして、俺はユリへの気持ちを閉じ込めようと決めた。