不意に寂しさが襲う。それも、耐え難い程の。

グクは私を救ってくれた。
心も体もボロボロで死んだように生きていた日々の中、差し込んだ優しい光、それがグクだった。
グクはいつだって誠実で優しくて、真っ直ぐな愛をくれた。
考えられなかったような幸せな毎日。そんな中、ただじっとグクを待つ事すら出来ない私は、本当にどうしようもない女だ。



『……』


「儚?」


『グク、』


「遅くなってごめん、ただいま。」


『…おかえりなさい』



グクの顔が見れなくて俯きがちになる私の隣に座って、そっと肩を抱き寄せられる。



「儚、どうしたの?」


『…っ』


「儚、」



甘く響く優しい声に涙が堪えられなくなって、グクが好きで、自分が情けなくて、どうしていいのか分からなくなる。



『…っ、ごめん、ごめんね…』


「儚、ちょっと、」



出て行こうと立ち上がろうとしても、ぎゅっと抱き締められて動けなくなる。



『やだ、グク…っ』


「どうしたの…俺の事、嫌いになった?何か嫌なことした?ごめんね、儚。」



違う、違うよ。
グクはステージの上では完璧なアイドル、私の前でだって、完璧な彼氏で居てくれる。不満なんてひとつだってあるはずない。

ただ、居なくなってほしくないだけなのに。



『ちが…っ、あのね、私、』


「うん」


『…っ、グクと一緒に居たいの。他に好きな人が居ても、私が1番じゃなくたっていい。どんな形でもいいから、グクと一緒に居たい、ただ、それだけで…っ』



その為に私、どうしたらいい?



その言葉はグクの唇に飲み込まれて、角度を変えて何度も何度もキスをされる。



『ん…っ、ぁ…』


「っ…ねえ儚、」



気付いたら押し倒されていて、見上げたグクは苦しそうな顔をしていた。



「俺…俺、儚しか要らないよ。儚が望むなら、ステージだって手放すよ。」


『…っ』


「寂しくさせて、苦しい思いさせてごめんね。どんな時だって、儚の事だけ愛してるよ。」