仕事は申し分なく順調で、むしろ休みが欲しいくらい。求められる声と反比例して増える批判に心が痛くなる事にはもう慣れた、いや、麻痺だろうか。
俺の事を知らない人の方が少なくて、手に入らないものなんて殆どない。
ただひとつ、どうにも遣り過ごせないもの。それが、1人になる孤独な時間。
その寂しさは女を欲する感情に酷く似ていて、幸か不幸か求めなくても寄ってくる人を思うがままに抱いた。
それでも何となく、だけど確かに心の奥底の中心に空いた穴は塞がらないままで。
貴女に出逢ったのは、そんなふうに過ごしていたある日だった、ヌナ。
俺は一瞬でヌナに釘付けになって、そして分かったんだ。
俺が求めていたのは貴女だった。俺が産まれてきたのも、この人生を送ってきたのも、これまでの全てが貴女に出逢う為だったんだって。